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【雑記】2020年ベスト映画



はじめに

もうそろそろ1月も終わろうとしているし、
正直今日何もやってないので、駆け込みで。
本当は今日だって映画をみたかったが…まあなかなか、昔よりは映画を見ている気がするが、個人的にはやはり、月に5本は映画を見たいのだ。
いろいろ趣味が多いのはいいことだが、自分の中ではインプットの側面が強いので、なるべく脳に入れとかないと思ったりなんだったり…。
そういうノルマを決める見方は本当の映画ラバーじゃない気もするんだが、まあ、たぶんそうなのかも。だけど、そのノルマのおかげで去年よりも見たし、大分映画を見てきた気がする。時節も時節だし、クラブいけないし。
だからこのコロナの中、今年見たベスト10を発表する前に、いろいろな雑談も。


2020年に見たかったが見れなかった映画3つ

1.悪の絵

 これは見たかったな…。
まあ、フィルムフェスティバルで確か2日くらいしか公開なかったし、一日一ステみたいだったけど…。
素晴らしい「芸術」が「悪人」によって作られたとき、「芸術」は擁護されるのか?という問題を描いてると思うので、すごーく興味があったのだが…。でも「どかーーーん!」みたいな話題にSNSではなってなかったから、それほどでもないのかなあ…。


2.ルクス・エテルナ 永遠の光

 去年見事1位の栄冠を抱いたギャスパー・ノエのおっさんの新作、あろうことかSnoozerの表紙にもなったゲンズブール姐さんにいつものひどいことをしているみたいです。
感想を「うおっまぶしっ」だけですませようと思ったのになー。
シネマート新宿でやってるみたいなんで、1月中に見に行こうと思ってますが、こちらも2020年の公開はマジで数回しかなかったので見に行けず。
ノエのような「映画でしかない映画」をしてくれる監督がいなかったのですが、まさかの伏兵が2020年のランキングでカバーしてくれました。ランキングをお楽しみに。


3.プリズン・サークル

 昨年も良いドキュメンタリー作品を輩出した「東風」配給の作品。これも2021年、ポレポレ東中野でやってまして、見に行きました。基本的に「まーやっぱ幼年期の家庭環境って大事だよねー」って気持ちにしかなんない感じではあったのですが、それぞれがかなり「演劇的な」ワークショップで自らの加害者意識、罪に向き合っていく(そう、向き合えないという問題があるんです)シーンは興味深く見てました。もちろん加害者になんの同情の余地もない、って意見もあるのはわかりますが、


2020年みた<興行>/<アニメ>映画3つ


 2020年は「鬼滅の刃」が話題を駆け抜けた年でした。「千と千尋の神隠し」を超えて、なんて報道が、ごみを捨てに行ってる宮崎駿に突撃インタビューなんてくだらない記事を生み出してもいましたが、実際のところ、この「鬼滅の刃」にしろ、その他のアニメ映画にしても、やはり「作品」というよりは「興行」であるなあと思わずにいはいられん感じでした。自分としては。
 それは単純に「映画の内容だけで完結していないこと」に尽きる気がします。もちろん作る方がなるべく映画単体の魅力を高めたいのでしょうが、どれも、まあ、まず作品見とかないとなあ、と思わずにはいられん内容でした。それでも見どころはしっかりあり、「鬼滅」ならやはり術式展開のシーン、「PSYCHO-PASS」なら唐之杜志恩(CV沢城ゆみき)さんのダンゴ虫展開&前線に立つシーンがよかったなあと思いましたが。
 特に「PSYCHO-PASS」シリーズは今年ロックダウン中にビンジした、今までずっと気になっていたのに見れなかったアニメだったので楽しくシーズンを駆け抜けましたが、まだまだ劇場版のクオリティは、これまたロックダウン中にビンジした「攻殻機動隊」シリーズの劇場版の名作の数々…押井2作品はもとより、「Solid State Society」にも…まだまだ及ばんなあ、といったところ、Production I.Gはなかなか今後が心配です。ゆっくり今の情勢を見て、何が不味いのか、何が起きてるのか見定めて作品を生産していただきたい。
はい、偉そうなこと言いました。
 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」はもちろん「よくできてるなあ」とは思うのですが、どうしても、この作品を、京都アニメーションを焼いた男の存在がちらついて、そこばかりを考えてしまうのでした。



本編:2020年映画ベスト10

10位 21世紀の資本


ピケティは、時はフランス革命に遡り、植民地主義、世界大戦、数々のバブル、大恐慌、オイルショック、リーマンショックなど、300年に渡る歴史の中で社会を混沌とさせた出来事と経済の結びつきを紐解いていく。
──今まさに、歴史は繰り返されようとしている。
如何にして我々は経済の負のスパイラルから抜け出せるのか?ピケティを始め、ノーベル経済学受賞のジョセフ・E・スティグリッツ、ジリアン・ラット、イアン・ブレマー、フランシス・フクヤマ他世界をリードする経済学者が集結。世界中の経済・政治の専門家たちが、膨らみ続ける資本主義社会に警鐘を鳴らし、知られざる真実を暴いていく!

 では本題に入っていきましょう。しょっぱなから変化球というか、
トマ・ピケティの「21世紀の資本」というノンフィクション本を映画にしたという、一見「すごい本なのはわかるが、それ、おもろいんか?」という映画。しかし、どうせあんな分厚い本知ったかぶりして読んでない人が7割くらいだと俺は思ってますんで、エッセンスだけでもいいから、どんな媒体でも吸収できるようにするべきだと思うんです(この話は実は1位の作品にも絡んできます)。この映画も様々な既発映画を参照するので、「おー、「ウォール街」とかみてみたいなー」と思わせるし、新たな映画の興味をしっかり開いてくれたり、今のコロナの状況が明けると、戦後のカーニバル経済のようなものが来るかも、と期待をいただかせてくれたりします。
 さらに、個人的には、資本(お金)を持つと、人間、態度がでかくなるという心理研究がしっかり出てたりして、それが「一般感覚じゃなく普通に科学的に証明されるのか!」となる驚きのシーンでした。


10位(同率)Planet of the Humans

 さらにノンフィクションというか、ドキュメンタリー作品が同率で10位。
しかも日本語訳なし。ですが上記の俺のツイートにあるように、youtubeの自動翻訳でも大体意味がわかると思います。
 環境問題はバイデンさんも言ってた通り非常に重要な、この星に生きる我々が考えなければいけない問題(なぜならこれを解決できるのは人間しかいないからです…人間そのものが消えればいいという解決すら、人間にしか恣意的にはできないでしょう)ですが、非常に長期的に物事を考えなくてはいけない為、今、ここにいるヒトビトにとっての利益にはならないので、トランプさんなどによる環境協定の撤廃が働く人々の今の経済を救う、ということが起こってしまいます。そのように非常に根気と持続的なファクトチェックがいる問題です。そりゃ悪用する人がいるでしょうとは思いますが、ここまでわかりにくくやってるとは思いませんでした。最後の猿のシーンは情緒的で嫌いなんですが、非常に骨のあるドキュメンタリーでどうしても10位以内には入れたかったので入れました。貼り付けたyoutubeから全部見れます。


9位 そこにいた男

「岬の兄妹」の片山慎三監督による短編映画。 深夜、とあるマンション内のエレベーターホールに、血だらけの女・紗希と意識朦朧とした血まみれの男・翔がいた。 取調室で虚ろな目をした紗希が、翔との関係を話し始める

 「パラサイト」のポンジュノの弟子…みたいな触れ込みで有名なこの監督ですが、わずか30分の映画でしっかりこちらのハートをつかんでくれました。ポルノ女優の戸田真琴さんも言及したあのホスト刺殺未遂事件を元に組み立てられた映画ですが、妙な偽りや、ラストシーンの回想、男を作品上「殺してしまう」という逆に救いのある? 展開など、その「現実」と「作品」の間をただよえる良い作品だったなあと思っています。あと基本的に顔の良いクソ男がひどい目にあう映画は好きなので、それは私の性癖と受け取ってくださいごめんなさい。まだ「岬の兄妹」は見ていないので、なにかのタイミングで見ようと思います。


8位 はりぼて

“有権者に占める自民党員の割合が10年連続日本一”である保守王国、富山県。2016年8月、平成に開局した若いローカル局「チューリップテレビ」のニュース番組が「自民党会派の富山市議 政務活動費事実と異なる報告」とスクープ報道をした。

 このドキュメンタリーもすごかった。今もかなりヒトビトを怒らせている議員のみなさんですが、この地方のミクロの目で発見した、地方の政治にはびこる害虫…おっと失礼、税金にはびこる職権濫用を見事に調査し、しかもそのすっとぼけ議員たちの間抜けさをメインにカメラを回した、怒れて笑える作品です。基本、舞台などをやってると、やっぱどう転んでも人生が皴や表情にしみついた高齢者の方がたの演技には勝てません、と思う時があるのですが、それがこのドキュメンタリーでも如何なく発揮。いやー笑えました。もちろん笑ってすまされる問題ではなく、ラストの謎めいたビターな結末も好感。昨年の「主戦場」に楽しめたかたなら是非。しかし、一向に政治的中立を保ちたい俺が待ってる、保守からのドキュメンタリーが届きませんねえ…。トマ・ピケティのまだ訳されてない本の中では「左側リベラルがブルジョア意識をずっともって貧困層にアプローチしないのが悪い」とも書かれているのに…。がんばれ、保守。なっつって。


7位 星の子

「こちらあみ子」「あひる」などで知られ、「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した今村夏子の小説を原作にしたヒューマンドラマ。怪しげな宗教を信じる両親のもとで育った少女が、思春期を迎えると同時に自分が身を置いてきた世界に疑問を抱く。メガホンを取るのは『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』『タロウのバカ』などの大森立嗣。『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』などの芦田愛菜が、ヒロインのちひろを演じている。

 これは不思議な映画でした。宗教にはまってしまった家族を糾弾するわけではなく、何かを信じるものを叩く人と、静観する人、あるいはそこから逃げ出す人。それぞれがそれぞれの側にいるだけの映画。そこに緩急をつけるのは、主役である少女の恋愛感情、家族感情になります。しかし、それはほぼほぼ幸福に終わることはなく、それでも悲劇的にならず、ただ、淡々としている。その静けさが、この映画の風格にもなっていました。ラストシーンは、個人的には、家族全員が、もう同じものの見方を共有できない、という比喩なのかな、と思いながら見てました。
 そして俺が大好きな、顔の良いクソ男役として出てくる岡田将生さん、最高。「2匹いるなあ」の必殺セリフ。いたいけな少女に対するブチギレ。本当最低で最高でした。こういう役を全力でできる方、尊敬します。 


6位 リチャード・ジュエル

1996年アトランタ。イベント開催中に爆破テロ事件が勃発。
警備員をしていたジュエルの力で多くの人命が救われた。しかし、爆弾の第一通報者であることで、FBIから疑われ、そしてメディアの報道により第一容疑者となってしまう。
これに対し、弁護士のワトソンそしてジュエルの母は異を唱えるのだが、、
衝撃の真実が明らかになるーー

 去年もランクインしたイーストウッド監督映画ですが、イーストウッド監督って共和党支持なんですね。そこから考えるとこの映画、保守映画ですね!うん、こういうのを日本の保守の人も作ってください!実在事件の具材はいっぱい転がってますよ!
 さて、この映画を前年の「運び屋」より高い位置に置いたのは、主役のキャラ立ち。完全な白人オタクで、いろいろな知人の顔が浮かびました。しかし心の底は、正義感あふれる男。なん、だけど、なあ…(笑)。協力してくれる弁護士に「しゃべるな!」って言われてもしゃべっちゃうとか、言わんでもいいこと言っちゃうとか、本当に…そう、まじめでいい奴なのだ。しかしそれを利用する警察やマスコミの悪質さ。まあ、そりゃ利用されちゃうよなあ…と思ってもしまうんですが、そのトホホぶりは、「運び屋」にも、「グラン・トリノ」にもない、この映画の見どころです。
 最後のシーンは非常に「運び屋」に似ているなと俺は思いました。今のイーストウッドの何かのメッセージなんだろうと思います。「運び屋」では花のタトゥーだったものは、この映画では「タッパに書かれた消えないマジック」です。これは「高齢者は自ら選び取れる」/「低所得者はただやられる」という図式を示してもいる気がしますね…。


5位 獣の棲む家(HIS HOUSE)

戦火で荒廃した南スーダンから命からがら逃れて英国にやって来た若い難民カップル。保護を認められ、小さな町のある家を住居としてあてがわれるが、そこには見えざる獣が潜んでいて...。

 2019年に台湾の赤燭遊戲(Red Candle Games)が「還願」というホラーゲームを作りました。その前の作品「返校」は台湾全土を圧巻した名作となったのですが、この「獣の棲む家」を見て最初に想起したのはそういったホラーゲームです。それを良質に映画化したらこうなるのだろうと(ちなみに「返校」は映画化されましたが…まだ日本にきていません。netflixでオリジナルドラマ化もされました。これは…ちょっと判断保留してます(苦笑))。つか、まんま「還願」やんけ、と漏らしてもいたかもなあ。
 この映画の最大の欠点は出てくるモンスターの若干のチャチさなのですが、それ以外は本当にお見事。特に慣れぬ土地で受ける体験のエグさと、そこに対応するために男の人がする「愛想笑い」の不気味さが、このホラーの根幹なのかなあと思います。

(いやー今見てもかっけーすね。怖カッコいい。はやく中国政府の怒り収まらんかなあ…。)

(はやく見たいなあ…)

(netflix版のEDの曲はよいです)

なんか赤燭遊戲の宣伝になってすみませんね…。


4位 VIDEOPHOBIA

東京で女優になるという夢破れて故郷・大阪のコリアンタウンに帰って来た29歳の愛はそれでも夢をあきらめきれず、実家に住み、バイトをしながら演技のワークショップに通っていた。そんなある日愛はクラブで出会った男と一晩限りの関係をもつ。数日後、愛はその夜の情事を撮影したと思われる動画がネット上に流出していることに気づく。そしてすぐに男の家を訪れるが、愛は何も言い出せない。その後も連日、その夜のものと思われる動画がネット上に投稿される。もう一度男の家を訪れた時、すでにもぬけの殻だった。自分のものとは断言できないが拡散し始める映像に、愛は徐々に精神を失調し始める――。

 「映画を見た」「映画でしか見れないものをみた」という感覚を重要視するのなら、この映画が一位かもしれません。物語は単純で、ちょっと謎めいています。しかし何より現代の大阪を白黒画像で見せることで、リアルと酷似していながら全く違う謎の空間が発生してしまうことに成功しています。
 その世界の中で体当たり演技をした主演の女性はもちろん、さまざまな謎めいたシーンが、あるいはセリフが、「虚実」をかすめていく感覚が見事。なぜ女性は警察に対して偽名(しかも韓国人性)を使ったのか?なぜ鼻から出血していたのか?なぜ演劇のワークショップのシーンがあったのか?そんなシーンが折り重なり、ラストの演出も個人的には納得のいくものでした。
「虚実」・「被害」・「脱出」…。今の現代の感覚にしっかりと応えていた作品だったと思います。唯一、ラストの曲と劇中の曲のゲインがあってなくて、「うーん、最後もしっかり作品のための楽曲なのになー爆音でききたかったなー」と思ったことがマイナスですかね(笑)。

昨年当日パンフ買いすぎたな…と思い2020年はあんまり買ってなかったのですが、これは買いました。しかも判型も内容もgood。

ED曲はこれ。これ自体は最高でしたね。Jin dogg、映画に出てほしかったなあ(そういう話もあったそうです)…。


3位 コリアタウン殺人事件

殺人事件の調査に迫る奇妙なファウンド・フッテージ。隣人の実生活での殺人事件に対する男の好奇心は陰謀への狂気と落ちていく

 ファウンド・フッテージ。そういった作品で有名なのは「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」だと思うんですが、それ以来ともいえるべき、このネット時代に巧妙に作りこんだ「情報の不在性」(監督・役者全て非公表)。あるいは作品以外の場所の作りこみ(映画公開前からyoutubeやサイトを用意)。それによって伝えられるのは、これがマジか、ネタか、という話ではなく、「陰謀論」におちいってしまう一人の低所得白人層の悲痛な姿でした。マジかネタかって正直俺から言わせると、明確に「音楽」があるという意味でネタだってわかるんですけど、「韓国」という異方の場所に、なにか自分の興味を置くというのは、ある種ラテンアメリカ発祥の短編小説にも近い衝動のような気がします(フエンテスの「チャック・モール」とか)。
 カメラを撮っているのは失業中の彼女持ち男性であり、何かに夢中になることでこの現実を忘れたい、ともとれるこの作品は、そのまま、2021年のアメリカの議事会につっこんでいったヒトビトの抱える心を知る、何かしらの手がかりにもなる気がします。アマゾンプライムで俺は見ましたが、今はdvdも出てるみたいですね。でも音楽を消せる仕様もあるとか。個人的にはあの、ジェームズ・フェラーロのようなヴェイパーな音楽が好きだったんですけどねえ…。

(個人的にはこのアルバムを一番思い出しました)

2位 ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから

人気者の女の子に思いを伝えたい心優しく口下手なアメフト男子のポール。そのポールを手助けすることになった成績優秀で内気なエリー。そんなエリーも彼女に秘かな恋心を抱いていて...。監督・脚本は『素顔の私を見つめて...』のアリス・ウー。

 エンターテイメント、独り勝ち。とにかく最高。ここまで胸がすくラブコメがあるなんて思ってもいませんでした。アメリカのバイブルベルトど真ん中の保守地域でいじめられるアジアンの主人公に「がんばれ!!」と言いたくなるし、彼女の若干斜に構えた非モテっぽい態度に首が折れるくらい頷いたし、映画のシーンや餃子のシーンなど、全てが「いいなあー」と思わせる完璧な脚本。ネットフリックス作品でもあるし、今すぐ見てくれ!

 12年前、こんな曲があったんですが、この曲の最高さを104分に引き伸ばしたみたいな映画です。ちなみにこの曲は、イケてない男と踊ってる意中の女の子を見て「ワタシの方がうまいのに」と思う女の子の歌。ドンピシャですよね。


1位 罪の声

35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、誘拐や身代金要求、そして毒物混入など数々の犯罪を繰り返す凶悪さと同時に、警察やマスコミまでも挑発し、世間の関心を引き続けた挙句に忽然と姿を消した謎の犯人グループによる、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪だった。
大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。 一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。

 2位の映画が「村岡、2020年、一本だけ映画を観ろ」ならこれ。
 4位の映画が「村岡、一本だけ映画館で映画を観ろ」ならこれ。
 ですが一位はこれにしました。
 これは、「全員が見るべき映画」、という感じで…。偉そうですが。
 脚本は「逃げ恥」の野木亜紀子さんでこの人の仕事は初めて見ました。脚本うまいと思います。そしてこれは実際のところ小説原作ではあるのですが、僕は面白いコンテンツは、どんなメディアにでも変換し、よいコードソースを伝播させるべきだとおもうんで、これを一位にしたともいえます。
 「グリコ森永事件」を小説風に組み替えたもの、と簡単にはいえるのですが、重要なのは、この犯罪が10年代の現代から始まり、80年代、60年代の安保闘争まで、戦後の日本をぶった切るように横断していくスケールのデカさでした。そして、罪はどうしても最も弱いものを狙い撃つという構図が残酷なまでに出ている作品でした。今年は日本映画は本当にいい作品が多かったと思います。なかなか予算がなく残念なことになる映画も多い中、これは、スケール的にも内容的にもうまくいっている。「はりぼて」のように既得権益を攻撃し、「コリアタウン…」や「リチャードジュエル…」のような今の犯罪者という「被害者像」、「星の子」ように淡々と残酷に流れる過去の出来事、で、ありながら役者陣の泣く演技などは非常に痛烈に胸を打つものがありました。高度経済成長以降、没落した35年…それは俺が生まれ生きてきた日本の時間そのものなのですが…が横たわっている気がして、とにかく、俺の親の世代に見てほしかったです。親はまだこの映画を見てません。見せてあげないとなあ…。なにより、俺の親世代くらいの老年の役者さんの演技も素晴らしいです。ちょっとした情報提供役でも、いい味がすごく出ていました。

ラストシーンは地味でした。でも、「今あることをやるしかない」という、気持ちにさせるシーンで、俺は好きでしたね。


最後に

EVAは延期になりましたが、この宣伝を見て心変わりをしましたんで、
これから新劇場版全部見てみようと思います。

※訂正…エリー・チューは役名でした…。
リーア・ルイスというお名前だそうです。

訂正:×キム・ギジョン→パク・ソダム
キム・デジョンも役の名前でしたね…。


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