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雷と怒鳴り声2

雷の日

思い出すエピソードがもう一つ


母への怒号


これも理由は忘れた

いちいち理由なんて覚えてない

父のスイッチは気まぐれ

長く付き合ってるとなんとなく分かってはくるが、そんなのが分かってもやってくるものはやってくる

ストレスの発散がそれしかないのだろうか、と疑問に思う


夜中、外では雷が鳴っていた

母が両親の寝室に呼ばれ

怒鳴られていた

何分も何十分も怒鳴られていた

こうなった時は必ずお酒が入っている

興奮度が高まり、日頃のストレスを母にぶちまける

自分は悪くない悪いのは周りだ

悪いのは母だ

(母方の)祖父母だ

母の兄弟だ

全て人のせい

散々怒鳴り散らし

酒が切れたらしい


「酒を買ってこい」


父からの言葉を受け、夜の12時を過ぎた雷と大雨の中母は車で酒を買いに行った


母は何でわざわざ買いに行くのか何で言いなりにならなければいけないのか


でも、酒を買ってこなければ理不尽説教タイムが永遠と続く

酒を買ってくることが解放への近道だったのだろう

いや、そんな事を考える余裕なんてない

買ってくる選択肢しか母にはなかったのだと思う



私は別の部屋で身を潜める

雷の中も父の声は聞こえていた



これが雷を聞くと思い出す二つ目の話



たけはし

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