ある大工の話
今回は、「読むだけで運がよくなる77の方法」(リチャード・カールソン 著 / 浅見帆帆子 訳 / 王様文庫)という本の中から、「ある大工の話」というお話を紹介します。
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ある大工の話
引退しようとしているある高齢の大工の話を紹介しよう。
この話が私は好きだ。
とても大切なことを語っているからだ。
その大工は、もうそろそろ家を建てる仕事をやめて、妻と一緒にのんびり暮らそうと思った。
雇い主は、個人的な願いとして「もう一軒だけ建ててくれないか」と頼んだ。
大工は承知したが、真剣に仕事をする気はなかった。
粗悪な材料を使い、手を抜いた。
キャリアを積んだ優秀な職人の幕引きにしては、残念な仕事だった。
家は完成した。
点検にやって来た雇い主は、玄関のカギを大工に渡して言った。
「この家はあなたの家です。私からのプレゼントです」
大工は、大ショックを受けた。
ひどく恥ずかしかった。
自分の家を建てているとわかっていたら…たぶんもっと頑張っただろう。
私たちもこの大工と同じだ。
毎日毎日、人生という家を建てている。
だが、建てていることに全力を尽くしていないことが多い。
そしてずっと後になって、自分がつくりあげた人生(建てた家)に一生住みつづけなくてはならないことを知ってショックを受ける。
もう一度、やり直すことができたら、まったくちがうことをするだろう。
だが、その時はもう、後戻りはできないのだ。
あなたに後悔してほしくない。
あなたも私も、大工のことを笑えない。
私たちは人生という一生住みつづける家をつくっているが、果たして最善を尽くしているか…
「ベストを尽くせ」という言葉は耳にタコができるほど聞かされた言葉かもしれない。
それから「あと、ひと頑張りだ」という言葉も。
でも、もう一度いおう。
いま、取り組んでいることに全力を尽くすと、思いがけないところから幸運がもたらされることが多い。
もうダメだとか、おしまいだとか思っても、もうひと頑張りすることが何より大切である。
それをどうか忘れないでほしい。
あと、ひと頑張りだ!
もう一歩だ!
自分の人生を精いっぱい生きるとき、大いなる力が働いて、導かれていく
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この話を読んで、チャンスが来た時に全力でやるのではなく、常に全力で物事に取り組んでいるからこそチャンスがやってくるのではないかと感じました。
森哲平