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ヤバい転職エージェントに当たった話

私はWebエンジニアとしてこれまで2度の転職を経験しました。
エージェントや転職Webサービス、イベントや企業HPからの直接応募など様々な方法で転職活動をしてきましたが、転職エージェントに対しては正直あまり良くない印象を持っています。

これまでに合計6人のエージェントを利用してきました。
お願いしてよかったと思える方もいらっしゃったのですが、
連絡の遅い人、志望条件に合わない企業をなぜか薦めてくる人、他のサービスで内定をいただいた際に、そこに決めさせないために内定先の悪口を吹聴してくる人など行動に疑問の残るケースの方が多かったです。
なかでも特にヤバいエージェントに当たってしまった時の話をします。

最初は特に問題なかった

その方を仮にAさんと呼びます。
Aさんは東京のとある人材会社の女性のエージェントで、最初にお会いした時の印象は特に悪くありませんでした。
むしろ親身になって話を聞いてくださり、少し難しい条件ながら熱心に私にマッチする企業を探してくださっていたように感じていました。
当時の私は新卒入社から三年ほど勤めたIT企業を、部署異動を命じられたことをきっかけに、転職先を決めないまま退職したばかりでした。
古い技術を使って仕事をしていたので、新しい技術を扱う企業に転職したいと考えていました。
しかし、そのようなケースでは業界未経験として扱われることがほとんどで、なかなかマッチする企業が見つからず転職活動は難航していました。

なんとか内定をいただく

転職活動を開始してから3ヶ月ほど経ち、貯金も底を突きかけたころ、Aさんの提案してくださったF社という企業で、「経験は足りていないけどウチで育てます」とありがたいお言葉をいただき、無事内定を獲得することができました。
しかし、F社の給与は前職よりだいぶ低かったため、贅沢は言えないものの即決するには至りませんでした。
Aさんから内定をいただいた旨の連絡を受けた際、「転職活動をやめてここに決めるか、まだ続けるか」と判断を求められたのですが、「とりあえず今選考中のところは最後まで受け切って、その後判断したい」と返答しました。

おかしなことが起こった

新規の企業に応募することはやめ、Aさん経由で応募した3~4社の書類選考と、他のサービスから応募した数社の選考が残っているのみとなりました。
Aさん経由の3~4社は、F社の内定が出たあと1週間ほどで全て書類選考お見送りとなり、Aさんからその旨を伝えられました。
それでも、まだ他サービスから応募していた企業の選考が残っていたため、F社の内定受諾は保留していました。

そんな中、おかしなことが起こりました。

Aさんからお見送りの連絡を受けていたうちの一社から、私のメールアドレス宛に直接「次回選考(Webテスト)のお知らせ」が届きました。
なぜ選考落ちした企業から次回選考の連絡が来るのか?
間違えて送ってしまったのか?
メールの内容をみると次回選考のWebテストのURLなどが記載されていました。

無理のある言い訳

私はすぐに、Aさんに確認のLINEを送りました。
するとAさんからは、「書類通過おめでとうございます!この企業は履歴書の送付後ずっと連絡が来ていなかったため、お見送りと判断してご連絡していましたが、入れ違いになってしまったようですね><」
このような文章が送られてきました。
しかし、Aさんから送られてきていたお見送りメールの文章には、下記のような選考落ちの理由が記載されていました。

【理由】
応募者多数のため、相対比較により判断しました。
応募いただいたにも関わらずこのような結果になってしまい誠に申し訳ございません。

Aさんの判断であるなら上記の文章がどこから生じたのか?
疑問に思いAさんに質問したところ、既読がついたまま反応がなくなりました。

2時間ほど経ってから、Aさんから電話が掛かってきました。
「誠に申し訳ありません、他の方に送ろうとしていたメールを間違って送信してしまっていたことがわかりました」と言われました。
文中に私の宛名が入っていたことや、「ずっと連絡が来なかったため、お見送りと判断した」という先ほどの発言とも整合がとれず、嘘をついていることは明らかでした。
私はF社の内定を辞退する旨、サービスの利用をやめる旨を伝えて電話を切りました。

信用が瓦解した

"選考中であるにも関わらずお見送りになったと虚偽の報告をしたこと"
" 自分で判断したのに企業から連絡がきたかのように偽装したこと"
明らかに嘘の内容を除いてAさんの発言を信用したとしても、これらについては弁明の余地がありません。

本当に連絡が来なかったから選考落ちと見なしたのか?
F社に決めさせるために選考通過の連絡をブロックしたのではないか?
他にも書類落ちに偽装されたところはないか?
 勝手に企業側に選考辞退の連絡をしていないか?

この件でAさんに対する信頼は完全に瓦解し、さまざまな疑問が湧いてきました。不正がこの一件だけだとは思えませんでした。
しかしこの時の私は貯金も尽きかけて全く余裕がなかったため、今回のことを応募企業にチクったり、これまでに選考落ちした企業に確認の連絡をしてみるといったことはせず、ただAさんのエージェント会社と縁を切りました。

人材系あるある?

その後他サービス経由でなんとか内定をいただき気持ちが落ち着いた頃、人材系の会社に勤める友人に今回のことを話してみました。
すると、予想外の返答が返ってきました。
「あるあるやな」「バレたことが無能ってだけやな」

ビジネスモデルの問題

Aさんの会社は、候補者が紹介先に入社することで提示年収の数十%のマージンを受け取るというビジネスモデルのようです。
この場合、企業と候補者の間でAさんが何ヶ月やりとりをしたとしても、最終的に紹介先に入社させられなければ売上はゼロになってしまいます。
そのことを考えると、どんな手を使ってでも紹介先に入社させたいという意識が働くことはやむを得ないと思います。

ただし、利用者の立場から考えると、エージェントが勝手に選考を落とすなどたまったものではありません。
この件以降、私は転職エージェントを信用しなくなりました。
二度目の転職時にもエージェントを付けたものの、企業の情報を得ることを利用の目的として、基本的には企業HPからの直接応募をメインにするようになりました。

転職エージェントにはもちろん、非公開求人を紹介してくれたり、スケジュールをセッティングしてくれたり、給与交渉を代行してくれるなどメリットもあるとは思いますが、エージェントに全面的に頼ってしまうと「エージェントにとっての成功」しか得られないことを確信しています。

オワリ

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