ディベート冒険譚 1   部登録・自己紹介編 

自分のディベートライフを鮮明に思い出せるように、今のうちからここに記そうと思います。ただ、エビデンスを探したよとかは面白げがないやつはどれだけ大切でもなんらかの理由で必要な場合をのぞき割愛します。ゆったりやります。僕自身は決してディベートが上手いわけではありません!


僕は自惚れていた。入学したてで、どんな部活でもバッチコイ(笑)でやっていけると思っていた。
ただ単に楽しそう、スピーチのスキルが高まれば
人と話すのが上手になりそう、くらいの理由でこの世界に片足を突っ込んだのを昨日のことのように覚えている。
体験入部の一週間、色々あったのと、討論部に入るのは自分の中で確定事項なので、日付をミスして流れてきたラグビー部と本命の討論部にしかいかなかった。結果、クラスで小馬鹿にされた。

そんな惨めな状態でも、討論で見返してやる!
と心に決めて挑んだのは、そう、部登録。

上級生のクラスが固まる階には初めてきた。体験入部時に色々あったときに会った先輩がいた。
僕は勝ったと思った。
さて、事務的な手続きもつつがなく終わり
夢の自己紹介フィーバータイムだ!と舞い上がっていた。
そのときだった、僕の羽がもぎ取られ、頭から氷水をかけられたのは。部長の「名前とー、好きなお菓子&ジュースとー、中学生の時の部活をよろしく」という慈悲なき一撃が脳内で何度もフラッシュバックした。

僕、中学の時の部活、退部してる、、、

周りのみんなが粛々とすまし顔で終える中、
僕は机の中から覗く虚空を見つめ、やんわりと雰囲気をまとめつつ、嘘もつかないような打開策を思案していた。
順番が回ってきた。
跳ねる心音に登壇する足音が重なる。この時の僕の耳は到底使い物にならなかった。おそらく近くの席の子が気にかけ声をかけたのだろうがノイズにしか聞こえなくなるほどだった。
名前を国語の教科書のように音読し、でっちあげた「僕」の設定をそこそこの音量で再生した。
あとは「卓球、少しかじってました。」たったこれっぽっちの文を流すだけだったのに、ここで
僕に人間味が降りかかってきた。キョドった僕は
退部したことも宣言してしまい、この時点で
想像通りの刺青が腕に纏わり付くのを感じた。
ここでも浮くのかな。そんな僕の思考を堰き止めるように、一年部員と連絡先を交換して雑談した。みんなはそんなこと気にしてないらしい。
そんなことが一番心地よかった。

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