Rの発音ができない理由

Rは舌の奥の両側に力を入れ、舌先の力を抜いて発音します。一般に言われるように「舌の先を巻く」と、舌先が緊張するのでLに聞こえます。巻くのは先端ではなく、後方の両脇です。

Rに限らず、正しい音が出ない理由は一つしかありません。筋肉の使い方が間違っていることです。特にアメリカ英語ではR抜き発音は通じないことが多いので、かなり深刻な問題になります。

ワークショップ参加者はみんな、単独でRの発音はできるようになりますが、他の音と組み合わせて単語の中でRを発音すると、そのうちにカタカナに戻ってしまう傾向があります。主な症状と原因は二通りあります。

Lになってしまう(rainがlaneになる):舌先に力が入っている。
Wになってしまう(rainがwayneになる):唇に力が入っている。

どちらも喉の奥でなく口先に力を入れて音を出していることが原因です。これはRだけでなくすべての発音が上手にできない原因なので、以下の問題を解決する必要があります。

顎の周りの筋肉が弱い(日本語でも発音が曖昧になる)。

下顎に力が入って、横から見ると後退している(全体の動きが悪くなる)。

首と肩の筋肉に力が入って縮んでいる。肘をついている(喉が圧迫される)。

前かがみの猫背になっている。下を向いて話す(喉が圧迫される)。

下顎と唇の筋肉に力が入っている(舌が動かない)。

以上の問題を解決しないと、喉の奥から声が出ません。Rは喉の奥を使い、舌先の力が抜けた状態で発音しますから、喉を使わず口先で話している限り、どんなに頑張ってもできるようになりません。

喉の奥から声を出すためには、まず以下の訓練が必要です。

上下の顎を大きく縦に開く
下顎の力と下唇の力ではなく、舌の力で話す
下顎と下唇の周りではなく、上顎と上唇の周りの筋肉を鍛える

いくら教材の音を聞いて真似しても必要な筋力がないと正しい音は出ないので、正しい訓練の方法については専門家の指導を受けることが必要です。

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