発音向上の第一歩は頭の切り替え

英語を話す時には、和文英訳をすると表現が不自然になります。このことは知っている人が多いと思います。

表現だけでなく発音も同じです。英語の音をカタカナで理解していると、どんなに練習しても発音が良くなりません。発音向上のためにまず必要なことは、頭の切り替えです。頭の中がカタカナのままでは「英語耳の育成」や「シャドウイング」をいくらやっても役に立ちません。

学校英語で「holiday」という単語を習うと、中学の先生は「ホリデー」と発音します。子供の時からヘボン式のカタカナ発音を習っているからです。

それを習った生徒が英会話教室に行くと「hah-luh-dei」と直されます。でも、どうしてそういう音になるのか頭で理解できないし、口の中のどこを使って音を出すのかもわかりません。

そこで日本の生徒は、せっかく習った正しい音をまた別のカタカナに置き換えてしまいます。「えー、ハーラデー? なんかヘーン」とか言い出して、ちゃんと発音している子がバカにされたりします。

そこでみんな揃って結局「ホリデー」に戻してしまうのです。テストの点数には影響ないし。(一層和風の「ホリデ」、極端な人は「ホリドゥ」にしてしまう困った傾向もありますが、自覚がある人はほとんどいません。日本人英語に慣れている英会話教室の先生には通じるし。)

holidayの音は「ホリデー」でも「ハーラデ―」でもなく「hah-luh-dei」です。これを頭に入れるのがまず第一歩。

この音を出すには下顎と舌の上下運動がかなり必要ですから、最初はだいたい「huldu」のような曖昧な音しか出せません。辞書の音声を真似しようと思っても筋肉が動かないからです(海外の語学学校の先生にはそんなことはわからないので「やる気がないのか」などと言っていることがあります)。

英語の発音を向上させるには、以下の段階が必要です。どれを抜いても永遠に伸び悩みます。
①音を頭で理解する
②カタカナとヘボン式を頭から抜く
③顎と舌の筋肉を鍛える

「英語耳」「シャドウイング」などで効果が上がるのはその後の段階です。




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