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Garden

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本好きな2人が出会った夏のGarden
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2022年7月の記事一覧

Garden5

Garden5

あっという間に水曜日がやってきた。
きてほしいような…ほしくないような…複雑な心境で、いつもより早く目覚めるとコーヒーを落とす。

夕方、あのカフェで待ってるねっ。といたずらっぽく
笑った顔を思い出す。
笑うと目尻にシワが寄って、小さな子どもみたい。

溜まった洗濯物を洗う。
ぐるぐる廻る様子を、ぼーっと眺めていると色々な事を思い出す。

いつから1人で生きていけるようになったっけ?
いつから男の

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Garden4

Garden4

勤務する青山の書店は、全国展開されている大型チェーン店だが、土地柄から内装やコンセプトがスッキリとしている。

小さな頃から、将来は書店で働く事を夢見ていた。
インクの匂い、紙の重み、どこへでも連れて行ってくれる本の世界。私はこの仕事が大好きで、誇りを持っている。

初夏の日差しが眩しい7月、新刊の小説を品出ししていた。ハードカバーの本が並んでいく様に、ワクワクしていると、声をかけられる。

「す

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Garden3

Garden3

…帰ろう。そうだ。知らない人だし、ちょっと見かけただけの人。

私は自分に言い聞かせるようにして、ただひたすらに歩く。いつの間にか青山通りまで来ていた。

肩と肩がぶつかるくらいの人混みを見ていると、私はつくづく1人ぼっちなんだと気づく。

誰にも気づかれず、ひっそりと息をしている。
ステキな人に出会えても、ただ遠くから眺める事すら許されないんだ。

思ったより傷ついていた。
ただの通りすがりに、

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Garden2

Garden2

手に見惚れていると、フッと視線が合った。
私はとっさに目を逸らす。

アイスラテを一気に飲み干すと、急いで立ち上がり出口へ向かった。
「なんで逃げるの…?」顔が熱くなるのが分かる。

少し伸びた前髪が、顔にかかっていた。
綺麗に髭は揃えられていたが…なんのお仕事だろ?
アーティスト?画家?とにかく普段はあまり出会う事のないタイプの人だ。物をゼロから生み出す人の、独特のオーラが漂っていた。

初めて

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Garden1

Garden1

そのカフェは、渋谷と原宿のちょうど中間地点にある。
小さな庭があって、コバルトブルーのフードトラックが目印だ。

白い壁に、ウッドテラス。
吹き抜けになっているエントランスを入ると、新人画家のギャラリーがある。左手にはアパレル、その隣にはインテリアが売られているちょっとした複合施設の中にある。

その先に小さな庭。
短く刈られた芝生に、丁寧に手入れされた花々が咲き乱れ、季節の移り変わりを教えてくれ

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