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徳島ヴォルティス 記事まとめ

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#ジュニアサッカー指導

2023の徳島と日本サッカー③

言葉の意味チームを語るうえで出てくるコンセプトという言葉 同じような意味として「戦略」などもあるかと思うが 短く分かりやすく外部に、そして特に差別的優位性という意味を含めたその言葉は サッカーチームにおいて目的に向かっていくなかでの一貫した考えとして発信されるにしっくりくる。 ・「スポーツ」のなかでなぜ「サッカー」なのか ・なぜ「徳島」なのか ・なぜ「日本」なのか 発展に向けて他との違いを探していくなかで独自の価値を見出し掘り下げていくこと、発信していくことは重要な

2023の徳島と日本サッカー②

徳島の航路 徳島はリカルド・ロドリゲス監督からポヤトス監督とスペイン路線を継続 新たな監督もつい先日スペイン人のラバイン氏に決定した。 「スペイン路線」「ポゼッション」「パスサッカー」とも表現されるそれらはある面ではその通りでもあるが 岡田強化本部長が過去話している 「国籍は問わない」 「魅力的なサッカーをして成長できる」 「ボールを大事に」 「組織的に」 「攻撃的に」 「徳島ヴォルティスを通じて世界とつながっていく」 …というところにマッチするスタッフとし

2023の徳島と日本サッカー①

2022年11月 徳島ヴォルティスのJ2残留とポヤトス監督への続投オファーからの退任 日本代表のW杯でのベスト16敗退とドイツ・スペイン撃破 チームづくりの文脈のなかで 披露するサッカーに興味を持ちそれを継続する意思がみえる徳島ヴォルティスと代表チームのW杯での対戦相手にフォーカスしたこれまでの継続を感じない采配への転換に様々なことを考えさせられている。 徳島は意図せず監督が変わるなかでも目指す方向性を継続したなかで発展へ向かえるのか 日本代表はW杯で見せたような本番

2022徳島ヴォルティス振り返り③

3回目は守備を中心に 最少失点とは 35というリーグ最少タイの数字を記録したわけだが、これについてはまず前回以前に述べたように 「ボールを保持する時間が長い=相手の攻撃機会が減る」 というところが大きな要因であると考える。 そしてこれについては昨期を経てDFラインに前の選手が降りてきて数的優位をつくる「サリーダ・ラポルピアーダ」を許容した?ことが大きいのではないか。 意図の有無(守備面への影響も狙っていたか)はともかく、監督が継続したことによる優位性が今期一番表れていた

2022徳島ヴォルティス振り返り②

保持の先にある崩し 昨期を土台づくりと考えていたとしてもいなくとも、今期の結果に関わる大きく抜け落ちた要素として考えている。 もしくはこの崩しの部分については、元々個に任せる考えがあったのだろうか?  昨期も崩しについては岸本選手の突破や宮代選手のシュートアイデアに依存していた部分が大きく、 彼らが抜けた後に残るものが無く再構築が必要なのは当然であった。 特にバイタル付近で起点になりつつ他の選手が探せていない・産み出せないシュートチャンスを作り出す宮代選手の穴は大きく感

2022徳島ヴォルティス振り返り①

残念な結果に終わってしまった徳島ヴォルティス …しかし楽しませてもらったことに感謝し、引き続き彼らを尊敬しながら少しずつ勉強を兼ねて振り返らせてもらいたいと思います。 戦績から 【徳島ヴォルティス】 13勝(14番目)23分(最多)6敗(最小) …48得点(13番目)35失点(最小) ※自動昇格チーム  【アルビレックス新潟】 25勝(最多)9分8敗 …73得点(最多)35失点(最小) 【横浜FC】 23勝11分8敗 …66得点49失点 リーグ最多の引き分け数と最小

21節消化現在の徳島

期待していたもの 快勝した11節のいわて戦では まず選手が臨機応変に立ち位置を取り相手を外したことから序盤ベースに拘ってきた?ようにみえた戦い方について意味を感じ、 また経緯は不明だが(あくまでいわて対策?これまでの課題の解決策?)新たに採用した2トップ気味の組み合わせは、前線の起点を増やし多彩な攻撃の構築に成功した。 以後これらの更なる機能と活用を期待していた。 なおここで言うベースとは1トップに左右のウイング、中盤を逆三角形に3名配置し後ろは4バックで構成する4-5

2022徳島のこれまでの戦い(11戦終了)

1/4を過ぎたこの時期に、変化の兆しが見えたことからこれまでの戦いを一度まとめてみました。 いつも明確な答えはなくつらつらと書いている感じですが…今回も結局そんな感じになってしまいました。 …そこから拾えるものが出てくればいいのかなと。 昨シーズンを踏まえて見るポヤトス監督の志向 序盤の肝はここなのかなと考えていました。 ・意図せずシーズン途中合流となった昨シーズン ・目標を達成したとは言えない結果 そのなかで監督は ・目指すサッカーをどの程度実現できていたの

今期の徳島を振り返り…最後に

来期開幕が近づいたなか、最後に戦術変更…昨期とも比べた戦い方のバリエーションと、そこから感じる今期J1での戦い方の経緯、その先について考えをまとめていきます。 昨期の戦い方のバリエーションリカルドロドリゲス監督最後のシーズンは、明確に戦い方の違いを感じたのはアルビレックス新潟戦での外切りプレスくらい。 さほど大きな戦術変更はなくベースの微調整程度でシーズンを戦いきった印象がある。 それはチームとしての幅が狭い…というより、ベースとなった戦術の万能性と数年間の積み重ね、他チー

今期の徳島を振り返り…攻撃⑤

次にスペースがうまく使えず、カウンターやベースの部分から前進できない場合…相手にケアされたなかでのその他の攻め手を考えていきたい。 これについて徳島では、先にも簡単に述べたポストプレーとアイソレーションを活用した攻撃が確認できた。 しかしこれらは結果的に属人的な割合の大きなものになり(アイソレーションは質的優位を活かすものなので当たり前ですが)、 移籍によって来期以降も継続していくためには新たな選手の台頭が必要となり、もしくは違うかたちへの変更も考えなくてはいけなくなって

今期の徳島を振り返り…攻撃④

ここまで攻撃面では、徳島のサッカーがボール保持を重視する意図を考えることから始まり、そのなかで昨期と今期の違いを比較しながら結局は徳島の戦いそのものに焦点を当ててサッカーを理解しようと試みたかたちになった。 今回からは今期の戦いにより焦点をあて、相手との相対的な比較から今後の攻撃面を考えていきたい。 はじめに保持に問題があり、崩しの部分に至らない柏戦や広島戦などについては先に述べた通り。 保持率で全体的に高い数値を出したなかで相手を崩しきれた試合と崩せなかった「あと一歩」

今期の徳島を振り返り…攻撃③(昨期と今期)

今回は昨期との違いがみえた攻撃面に大きく影響したと考える、最終ラインより先の崩しの部分について掘り下げていく。 崩しのベースこちら前回に記したとおり昨期とはベースにした部分が異なっていると考えており、 ギャップ…相手に対して縦の選手(ライン)間・横の選手間でボールを受けて相手を迷わせたりバランスを崩させる位置的優位を活用して前を伺うものをメインにし、 そのなかで流れのなかから主に右サイドでアイソレーションさせ1対1を仕掛けたり(質的優位)、相手のチェックが早い場合やパスの通

今期の徳島を振り返り…攻撃②

今回からは攻撃面を掘り下げて考えていきたい。 シーズンを通じて高い保持率を出した徳島だったが、そのなかでも特に序盤は昨年度との違いの部分から苦戦する時期・場面があったように見ている。 昨期昨年度は ・ボランチか左SBが ・中央、サイドの位置に と臨機応変に2CBをサポートして可変していくことで相手を迷わし数的優位をつくり、プレスを回避しながら前進していくかたちが効果的に機能していた。 特に良かった点は、3人もの選手(ボランチ2名、左SB)が状況によって臨機応変な場所で数

今期の徳島を振り返り…守備③

今回挙げたい部分はゴール前の寄せの判断。 ゴール前は「強さ」とも表現するが、フィジカル的な要素だけでなく状況に応じた正しい配置を取れているのか…判断を伴うポジショナルプレーとも言える要素も含んでいると感じている。 こちらも属人的なものはあるのだが、それを向上させるのもチームだしチーム全体の仕組みから連携できる来期への課題ではないかと考えている。 実際の試合から鳥栖との初戦、仙頭選手のゴール(CKクリアミスから) 清水との二戦目、原選手の先制ゴール(人数が揃うなかでこぼれ球