ハンドメイド作家をサポートするminneさん #noteクリエイターファイル
noteで活躍するクリエイターを紹介する#noteクリエイターファイル。今回はハンドメイド作品を「買いたい人」と「売りたい人」をつなげるサービス「minne(ミンネ)」さんをご紹介します。
minneは、GMOペパボ株式会社が運営する手作り・クラフトなどの販売・購入が楽しめるハンドメイドマーケット。全国各地47万人の作家さんたちによってひとつひとつ丁寧につくられた、188種類・880万点の「作品」と出会える場所です。2018年10月時点で、アプリのダウンロード数は1000万件突破。minneを通じて、ハンドメイドの作品を売る人も、買う人もどんどん増えています。
noteでは、ハンドメイド作家さんに向けた読みものをお届けする「ミンネ学習帖」をはじめ、イベント案内、ニュースレターなどminneにまつわるあらゆるお知らせを発信してくださっています。
一企業としてnoteを始めたきっかけや続けるコツなど、minne事業部・作家活動アドバイザーの和田真歩さんにお話を伺いました。
1,000人以上のユーザーと会って溜まった知見を発信したい
2012年1月に小規模体制でスタートを切ったminne。順調にユーザー数と売上を伸ばし、2015年には、会社としてもその成長を加速するため、人員を含め力を入れることに。
同年5月には、ものづくりが好きな人たちが集い交流する場所としてIID世田谷ものづくり学校に「minneのアトリエ」をオープン。作家さんからの要望で誕生した「minneのアトリエ」はその後、神戸と福岡にもでき、3ヶ所合わせて約2万8000人が訪れています。
「作家さんたちは個人で活動している方が多く、横のつながりがなく、情報が入ってこない。ちょっとしたことでも深く悩んでいらっしゃることが多いんです。minneのアトリエは、作家さん同士、あるいはファンの方たちとつながって交流できる場所です」
minneの作家活動アドバイザーである和田さんは、この場所を拠点に、訪れる作家さんたちの悩み相談に乗ったり、アドバイスをしたり、コンサルティングに近いことをしているそう。アトリエがオープンしてから2年間は、個人面談やセミナー開催を通じて、ひたすら作家さんと会い、一緒に課題・目標設定をして、進捗を共有し、活動をサポートしてきたと言います。その数は1,000人を超えるとか!
「作家さんの話を聞いていると、初心者の方も上級者の方も、つまずくタイミングが違うだけで、意外と悩みの根本は同じなんです。2年間作家さんと会い続けて、私自身の知見も溜まってきたので、より多くの作家さんのお役に立てるように、ネット上で情報発信をしたいとずっと思っていました」
2018年、かねてから見据えていた作家さんに向けた情報発信に本腰を入れるため、和田さんは、まず、あらゆるブログサービスを試しました。
「これまでの情報発信は自社サービスを使っていたんですが、届ける先をもっと広い範囲に拡げて、出すスピードも上げたいと思い、著名なブログサービスは担当デザイナーがすべて試しました。HTMLなどに詳しくないスタッフも簡単に投稿できることもひとつの条件だったので、アカウントをつくって、投稿して使いやすさなどを確認して。その結果、noteが一番、必要なものが揃っていて、使いやすく、見やすい環境にあったんです。意思を持ったユーザーさんが多いのも決め手になりました」
更新を怠らず、地道にSNSで拡散! 読者を増やすコツ
今年8月よりnoteで本格的な情報発信をはじめたminne。体制としては、全体を統括するディレクター1人、デザイナー1人、作家に向けた読みものを制作する担当者が世田谷と神戸に1人ずつ、計4人で運営しているそう。そのほか、イベント告知はイベント担当者が、ニュースレターは広報が、それぞれがその都度noteを通じて情報発信をしています。
書き方やヘッダー画像の選び方など、マニュアルを作成していて、社内ではじめて投稿する人であっても「読めば書ける!」という体制を整えているそう。
企業や団体がnoteなどで情報発信を始めても、担当者は業務を兼任していて、手が回らずなかなか続かないという現状があるなか、更新し続けるモチベーションは何なのでしょう。
「私はカラーミーショップ、ディレクターの彼女はminneに統合されたハンドメイドマーケット『tetote』(テトテ)」の立ち上げから携わってきた人間です。予算もないなかで、地道に自分たちで情報発信をして、ゼロからユーザーを増やしていく泥臭い経験が今生かされているもかもしれません。経験上、サービスを拡大していくためには、ユーザーに触れる情報は多いほうがいいということがわかっているし、知見をアーカイブすることは自分たちの財産になるので」
情報発信をしてゼロからユーザーを増やしていくためのコツについても教えてもらいました。
①決めた日にちに更新することを絶対に怠らない
意気込んでクオリティの高いものを出そうとせず、ちょっとしたことでもいいので、とにかく更新して、サイトに動きを出すこと。
②情報は一箇所にまとめる
いろんなサイトにあちこち情報が分散していると、更新の手間もかかるし、それだけで機会損失になってしまう。noteならnoteに、あらゆる情報をまとめる。
③SNSで地道に何度も拡散する
Twitter、Facebook、メルマガでnote記事を拡散。Twitterの場合、1回投稿するだけでなく、時間や文言を変えて4〜5回投稿する。
そして、反応がなくても最低半年は続けること
情報を見ていても「いいね」や「スキ!」を押す人は実は少ない。反応がなくても見ている人はいるはず。1回の「いいね」や「スキ」の後ろには20人がいると思うこと!
情報を出す頻度とスピードを重視! 作家さんへ知見を浸透させるために
毎週記事を更新している和田さんご自身も書く時に意識していることがあると言います。
「私たちはあくまで作家さんをサポートする立場なので、作家さんご自身の意思を尊重できるように、『〜すべき』はNGワードにしています。あとは、minneの中だけでなく、汎用性のあるテーマ設定を意識しています」
minne学習帖には、写真の撮り方やSNSの活用方法など、作家さんはもちろん、そうでない人たちにも役立つ情報が掲載されています。
「それから、情報を出す頻度やタイミングはものすごく重要だと思っています。クオリティを意識するとなかなか出せないので、それよりも頻度とスピード感を重要視しています」
たとえば、和田さんが書かれた、note主催のcreator meetupわざわざ平田さんとハヤカワ五味さんのイベントレポートは、当日の夜にアップされるというスピード感!
「この記事は死ぬ気で書きました(笑)。スピーカーは小売業界で今最も熱いおふたりで、私の周りにも参加したい(けれど参加できない)という声が多かったので。スピードで勝負すれば、minneのnoteの存在を知ってもらえるかもしれない、と思ったんです。狙い通り、多くの方に読んでもらえて、はじめて、500円のサポートをいただきました!!思い出すだけでうるっとします」
読んでくれた人からのサポートやメッセージは書き続けるうえでの励みになるそう。具体的な効果としても、noteに移行してからお知らせ自体のPV数は激増し、和田さんに習ってnoteをはじめる作家さんも増えているとか。最後に今後やっていきたいことを聞いてみました。
「noteの力を借りて、知見を広げて浸透させたい。今は作家さんに向けて基礎的なことをお伝えしていますが、ゆくゆくは個別の事例を出していきたいと思っています。これまではアトリエに来てもらっていましたが、より多くの作家さんがインターネット上で課題解決ができることを目指しています。そのために、地道に発信を続けて行きます!」
■企業アカウント紹介
minne(ミンネ)
ハンドメイド作品を「買いたい人」と「売りたい人」をつなぐサービスです。WEBブラウザ、iOSアプリ、Androidアプリをご利用いただけます。https://minne.com/
note:@minnecom
Twitter:@minnecom
Instagram:@minne_official
Facebook:@minnecom
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text by 徳 瑠里香 Photo by Mihara Kotomi