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啐啄(そったく)同時

啐啄(そったく)同時

少子高齢化の日本の世の中、若い人の数が昔より少ない。昭和の子供の自分は、若い頃に、自分の居場所がこの世になくて、右往左往した時期があった。会社(社会)にも居場所がない。家庭にも居場所がない。仲間友人もいない。

小説「ロビンソンクルーソー」の様に無人島にたった一人で漂着した船乗りにも猿や、島に足跡を残す生き物があったのに…。まったくのひとりぼっちだと感じたことがあった。

でも違った。三十才の声を聞く頃には、自殺をした人を看取った人の話から、次の言葉を見つけ出した「人は天から、生かされて生きている」地球号という船に乗っている生き物。地球という星にしっぽがあって、それにしがみついて、つかまって生きている命、それが私。目を開けてよく見れば人間はあなた一人だけではない。

「適材適所」は、故・安倍総理も使っていた言葉だが、自分には自分にふさわしい場所や役割はある。昭和の時代に私が聞いた言葉に「フロンティア・スピリット」があるが「開拓者たましい」の事である。前衛先頭に立って、尖って道を切り開いて行く生き方だ。

ただ、山河に道が出来るのは、たくさんの人や獣が通る事で道となるのだ。尖って自分一人が成功の頂きに昇るばかりが人生じゃ無い。

メインがあれば、サブがある。主役があれば、助演男優賞があるのだ。副社長・専務のナンバー2のポジションが結構愉快であったりもする。
シングルもあれば、ダブルもある。野球のバット一本の野手イチロー選手もあれば、投打の二刀流の大谷選手もいる世の中だ!。

新入りは宴会の席で、末席に座って、お給仕の手伝いをすれば良い。
あなたの座るべき椅子は、必ず車座の中にあるよ!。みんなの中にある!。

禅語に「啐啄(そったく)同時」というのがある。
「啐(そつ)」は、卵からヒヨコが孵化して外へ出ようとするときに、卵の殻の中からくちばしでつついて、ピヨピヨ鳴くさまのこと。そして「啄(たく)」は外から親鶏が卵の殻を割るのを助けるさまを言う。

物事には「すてきなタイミング」がある。生まれたヒヨコは、例えばカルガモの親子の様に、親鳥のあとをついて歩く。まだ若い新しい人は、人生の先輩の年長者を敬い、そして同時に年長者は若いひな鳥が成長するのを助ける。

孤独のひとりぼっちが時間を経ることで、解決した様に、人は時と共に移り変わっていく。
今年入る新人さんに確かな一歩を踏み出してほしいと願うばかりである。

(啐啄同時は、仏教の禅の世界で師弟が相和して教えや悟りを伝え得るさまでもある。下の小説の中に自分はこの言葉を見つけました)

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