オレのウダツが上がるまで(第二十話)
〜遺書〜
ーーーコウキが実家に着いたのは夜の0時頃だった。
誰もいない実家
妙に物悲しい空気感
つい最近までヒロヨシがここで
生活していたこの場所
コウキはそれまで涙を流すコトを
必死で押し殺していた。
でもここに着いた途端それは解き放たれてしまった。
コウキがヒロヨシの脳死を告げられた後、
なぜか急に直感というか、
何かの知らせというか、
実家にオヤジの遺書らしいものが
あるんじゃないか、と思い立ったのだ。
そしてソレはほんの僅かな時間を経て
見つかるコトとなる。
どこにでもあるような大きめの手帳。
一見、そこに遺書があるようには思えない。
ページをめくっていくと
家族一人一人に宛てたものにいき着いた。
そして全てを読み終えたコウキは
しばらくの間立ち上がるコトが出来なかった・・・。
〈つづく〉
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