そういうふうにできている

私はさくらもこのエッセイが好きだ。

好きだというか、よく読んでいた。
実家のリビングの本棚に置いてあったから。

もものかんづめ
たいのおかしら
まる子だった
ひとりずもう
ももこのいきもの図鑑

色々置いてあったが、「たいのおかしら」が1番お気に入りだった。

しかし、今我が家の本棚に「たいのおかしら」はない。
あるのは「もものかんづめ」だけである。

……………………?????

私はこれまでの人生で、“センバツ本棚甲子園”(今命名した)を4度開催している。

1度目は、15歳の時。
リビングに置いていた愛読書たちを、自分の部屋の本棚に移すことになった。
(広い子ども部屋に移動したため)

第1回大会
IN :小説ALL、さくらももこのエッセイALL、BLEACH、こげぱんの絵本
OUT:NARUTO、アイシールド21

コミックスは大量すぎて本棚に入らなかった。
(後に親がBOOKOFFに売りに行き、まあまあの額だったと喜んでいた)

2度目、18歳。大学進学に伴い一人暮らしを始めることに。ワンルームに物は少ない方がいい。最も熾烈な大会となる。

第2回大会
IN:黄色い目の魚(佐藤多佳子)、サマータイム(佐藤多佳子)、ガールズ・ブルー(あさのあつこ)、担任にもらった本、流れ星が消えないうちに(橋本紡)、入る大学の赤本、オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)、
もものかんづめ(さくらももこ)
OUT:一瞬の風になれ(佐藤多佳子)、DIVE!!(森絵都)、バッテリーシリーズ(あさのあつこ)、ガールズ・ブルーⅡ(あさのあつこ)、こげぱんの絵本、スカイ・クロラシリーズ(森博嗣)、BLEACH、ラッシュライフ(伊坂幸太郎)、重力ピエロ(伊坂幸太郎)
もものかんづめ以外のさくらももこエッセイ

3度目は22歳(就職による引越し)、4度目は24歳(結婚による引越し)だが、「もものかんづめ」はINし続けている。
(3、4度目の中身は大きく変わらないので割愛)

でも、1番のお気に入りは、たいのおかしら。

……………………???????

もう覚えてないけれど、たぶん「もものかんづめがさくらももこの1作目のエッセイだから」という理由で選んだんだと思う。
1冊だけ置いておくなら、1作目だよね、と。
別に続き物でもないんだから、お気に入りのを置けばいいのに。

これが、私という人間の性格を表しているように思えてならない。
どっちかというと悪い意味で。

…………しかし、当時に戻ったとしても、私は「もものかんづめ」を選ぶだろう。
1冊だけ置いておくなら、やっぱり、1作目だよね。

人はそんなに変わらない。
そういうふうにできている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?