最終話 私たちだけの宝物 ~2~
2日あけての投稿です!さりげなく、前回のタイトルを変えました!
まあ、ということで、今回も楽しんでくださいね!!
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「ぎゅるるるる・・・」
「んっ?」
「今おなか鳴らしたのだれ?」
スピカは言いました。
「ごめんっ、私かもっ!」
いちごが言いました。いちごのほおは、真っ赤に染まっています。
すると・・・
「ぐうぅぅぅぅ・・・」
「あっ!!」
パフェとスピカのおなかも鳴りました。部屋中に、笑い声が広がります。
「えっ、もうこんな時間! いちご、スピカ、昼ご飯準備するね!」
「・・・あれ?パフェって、料理作れるっけ?」
「確かに、お菓子専門じゃなくて?」
スピカといちごは言いました。
なぜなら、お菓子の国の人々は、お菓子だけを食べて暮らします。『料理』という文化はないのです。
「料理は作れないけどね・・・実は、お菓子の作り方を使って、おかずにすることが出来るのよ!!」
「えええぇっ!!??」
パフェのその言葉に、スピカは大声を上げました。
「ちょっ、スピカ、声でかいよっ!」
いちごは言いました。
「おっ、お菓子で・・・おかず・・・!?そっ、そんなことできるの!?」
「そうよ。最近はスーパーに行けば、手軽な食材も買えるからね!二人とも、待ってて!!」
**********
~数分後~
いちごとスピカは、食器をテーブルに並べました。
キッチンからは、美味しそうな香りがただよってきます。
「出来たよ~!!」
そう言ってパフェが出してきたのは、ウインナーが巻かれた、クレープです。
「何・・これ?」
スピカは言いました。
「これはね、クレープって言うんだよ! ささっ、二人とも食べて!」
「いただきまーっす!」
「んっ!お、美味しい~っ!!」
「よ、良かったぁ~ ちょっとだけ調べたんだけどね!」
クレープのもちもちした食感と、ケチャップの酸っぱさ、ウインナーのパリパリとした感じが良く合います。
「三人で食べると、何だかほっこりするね!!」
いちごのその言葉に、二人は深くうなずきました。
**********
「ごちそうさまでした!!」
「ところで、この後何する?」
パフェはそう言いました。二人は首をかしげます。
「あっ!私、この辺良く知らないから、散歩したい!!」
スピカが声を上げました。
「いいね!じゃあ行こう!!」
そうして、三人は外へ出ました。
「スピカ、この町は、海がとってもきれいなのよ!海の方に市場があってね、その景色と言ったら、もう・・・最高!! それにね!・・・」
この町に長いこと住んでいるいちごは、町のことになるともう止まりません。
「すごいよ!こんなに素敵なところがあったのね・・・」
「あの、いちご、私、『フルーティー・スイーツ』の、タルトさんに、挨拶をしておきたいの・・・」
「パフェ・・・そうだね、タルトさんには、たくさんお世話になったから!」
「・・・何の話~?」
スピカがパフェといちごの間に入って言いました。
「私といちごが、凄くお世話になった人がいるケーキ屋さんがあるの。ちょっとそこに行こう!」
**********
『チリンチリン』
三人は『フルーティー・スイーツ』の中に入りました。
「あーっ!パフェ、いちごちゃん、久しぶりーっ!!・・・って、この子は??」
「・・・スピカ・スターライトと申しますっ!魔女ですっ!!」
スピカは大きな声で言いました。
「ま、魔女!?そんなの本当にいたの!?まあ、私とパフェも妖精なんだけどー・・・ それで?何の御用ですか?」
「それが・・・」
パフェは、自分が、お菓子の国に帰らなくちゃいけない事を説明しました。
「まあ!しばらく寂しくなるわね・・・2年帰るんでしょ、私は、あと1年はここにいられるけど・・・」
「え、に、2年??」
いちごとスピカは首をかしげました。
「パフェとは、もう二度と会えなくなっちゃうんじゃ・・・」
「ああ、ごめん。言い忘れてた・・・お菓子の国で過ごさなくちゃいけないのは2年だけだよ。そうしてまた魔法をかけてもらったら、また戻れるの。」
パフェは言いました。
「・・・よかった、さ、先に言ってよね!」
スピカの声は、少しだけ震えていました。
「・・・ううっ、何だか感動してきたわっ!」
タルトは言いました。
「ちょっと・・・タルトさんは感情が高ぶりすぎだよ・・・」
いちごは少し小さな声で言いました。
「あははっ!ごめんごめん。この三人はしばらく会えなくなるわけだし、記念にここでお菓子でも買って行ったら?」
「そうですね!」
「うん、それが良いよ!」
「何にする―?」
スピカもいちごも賛成しました。
「じゃあ・・・これでっ!!」
そして、三人は小さなジャムタルトを三つ買いました。
「お買い上げありがとう!じゃあ、パフェ、みんな、またいつかね!」
「ありがとうございました!」
『チリンチリン』―――
続く!!
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