スピリット・エコー01要七音

たまゆら~魂響~01

要七音(かなめななね)ナナ


柱にて立て掛けてる姿見の前へと立ち、クローゼットから取り出したワンピースを合わせる。色の違い以外に見た目としては全く違わないデザイン。汚れる事が気に為っても、やはり、動き易い白を選んでしまう。知力の上がる青、攻撃力が上がる赤、素早さが上がる白、防御力が上がる黒、4色が4種類の効果をそれぞれ表してる。それは装備品全体的に云える。短く切り揃えられた藍色の髪を留めるカチューシャも同じ効果が付加されてる。そもそも防御力が乏しいために軽さを活かした方が断然得策。用途によっては着替えるとしても、戦いでは白が有利であると考えてる。机へと向かっての事務処理ならば青、土を扱う野良仕事ならば赤、黒だけが使い途を思い付かない。勿体ないために寝間着として使う。腰の革ベルトへと初めて試練の塔に挑む日、幼馴染みでもある日和から貰ったグレイ・スオードを提げる。唯一、重さを感じる装備品。刀身の輝きが鈍くて傷も目立つ剣へと灰色の部分なんて何方にも見て取れない。そろそろ修理が必要なのかも…。日和が自分1人で作ったアイテムへと付ける適当な名称に過ぎない。村人達は日和が作ったアイテムを纏めてグレイ・シリーズと呼ぶために色としては関係ない。定着して村を訪れる冒険者からも呼ばれるように為った。買い物にも向かうような服装にて家を出る。


厄介な用事を頼まれたために溜め息を吐く人物。旅人にしては重々しい防具を纏ってる。ユナイト大陸の北西へと位置する末端部に建つお城を後にして差し掛かる橋。山脈によって隔たれてる事から外のルートが存在しない。橋を渡らなければ何方にも進めないのに巨大な骸骨が行く手を遮ってる。お城へと用がなければ使わない橋だから外に人が渡っていない事が幸い。マントを翻して刀剣でも抜き放つのかと思ったら小さな待ち針だった。戸惑ったように動きが止まった髑髏が次の瞬間には崩れ落ちてた。関節部分を軽く突いただけで脆くも崩れ去り、塵へと化した直後に風にて吹き飛ばされた。持ち手の球体が藍色である待ち針を仕舞うと何事も無かったように再び歩き始める。渡り切るままに林道へと変わる。観光にて栄えてる村へと立ち寄らず、横目に通り過ぎる。案内を付けないまま深い森へと足を踏み入れる。

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