06ドール・ヴァリュウスター

「あの中よ。入ったら身の安全を保証出来ないわ。それでも、進むのならばお好きに…」

指差した先へは洞窟が口を開けてる。案内するのは此処までとばかりに背を向けて立ち去る。何へとがっかりしてるのか、明らかに落ち込んだ表情が気に為っても、確かめられないのでは考えるだけ無駄と割り切って忘れる。足を踏み入れて程なく、落ちて来た岩によって入って来た穴が塞がれてしまった。砕くのは骨を折る。退き返せなく為ったのでは外に出られる場所を探さなければ為らないけれども、先ずは目的を済ませる事が先決。しばらく歩いたら、叫び声が聞こえた。音源へと向かったら、装備がグリーンにて纏められてる者が暴れ回ってる。こちらの存在に気が付いたのか、赤く光る双眸を向けて跳び掛かって来た。何かを喚いてるのに内容を理解出来ない。両端へと球体が取り付けられてる黒いステッキを手に持ってるのだけれども、背丈ほどに長い。確かポール・アームとか云う武器名と思われる。しかし、驚かせられたのは繰り出した光刃砕を速いタイミングの光刃砕にて返された事。どうもスキルをコピーされてしまったらしい。しかも、効果を倍増されて…。装備から魔術士系と思ったのは違った様子。


ポール・アーム・メタル
黒光りしてる打撃用武器。特に仕掛けが施されてるように見えない。

↓↘→炎刃弾
主に地面を剣先にて削る時の摩擦によって発火させた炎を放つ技。同じタイミングにて打ち消して来る。

ジャンプ中、雷刃穿
剣先を対象一体へ向けてダイヴする技。ヴェクトルが固定されてるのが欠点。テンポを遅らせて弱点を突いて来るために逆手に取る。

→↘↓光刃砕
ダッシュしながら素早く剣を振り下ろす技。切り裂けるのかは威力によって左右される。より速く斬り込んで来るために如何に空振りさせられるかに勝敗が掛かる。


敢えて届かないように光刃砕を用いて誘う。ダッシュを途中にて止めて振り下ろす。想定より速く近寄られたら失敗してた。上手くポール・アームを押さえ付ける事へと成功した。ジャンプして雷刃穿を使う。更にテンポが遅れてるのにちゃんと真似して来る。後ろへと回り込む事が目的なので当たらなくて良い。振り返るとタイミングを合わせて炎刃弾を降下中へと当てるままに光刃砕にて仕留める。動かなくなった事を確かめてから剣を納めて近寄る。倒したのが目的の代物とレーダーを見てチェックしても、半信半疑のまま連れて帰る事にする。肩に乗せて歩き始めると目覚めて出口を教えられるまでさ迷う。


「マスター登録をあなたにしたから」

キリング・ドールとして恐れられてた兵器だけれども、元々は警護用だったと何か弄ってたヴァイオラから長々と説明される。殆ど理解出来ていない。

「マスターの証しとしてこれをお収め下さい」

メンテナンス出来ないと戸惑ってるのに診察台から起き上がるドールが空間より取り出した刀剣を両手にて捧げ持つ。

「それならば私がもらうわね」

腰に下げてるイグナイト・スペリオルを軽く叩いて「こいつがあるから必要ない」と言ったらヴァイオラが手に取る。ドールは不服そうだけれども、構わないと制したら大人しく従う。

「マスター、お腹が空きました。エネルギーの補給をお願い致します」

「私に行ってる事を行えば良いのよ」

何が食べたいのかと好物を訊いたのにヴァイオラの声が割って入る。この時点に為って初めてドールが女性体であると知った。胸の膨らみが全く見られないために錯覚してた。

「失礼致します」

立ち尽くしたまま動かなければ、台から降りたドールによってズボンを降ろされてしまう。手慣れてる事へ対して驚いてると半ば身を任せてる状態と化す。

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