天穹01蒼渦

蒼渦は盛大な溜め息を漏らした。

青い前髪にて隠れないチャーミングな瞳がテーブルを囲む子供達の姿を捉えてる。カウンターへと頬杖を付いて家の手伝いを行わない様子を羨んだり、話し声へとイライラしたり、忙しない百面相。

リーダー各の茶髪、茶土(チャド)がちゃんとお金を払ってくれるし、「空いてるから構わない」なんて母親の紫闇(シアン)から言われてるために文句の1つも付けられない。

込む朝や夜と異なり、昼間が暇を持て余す。朝食を振る舞った後、洗濯、掃除、後片付けを済ますと調理以外の手が空く。夜型の紫闇が昼寝を行ってる間に店番を務める事が蒼渦の任されてるお手伝い。

遺跡調査にて賑わう村へとお店を構えていない村人達は調査員を手伝ったり、畑仕事へと精を出したり、村の中に居ない方が多い。野原を駆け回れない幼子を中心に託児所状態の【狸のお宿】が蒼渦の日常。

村に集会所なんて無いし、村長を務めてる者が蒼渦の祖父。父親が居れば少しは違ったと思われる。店番を理由に茶土へと面倒を丸投げでは耳障りに感じても、注意や厭味すら言えない。

誰かが暴れ出したら追い出す程度にて基本的に口を挟まない。

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