小説【ミッキーマウスの憂鬱】松岡圭佑

ミッキーマウスの憂鬱を読みました。
賛否分かれる作品だったかと思いますが、僕は読んでて主人公に対してイライラしてしまいました。

主人公は20代前半の男で、派遣としてディズニーランドに入る。夢を与える仕事ができるんだと希望に胸を膨らませるが、担当は美装部という部署で、パレードに出演するキャストに着ぐるみを着せること。しかもメインキャラクターへの着付けは正社員などのベテラン勢だけしか出来ず、主人公は名前も知らないキャラクターのみ。自分はもっとゲストと接したり、大きな仕事をすることでディズニーの夢を与えるという目標に貢献したいと思うが、させてもらえないという葛藤に悩む。
そんな中、事件が起きる。ショーに使用されるミッキーの着ぐるみが紛失したのだ。
同じく美装部に所属して、何度もダンサー試験に落とされていた女の子が疑われる。
結局のところ、ミッキーの着ぐるみは外注先の配送ミスにより、ランドから誤ってシーに運ばれていたことが分かる。大雨降りしきる中、地下倉庫に配送されていた着ぐるみを救出し、物語は結末する。

この物語は、主人公が入社してから2日間の出来事である。まだ入社2日なのに、パレードのルート変更に口を出したり、花形の部署への編入を希望したりといった行動にイライラしてしまった。
与えられた仕事をまずはこなせるようになってから、そしてその仕事以外のことにも目を向けられる余裕が生まれてから行う行為だと思う。
先輩、上司にタメ口をきいたり、皮肉を言ったりなどは生意気だと言わざるを得ないと思った。

ただ、フィクションであるとはいえディズニーの裏側の世界を少しは知ることができる作品でもある。

賛否は分かれると思う作品だ。

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