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インターネット回線契約・敷設のポイント

以下の目次に沿って説明していきます。
・契約の仕方
・進め方(スケジュール)
・回線工事

・契約の仕方について

自社にネットワークソリューション部門がある場合
その部門経由でプロバイダと契約するのが
無難な方法です。
その理由は以下の通りとなります。

・VPN接続など、通信に要件がある場合
 インターネット回線の種類やルータの種類に
 制約(組み合わせ)があり、
 有識者の助言が有効となるため。

・回線工事の見積もり金額にある程度の
 信頼性があり、思わぬ費用増を
 避けることができるため。

・想定していなかった通信サービスについて
 提案を受けることができるため。

自社に信頼できるネットワーク部門がない場合
他社へアウトソーシングしてしまうのも
一つの方法となります。
その場合は、ベンダーから費用見積もりの詳細を
入手してその妥当性を検証しましょう。

・進め方(スケジュール)について

インターネットのほか、AWS Direct Connectなど
専用線のサービスもそうですが、
工事の3ヶ月程度前には
契約書の提出を求めるベンダーが多いようです。
また、工事の1~2ヶ月前に現地調査
(以後、現調)が必要な場合が多いです。
現調では現地での立ち合いが必要なため、
自部門のメンバーを当日現調の時間に合わせて
現地到着させるといった対応が必要です。
また、工事日の翌々日からしかサービスが
利用できない(工事後のリモート作業がある)
など、工事日とサービス開始日の関係も
確認しておく必要があります。
加えて、費用は工事日から日割りで
発生することが多いため、初月の料金について
確認しておくようにしましょう。

・回線工事について

回線を引き込む工事において
ポイントは以下となります。

・建物の中で、現状どの位置まで
 回線のケーブルが来ているか。

・そこから分岐させる口(スプリッタ)の
 空きがあるかどうか。

・ケーブルを通すための配管工事が必要かどうか。

ここからは建物の絵を描いて説明していきます。
ビルの居室やデータセンタのラックに
回線を敷設する想定とします。

図. 回線の敷設例

・現状どの位置までケーブルが来ているか
通常、敷設場所の階の
ケーブルシャフト室(図②)まで
回線が敷設済みであることを確認します。
図②まで回線が敷設されていない場合、
図③に回線が来ているか確認します。
ちなみにケーブルシャフト室は、図では
階を横断するエリアが1つですが
キャリア(回線)によって、2系統(各階2部屋)
用意されている場合がありますので
注意が必要です。

・分岐させる口の空きがあるか
図②の分岐口(スプリッタ)に空きがあるかを
確認します。
無い場合、ビル施設側と調整することとなりますが
費用の確認が必要です。
最悪図②から図③までケーブル配線を
追加するような結論も考えられるため、
早めの費用確認が重要となります。

・ケーブルを通すための配管工事が必要かどうか
図②まで回線が来ている場合
居室で回線を利用するためには
図②から図①へケーブルの敷設が必要になります。
(データセンタラックの場合は後述します)
この際、回線ケーブルを通す配管を
新たに敷設するか否かについて
ビル管理に確認が必要です。
原状回復と言って、ユーザには退去時
元通りにする義務があります。
この際、配管を撤去しなければならないか否かで
認識違いが生まれやすいことから、
新規敷設時の配管を禁止していることがあります。
工事業者から配管の必要性を説明される場合がありますが
多くの場合、元の見積もりに配管費用は含まれておらず
予定外の費用増となることから、注意が必要です。

敷設場所がデータセンタラックの場合、
回線工事は不要と思われがちですが、
データセンタラック内の配線盤まで回線が来ていても
その分岐口(スプリッタ)に空きがあるか、そしてそこから
サーバラックの所までの床下配線の工事は必要となります。

今回はインターネット回線の契約や敷設について
一連の流れを書いてみました。
専用線(AWS DirectConnect)の考慮事項については
別記事にしようと思います。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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