~ショウタロウのつぶやき11~
職場の空気をよくする、地味だけど大事な1つの習慣
※今回は、仲山考材株式会社 代表取締役 楽天グループ株式会社 楽天大学学長:仲山進也さんの体験談です。ご参考にして頂けると幸いです。
<前提>
人が次々辞めていく、上司と部下の会話がない、メンバーのモチベーションが上がらない――コロナ明け、チーム内コミュニケーションに悩んでいる人も多いかもしれない。そんな悩める人たちに話題となっているのが、北の達人コーポレーション(東証プライム上場)・木下勝寿社長の最新刊『チームX(エックス)―ストーリーで学ぶ1年で業績を13倍にしたチームのつくり方』。神田昌典氏は「世界的にみても極上レベルのビジネス書」と絶賛した。
聞き手:『チームX』には、組織を変革するための様々な方法が解説されていました。
仲山さんも、初期の楽天に参画され、リーダー経験も多いと思います。ちょっとした習慣など、長い目で見て、「あれをやっておいてよかったな」と思う事はありましたか?
仲山:私がやっていて特によかったのは、「たまごち収集」ですね。
聞き手:たまごち?
仲山:お客さんからの「ありがとう」のメッセージが届いて「ヨッシャー」とか「うれしい…涙)」となる事を、「魂のごちそう」、略して「たまごち」と呼んでいます。それを、楽天の店舗様や社内にも共有していました。
「魂のごちそう」とは、もともと小阪裕司さんの『「仕事ごころ」にスイッチを!-リーダーが忘れてはならない人間心理の3大原則&実践』(フォレスト出版、2002年)という本に書かれていた考え方です。
「お客さんに『ありがとう』と言われた事が『魂のごちそう』になって、仕事ごころにスイッチを入れるきっかけになる」といった趣旨の事が書かれていて、凄く共感しました。
聞き手:素敵ですね。「たまごち」は、毎日共有していたのですか?
仲山:はい。その日にやった事を振り返る「日報メール」に「今日のたまごち」というコーナーをつくり、
スタッフ全員が受信する事が出来るのですが、そこに店舗様からの感謝のメッセージを「今日のたまごち」コーナーにコピペして、共有する仕組みにしておりました。
仕事は「自己中心的利他」がちょうどいい
聞き手:社員のみなさんの反応はいかがでしたか?
仲山:初めは、みんな忙しいから他人の日報メールなんて見ていないと思っていたのですが、時間が経つにつれ、みんな結構楽しみにしているみたいだとわかってきました。
「たまごち」って、「自分たちが何のために仕事をしているのか」を思い出させてくれるきっかけになるんです。
よく、仕事は「利他」の精神が大事で、そのためには自己犠牲が必要、と言ったりしますよね。
でも、自己犠牲的利他は長続きしないと思うのです。
だから私は「自己中心的利他」がいいと考えています。
聞き手:「自己中心的」とは聞いたことはありますが、「自己中心的利他」ですか?
仲山:はい。自分が「やりたくて」「得意なこと」をやると、「喜ばれる」という状態が「自己中心的利他」です。
「やりたくて得意な事」をしても、お客様に喜んでもらえないなら、それはただの「趣味」です。
「やりたい」「得意」「喜ばれる」の3つが重なって、お客さんから「たまごち」をもらえると、「やりたい理由」が「自分が好きだから」から「お客さんに喜んでもらえるからやりたい」という理由にアップデートします。
すると「次はこんな事をしたらもっと喜んでもらえるのでは」と自走する社員が増えていくのです。
『チームX』では、「KPIで一番大事な事は『見える化』」とありました。
“それに気づいた瞬間、全員のKPI数値を毎日更新し、自分の数値がいつでもわかるようにした。
それも、わざわざシステムを見にいって確認するのではなく、全員のKPI数値を一覧表にし、毎朝メーリングリストで全社に流すようにしたのだ。” (『チームX』P89~90より)
日々の業務に追われていると、目の前のタスクに気を取られ、「何のために仕事をしているのか」「どんな目標を達成すればいいのか」など、以外と忘れてしまいがちになります。メンバー達が、迷わない為にも、リーダーが、毎日「お客様が喜んでくれている事」を指し示してあげられると成果につながるのかなと思います。
今回の仲山さんの体験談で共感した事は、私が前職で日々、創業者の精神で常に役員・社員・パートの皆さんに唱えていた当社オリジナルの「3つDNA」という言葉です。この言葉は、会社経営だけでなく家庭や自分自身の心構えにも応用出来る普遍的価値のある言葉であると令和の現在でも通じるモノだと私は思います。
・「原因自分論」・「変化価値論」・「尽くし続けてこそNO.1」
の3つの考え方です。
更に共通する事は、「目で見る管理」と称し「見える化」を重点・選択・集中する事業、商品などは、入社当初は、模造紙を用いて進捗表で表したり、日々の更新作業も営業メンバー全員が、持ち回りで自ら記入し、先輩・同僚・後輩に関係なく進捗の悪いメンバーにただ進捗が悪いと責めずに、上司に報連相をし、進捗鈍化も原因・プロセスを確認、競合の激しい攻勢か?対策が必要なのか?取引様の与信問題か?をメンバー全員からヒアリングして営業所内でカバー出来るか?支店内でカバー出来るか?全社でカバー出来るか?をSTFPDCAサイクルと6W2H1Pで考えて日々営業活動を行っておりました。そうする事で自社もお取引先様へもスピード対応・対策が打て、「ありがとう」と言ってもらえる関係づくりにも繋がって行く過程を直に体験・見てきました。現在は、OODAとかVUCAとか囁かれていますが根本的には、理屈は同様であると考えております。
今回の仲山さんの体験談は、当時からの手段は違いますが、結果として同様な仕組みを廻して実践して来たモノのだと振り返ります。皆さまも会社内で、学校内で同様な「仕組み」や「考え方」があり業績、成績を上げている事があると思います。
これら全てに創業者達の教え:豊田喜一郎・松下幸之助・本田宗一郎・稲盛和夫などの名言・経営を改革した軌跡などを参考にして“カイゼン”して実行し、トライ&エラーを繰り返してきた賜であると考察出来ます。
皆さんも誰からでも「ありがとう」と言われたら嬉しいしやって良かったと思える事はあると思います。
これは、会社・学校だけでなく人間としての「幸せ」であるとも思います。
今回も最後まで読んで頂けた事、本当にありがとうございます。 「W」より
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