目に見えなものを大切にできるか
『星の王子さま』は世界中で翻訳され、古くから広く愛される児童書の1つである。
私が初めて王子さまに出会ったのは10歳。大切なことを教えてくれるきつねの挿絵がかわいかった、それくらいの印象しかなく、そのきつねのページまでが楽しみで何度も読んだ。
それから10年経ち今読んでみると感じることは、きつねがかわいい だけではない。笑 こんなに愛とやさしさでいっぱいな本だったっけ??
王子さまは、一緒に住むバラとけんかをして星を出て旅に出かけ色んな大人に出会う。王子さまは大人ってつまんないと何度も思う。7番目にたどり着いた地球できつねに出会う。主人公のパイロットにもその後出会うがネタバレはしたくないので割愛し、きつねとの出来事を書こうと思う。
きつねははじめ王子さまを警戒していたが、なつきたい とも思っていた。仲良くなるにはどうしたらいいのか。王子さまは同じ時間に同じ場所に座ってきつねとの距離を縮めていく。きつねは毎日来てくれる王子さまに心を許していく。王子さまに会うことよりも、王子さまを思いながら待つことに価値があるのである。
こうして2人は時間をかけて絆を深めていき、王子さまは次の場所へ行くことにする。きつねがこう教えてくれた。 王子さまの髪色そっくりな麦の畑を見るといつでも王子さまを思い出すことができる。それはきつねが王子さまを思う気もちがつくりあげた感情だ。王子さまも何万といるキツネの中から1匹のきつねを大切に思う気もちを初めて知った。
きつねが、バラが、王子さまにとってかけがえのないものとなったのはそのものに対して費やした時間だったことを教えてくれる。
かけがえのない存在は誰にもあって、何が大切かというと、自分がその存在に対して想う気もちや費やした時間だということ。見ることはできないから不安になることもあるが、感じ取ることはできる。
どこかの星に王子さまがいる。どこの星かは教えてくれなかったが、どこかで笑っているなら、すべての星が輝いて見える。
だらだらと拙い文章ですが、読んでくださった方がいるととても嬉しいです。
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