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【閉鎖決定】余命僅かな『新今池ビル』~新今池ビル網羅図鑑~

緊急訪問:2019年2月14日 最終更新:2019年7月12日
※本記事に使われている画像は注意書き等があるものを除けば2019年2月14日に撮影したものです。

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2014年ごろから閉鎖され、立ち入ることが出来なくなっている新今池ビル西飲食店街。この度私はそこに足を踏み入れることを許された。詳細は上記リンクからお読みいただけます。

0.序

皆さんは名古屋市千種区今池にある新今池ビルを知っていますか?新今池ビルは名古屋市営地下鉄今池駅の駅前にありながらテナントがほとんど入っていない「生ける廃墟」として一部の人々には有名でした。
私がこのビルの存在を知ったのは2018年の5月のことでした。その時点では建物の解体はおろか閉鎖の情報もありませんでした。しかし、2019年に入り私はツイッターで「新今池ビルが解体される」という情報を入手しました。その真偽を確認するべく私は新今池ビルに赴きました。
※過去の新今池ビルの記事はこちら

1.新今池ビルの概要

新今池ビルは1962年竣工のビルで、地下2階・地上7階建てです。かつては、映画館・中華料理店など数多くのテナントが入居していましたが、現在では(2019年6月時点)では消費者金融2店舗、居酒屋、ウニタ書店、新日本切手商会しか営業していません。

2.新今池ビルへ

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新今池ビルの外観です。1階にはパチンコ店の看板が見えますがもう長らく営業をしていないようです。外観を見る限りは過去の訪問時と変化が無いように思えますが、ビル内部はビル閉鎖に向けて着々と動き始めていました。

2.1新今池ビル地下1階

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新今池ビル地下1階の様子です。この通路は地下鉄今池駅と直結しており、この画像は今池駅方面を撮ったものです。人通りはほとんどありません。この通路には「新今池ビル地下飲食店街」という名称がついており、かつてはラーメン店、喫茶店、中華料理店など数多くの飲食店が営業していたそうです。しかし、2019年6月現在では消費者金融が2店舗営業しているだけで、飲食店は1店舗もありません。

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反対側(今池駅側)から撮影。写真右手のシャッターが下りている場所は2014年までユーミンという中華料理店が営業していました。

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ユーミン跡地店内の様子 (gx-one氏撮影)
暗くてよく見えませんが電灯が残っているようにも見えます。画像のやや左より部分に脚立のようなものが見えますが、何故こんなところにあるのかは不明です。

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2018年6月撮影
西飲食店街に繋がっていた通路です。現在では防火扉で閉鎖されていて行く事ができません。尚、2014年に投稿されたこちらのブログでは、防火扉の向こう側の様子が分かります。遅くとも2014年には西飲食店街の全テナントが撤退していたようです。
尚、この西飲食店街を散策している記事が本記事冒頭部にも掲載したこちらの記事になります。

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らーめん家
扉は固く閉ざされています。2010年前後までは営業していたようです。

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店内の様子 (gx-one氏撮影)
ラーメン家の店内の様子です。恐らく閉店してから10年ほど経過していると思われますが店内はそのままの形で残っているように見えます。このカウンターの中でおばちゃんがラーメンを作っている姿が思い浮かびますね。

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森永アイスクリームコーナー
こちらの店舗は2014年まで営業していたそうです。

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店内の様子 (gx-one氏撮影)
店内の照明器具などはそのまま残っているように見えます。テーブルや椅子などは閉店に伴って撤去されてしまったらしく、ガランとした様子ですね。

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今池地下劇場
成人映画館として、長い間営業していましたが2017年に閉鎖されました。

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2019年5月11日撮影
遺された今池地下劇場の券売機です。成人映画館なので当たり前ですが18歳未満立入禁止でした。

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階段へと繋がる通路です。かつては通路の左右にお店がありましたが今日ではその面影はありません。店舗跡を覆うように貼られたビニールが風でカサカサと音を立てていて不気味な雰囲気でした。

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2019年5月25日撮影
先程の通路の奥です。階段があり、1階と地下二階に繋がっています。但し、地下二階は閉鎖されており行くことができません。尚、画像中央の扉は現在では閉まっていますが少なくとも2014年までは開いていたようです(参考ブログ)。恐らく先述の西飲食店街へ繋がっていたものと推測できます。

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2018年6月撮影
地下鉄今池駅で撮影しました。この通路を進むと先程の地下飲食店街へ繋がっています。

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かつては数多くの公告が貼られていたと思われる公告板も今では「今池地 成人向 900円」と書かれた今池地下劇場の張り紙が残るのみです。

2.2新今池ビル地上1階

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2018年6月撮影
1階では新日本切手商会、魚屋道場(居酒屋)の二店舗が営業しています。
※中古レコード・CDを販売していたピーカン・ファッヂは2019年5月6日をもって閉店しました。


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お客様各位
当ビル老朽化による解体のため、ピーカンファッヂは5月6日(月)を
もちまして閉店、廃業しました。
創業41年、長年のご愛顧ほんとうにありがとうございました。
ピーカンファッヂ一同

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2019年5月11日撮影
この閉まったシャッターが開くことは恐らくもう二度とないのでしょう。遺された看板が妙に悲しげに見えました

ピーカンファッヂが閉店する直前に店員からお話を聞きました。聞いた話では具体的なビルの解体の時期は決まっていないそうですがビルは今年(2019年)いっぱいで閉鎖になるそうです。
ウニタ書店(2.3を参照)の方によれば新日本切手商会はビル閉鎖後も近隣に移転して営業を続行するそうです。

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2018年10月撮影
地下1階と1階を結ぶ階段付近で撮影。かつてはこれだけのテナントがこのビルに入居していました。ここに掲載されているテナントの中で現在も営業している店舗はアコムのみです。

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外に出て撮影。駐車場跡がありました。もう長い間使われていなさそうです。

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駐車場跡の奥にパチンコ店の裏口がありました。

2.3新今池ビル地上2階

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2018年9月撮影
2階で営業しているお店はウニタ書店のみです。ウニタ書店は2019年8月10日(土)を以ってこの場所での営業を終了する予定です。そして、8月30日から今池スタービルでの営業が始まります。つまり、この風景を眺めることが出来るのはあと半年程度なんですよ。・・・と、言う訳で許可を取って店内を撮らせて頂きました!

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店の入口付近からレジのある方向を撮影。

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レジ付近から店の入口方面を撮影。
ウニタ書店は教育・ジェンダー・心理学の本が充実しています。近年、LGBTなどジェンダーに関する問題、ブラック部活など教育現場における問題が取り沙汰されていますね。これらの問題に興味のある方は一度この書店に赴いて本を眺めてみるのも良いかもしれません。ネットショッピングで口コミを見ながら本を購入するのもいいかも知れませんが、自分で本を手にとって中身を見た上で購入することはネットショッピングで本を購入するのとは違った楽しさがあります。

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ウニタ書店前にある何らかの店舗跡地 (gx-one氏撮影)
ウニタ書店の通路を挟んだ目の前に何かの店舗跡があります。かつて、このビルの2階にはカバラ書店という書店も入居していたそうなのでその書店の跡地かもしれません。

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2018年9月撮影
ウニタ書店横に残る今池劇場の券売所跡。新今池ビルには最盛期には3つの映画館がありましたが今日ではいずれも閉鎖されています。

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閉鎖された今池劇場。現在では箱が積まれて倉庫と化していますが、かつては多くの人がこの映画館を利用していたことでしょう。

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映画館跡地の中の様子(gx-one氏撮影)
映画館内には「フェイク」など映画のポスターが貼られたままになっています。

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2階の通路。左側に今池劇場があります。人影はありません。奥には外階段へと繋がる非常口があります。

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外階段です。この階段を使えば上の階にも行けますが、私には上の階に行く勇気はありませんでした。尚、この階段を下ると先程の駐車場跡に出ます。

2.4新今池ビル地上5階

※このビルの地下2階、3階、4階はテナントが入っておらず階段が閉鎖されているので立ち入ることはできません。エレベーターは2階と5階以外のボタンは反応しません。5階はエレベーターのみで行く事が出来ます。

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2018年6月撮影
エレベーターで5階にいくとこのような看板が出迎えてくれます。5階には案内板どおりなら「新今池ビル管理事務室」があるはずですが、この様子では管理事務室が機能しているかどうかは微妙です。

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2019年4月26日撮影
2019年4月に再訪したら「関係者以外立ち入り禁止」の看板が無くなっていました。画像はエレベーターを降りた左側の様子です。非常灯以外何もついておらず、無音で不気味でした。

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2019年4月26日撮影
写りがよろしくないのですが、エレベーターを降りた右側の様子です。画像中央の光は日光です。やはり、電気はついておらず不気味でした。

3.アンケート

閲覧ありがとうございました。下記アンケートにご協力いただけると幸いです。また、本ページ下部より「スキ」「サポート」をすることができます。もし、本記事を気に入って頂けたのであればスキ・サポートもお願い致します。

4.おまけ‐非常口誘導灯集

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ウニタ書店内の非常口①

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ウニタ書店内の非常口②

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ウニタ書店の側にある非常口
非常口の誘導灯を3枚載せましたが実は私、誘導灯に関しては全くの素人です。

4.更新履歴

2019年2月:本記事公開
2019年5月26日:内容更新
2019年6月29日:内容更新。目次を改定。
2019年7月12日:大幅加筆
2019年8月2日:微調整
2019年10月7日:新今池ビル西飲食店街の記事の公告を追加

5.引用資料・参考資料

愛知】 名古屋一のDEEPスポット 新今池ビル(2014) 2019年7月12日閲覧
gx-one氏のツイート(2019年5月29日午前4時52分)2019年7月12日閲覧
gx-one氏のツイート(2019年5月29日午前4時44分)2019年7月12日閲覧
gx-one氏のツイート(2019年5月29日午前4時57分)2019年7月12日閲覧
gx-one氏のツイート(2019年7月2日午前10時22分)2019年7月12日閲覧
gx-one氏のツイート(2019年7月2日午前10時20分)2019年7月12日閲覧
※ユーザ名は2019年7月12日現在のものです。


2016年頃から廃墟に関心を寄せる。2018年、実際に廃墟へと趣き、廃墟訪問にハマる。現在はその廃墟がかつてどのように使われていたのか、いつ頃廃墟になったのかを特定することに力を注ぐ。 地域・店舗限定のエナジードリンクを見つけることにもハマっている。自他共に認めるエナドリ中毒者。