興行と格ゲー(今更)

 どーせ俺より事情に詳しくてしっかりしてる奴がどっかでこういうこと書いてると思うんですが、まぁよく知らん一般人が適当に書き散らすことを許してくれているプラットフォームが note だと言うことだと思うので適当に書く。

金の話

 現状、なんやかんや一番興行として成立してる格ゲーはストリートファイターシリーズだと思うんですが、それ自体でどんだけ儲かっているかって話ですね。

 公式めいた話だと、直近の CAPCOM CUP X が賞金総額 200 万ドル以上で行われたわけですが、次の CAPCOM CUP 11 ではそこまで景気よくお金を出せてないわけです。

 シンプルに見ると、こういう大会とか興行とかやるだけどんどん損するわけです。例えば Street Fighter 6 の Ultimate Edition が $105 だとして、ゆるゆるで計算して、そっから1本ごとに $80 の利益が生まれるとして、現状の Street Fighter 6 が 330 万くらい売れてるそうですから雑に計算して $2.6 億になるわけですけど、開発に5年かけた世界規模に売り出すゲームの開発がいくらかかってんのかって話ですね。

 その上で、頻度高く広く継続的に得られる収入がファイティングパス(250ファイターコイン)しかないわけで、キャラのコスチュームはわりと限定的にしか売れてない感じがしてます。実際のデータは持ってないから知らんけど、スマホの大人気ゲームのガチャのような構図ではないはずです。

 で、次回作だの、あるいは継続して開発を続けてくれるだの、そういうのの確度を上げるのであれば、それは稼げるゲームでなければならないわけです。

興行は儲けに繋がるのか

 囲碁とか将棋のように強めのスポンサーがあれば良さそうに思うんですけど、現状でスポンサーのために興行をして、それがどんくらい Win-Win になっているのかが謎です。僕は中の人ではないので。

 CRカップだの、あるいは有名なストリーマーが Twitch/YouTube で配信をしたところで、それは直接、強力な CAPCOM の利益にはならないでしょーし、ストリートファイターシリーズのゲームの露出強化、ブランディングにどんだけなってんのかって話です。

 ストリートファイター6ではおそらく、VTuberを経由したことにより、ストリートファイターシリーズや格闘ゲームに対して強い関心を持つ従来のファンだけではなく、新しい客層が広がっているのかなとは推測されます。少なくとも日本では。海外ではよくわからんのですが、これは今までとは違った客層に刺さったのでしょうか? あるいは刺さるような施策があるのでしょうか?

 それでおそらく、二の矢、三の矢として日向坂46の方に遊んでもらったんでしょうけど、そこからゲームの面白さや知名度、そういうアピールはどれくらい成功したんでしょうか?(あるいは、それそのものが継続して行われるような予定はあるのでしょうか?)

 このあたりの露出から、継続して新規ユーザが増えていくようなモデルのなっていくのであれば、これは基本無料のゲームとは大きく違った強みで、少なくともソフト1本につき (セールとか中抜きとかはいったん置いといて)$60 なのですから、それだけで顧客生涯価値が強いわけです。一定数継続して新規ユーザが増えていくのであれば。

フィジカルスポーツに倣うことはできるのか

 あるいは何というか、それが選手だったとしても大会であったとしても何であったとしても、そのコンテンツ(つまりストリートファイター6)の人気や好感度が高く、それに関わることで(スポンサードとなることで) Win-Win の関係を築けるのであれば、ぼちぼち未来は安泰だと思えるわけです。

 こんなん私の前に何人も何人も言ってることだと思うんですが、そのコンテンツやらそれに関わる選手やら関係者やらが、一定以上の社会的信用が持てるような、あるいはそれだけで尊敬されるような立派な価値を持つことができれば、そういう世界に持っていければいいんでしょうが、このようなイメージ向上はどこまで可能でしょうか?

 あるいは別の例としては、どこまで麻雀のイメージがよくなったか、と言う話でもあります。将棋や囲碁もそうでしたが、ちゃんと賭け事・真剣師みたいな存在と手を切ることができるかという話でした。

 格ゲーというか e-Sports はそこまで歴史的な存在ではないため、それを使った賭け事みたいな話は(伝統的なゲームに比べて)少ないではあります。もしこれからその存在感が増して行くとして、どこまで反社的な存在と手を切れるか、クリーンに安心して眺めてやっていけるコミュニティとなっているか、というのは大事な話です。

 とかなんとか。どーせもっと詳しい有識者が何年も前から言ってそーな陳腐な話ですが。

町の碁会所・将棋教室的存在は復活するのか

 これもどーせ飽きるほど言われてる話なんですが、大昔はゲームセンターが地域ごとの拠点であり、ある種の学習施設だったわけですね。色んな強さの人がぼちぼち存在して、ある程度相互に相手を認識しながらコミュニティとなるやつ。

 んで現状、従来のゲームセンターのビジネスモデルの対象として格ゲーはもう崩壊してるので、それは復活しないわけです。だってゲームセンターで遊ぶよりももっと上等な環境がご家庭のゲーミングPC・ゲーム機で作れるのですから。

 そもそも子供の数も大昔に比べて減ってるし、お手持ちのスマホの方が暇つぶしにも最適ですし、物理的なレイヤーでお手軽に人が集まるような仕組みは全然期待できないわけです。慈善事業で誰かがやるみたいな話でもなければ。

 まぁ別にゲーセンが復活せんでも、あるいはこういう小さなコミュニティが存在しなくても、プロで活動してる人たちには全然影響はないですし、スポンサーする側にも全く問題はありません。有名人がネットで配信するだけでも十分に露出ができるので。

 情報が最適化された、昔の言葉で言う知の高速道路が整備され、それなりの強さまで行くのに独学でも行ける人は少なくない数出てくるでしょうし、現状のプロ選手が賄えるくらいには下の世代の数は維持できるでしょう。

 このあたりが完全に未知数で、安直に考える場合、何かの競技・趣味というのは底辺から頂点まで大きな三角形となって、下を支える浅い人々の数こそが、その業界を支えるための基礎となり、それが広くないといわゆる衰退してしまう宿命にあるのですが、それはインターネットがなかった情報の伝達速度が遅く、アクセスできる情報に格差のあった過去の話であって、そのあたりの環境が変わってくれば、もっと細く鋭い三角形でもって魅力的な状態を維持し続けることが可能なのかも知れません。

 ただまぁ個人的には、もっと広く遊ばれるためにも、なんかもっとちっちゃなコミュニティというか、様々な強度で遊ぶ場所が、教え合う場所ができあがっていったらいいなぁ、とは思います。昔はそれがゲーセンでしたという話なんですが、現状はそれが無理であり、そしてインターネット上でそれを作り上げるような活動は(Discordなど様々支援する環境は整ってきているのですが)基本的に上手くいってないと思うので、そこはだいぶ悲観的な感じがします。

雑なまとめ

 煮詰まりを防ぐためにも露出を維持するためにも、CRカップみたいなのがずっと続けられるといいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?