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【勇気:猪勇と沈勇】超訳 言志録 第十九条

幕末の名著「言志四録」に学ぶ
東洋の生き方学 No.19

言志録 第十九条
『沈勇』

勇気には二つの種類がある。
一つは猪勇、もう一つは沈勇。

猪勇の姿とは読んで字の如く、
猪武者の様に標的に向かい向こう見ずに進んでいく姿である。

沈勇の姿とは、
物静かでありながら、
事に差し当たっては淡々と己の役目を果たす姿である。

この条文(言志録 第十九条)では、
この「沈勇」について書かれている。

猪勇とは、勇気に敗北した人間の姿である。

沈勇とは、勇気に勝利した人間の姿である。

勇気は出す物ではない。
自己の中に備わり、そして養い、修めるものである。

その為に、

常に我をして我を見失わず、
燈という名の遠い憧れへと向かい、
自らに嘘はなく、正直でありつづける。

日常においてこの在り方を心がけることにより、
自己の中に勇気を容るることができるのではないか。

人間とはかくありたいものである。

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言志録 佐藤一斎著 第十九条
【原文】
面は冷ならんことを欲し、背は煖ならんことを欲し、
胸は虚ならんことを欲し、腹は実ならんことを欲す。
【訳文】
頭は冷静で、背は温かく、心は虚心坦懐で他の意見を大きく受け容れ、
腹が充実しており、胆力があって物事に動じない。
人物とはかくありたいものである。

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#東洋思想 #言志四録 #哲学  #読書 

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