【2023年1月10日追記】アニメの独占配信についての話

今回はアニメの独占配信について書きたいと思う。
まず、いま話題となっているのは『はたらく魔王さま!!』がDisney+独占配信だと発表されたことです。そのツイートが以下の通り…
引用RTやリプライを見る限りほぼほぼネガティブな意見で埋め尽くされている。個人的に1期は他サイトでも見れてたのに2期から突然独占配信になるのはちょっと違和感はありますが独占配信があること自体は仕方ないというスタンスです。

かつては『FOD独占配信』『Netflix独占配信』がアニオタからヘイトを集めまくったがここ最近になって『Disney+独占配信』が加わり、もはや

独占配信は絶対悪!!!

とされてきてます(個人的感覚です)
果たして本当に独占配信は悪なのか、良いことは無いか?など個人的に考えてみたことをつらつらと書いていこうと思います。サービスの内情まで知ることができないので少々推測など含まれます。

独占配信のメリット

まず、独占配信のメリットについて考えます。先ほどのツイートを見る限り歓迎してる人はごくわずかで基本的には敬遠されている独占配信ですが実際メリットはあるのかを書いていきます。

・動画配信サービスの強みとなる

シンプルに他社が配信してないのを配信しているのはそのサービスの強みとなります。これはアニメに限らず『イカゲーム』『愛の不時着』がNetflixで独占配信してるのも同じことです。アニメで言うとNetflixで配信している『ヴァイオレットエヴァーガーデン』などがあります。
他社のラインナップにないものを並べるのはビジネス的には当たり前のことだと思いますし、その部分を増やそうとするのも当たり前のことだと思う。
そんなわけでdアニメストアなどのアニメ専門のサブスクサービスはアニメにおいて万能ですべてが配信されるなどといった幻想は捨てたほうがいいです。アニメ専門じゃないところもアニメの本数を増やしてシェアを取ってきます。


・海外展開について

独占配信の話題になると「dアニメストアで配信しろ」「Amazonプライムで配信しろ」というのが枕詞のように付きまとう。言わんとしてることは理解できるのだがdアニメストアやAmazonプライムで独占配信してもそのまま海外展開できないの現状です。
国内ではAmazonプライム独占配信だった『王様ランキング』『オッドタクシー』も海外ではクランチロール他、Amazon以外で配信している。dアニメストアやFODにいたってはそもそも海外向けサイトもなければ日本国内向けサイトを海外から利用することも出来ない。

その点、NetflixやDisney+の独占配信作には最近では「全世界独占配信」と明確に表記されるタイトルが増えてきた。今期の注目作だった『サマータイムレンダ』はDisney+独占配信のため国内では視聴環境が良くないなど言われています。しかし、海外ではAnime Trendingのランキングで1週目19位から9週目で1位まで順位を上げるなどかなりの成功を収めている。

この成功はかなりインパクトが大きいので海外配信を狙うアニメは制作側からDisneyにオファーをかける可能性もあると思うし、独占配信は増える一方だと思う。

ちなみにdアニメストアの会員が250万程度に対してDisney+の全世界会員は1億3000万人、Netflixに至っては2億人を超えている。どこでどう配信したほうが見てもらえるかは一目瞭然です。


・クオリティが担保される(かも)

クオリティに関しては正直放送されてみないとわからないですが独占配信契約をする以上、その作品に独占配信する価値がある、魅力があると判断されていると思います。
配信権も高くなると思われスタジオや制作会社の次作以降の資金が回ったりして継続的に高クオリティが続くと思われます。実際Netflixオリジナルで製作されているアニメは作品の評価にかかわらずシリーズ継続が決定しているものも多い。

独占配信のデメリット

・社会現象的ヒットになりにくい

『鬼滅の刃』が大ヒットになった要因がコロナ禍とサブスクサービスだったと言われています。大手動画配信サービスで見れないところが無いくらい多くのサービスで配信されていたためとっかかりやすく視聴者増につながったと思います。
その点、独占配信となると配信サイトが1サービスに限られるため社会現象的ヒットになるにはそもそもの視聴者の絶対数が限られるため視聴者数が伸び悩む傾向にあります。しかし前述した『イカゲーム』のように1サービスでも社会現象的ヒットになる作品もあるため絶対にヒットしないとは言い難い。


・ネガキャンが増える

ビジネスをやっていく上で他社との差別化をはかるためにも独占配信は必要だと思う。しかし実際のところ独占配信は目の敵にされ叩かれ、ネガキャンされる。こんなのでユーザーが減るほどのことは無いと思うがネットでの見え方は非常に悪い。
先ほどの『はたらく魔王さま!!』の引用RTやリプライがその悪い例です。まったく作品を知らないDisney+ユーザーがあの呪詛のようなツイートを見ると単に作品自体が悪いようにしか見えない。


・新サービスは独占配信が解除される日があるか明確でない

FODで独占配信していた『ゴールデンカムイ』『アクダマドライブ』は一定期間開けてほかの配信サイトでも配信されるようになった。Amazonプライムの『オッドタクシー』、Netflixの『天空侵犯』もdアニメストアでレンタルでの視聴可能となった。
ではDisney+はどうなるか、ずっと独占配信なのか他サービスのように一定期間開けて独占配信を解除するのかが今の段階では不明なところがあるためこれは1年くらいしないと結果がわからないかもしれない。
ちなみに『ブラック★★ロックシューター Dawn Fall』は円盤が出ているが『ダンス・ダンス・ダンスール』『サマータイムレンダ』は執筆時点で円盤発売情報が出ていない。
『サマータイムレンダ』を製作しているOLMは『オッドタクシー』『古見さんはコミュ障です』など放送中に単発で円盤が出ず、放送終了時点でBox発売が告知されるパターンが増えてきてるので『サマータイムレンダ』も同じようになる可能性がある。そうなると円盤で見れるようになるのは来年の春ごろ以降になりそう…

まとめ

・2022年夏アニメ

話題(文句を言われる)になるのがDisney+やFODが多いのですが2022年の夏アニメの独占配信作品はほかにもあります。

AbemaTV:『継母の連れ子が元カノだった』
Amazonプライム:『それでも歩は寄せてくる』『メイドインアビス 烈日の黄金郷』
U-NEXT:『風都探偵』
Disney+:『はたらく魔王さま!!』

Twitter

・今後の動向

ちょっと話が変わりますがアニメソングのサブスクサービスのアニュータが2022年7月31日でサービスを終了します。SpotifyやApple Musicになかった『アイドルマスター』楽曲を配信していたが、アニソン大手のソニーとキングレコードの楽曲が配信してないなど、ヒット作を大手外資系サービスに取られてしまっているところは今のアニメ独占配信の話と近いような気がする。アイマスはここがサブスク解禁のタイミングかもしれない
個人的にはdアニメストアやアニメ放題がいつか同じように消えて行ってしまうのではないかと思う。

日本では同じドコモが運営しているのでdアニメストアがDisney+のスターブランドの中に押し込められる日も遠くないかもしれない、これはさすがに言いすぎか…

シェアの奪い合いをしている以上独占配信は増えるだろうし今まで見れてたものが見れなくなることもあるかもしれないが、とりあえずTVで見れる人は録画しよう!見れない人は契約する以外道はない、配信サイトもなかった時代とは違って500円から1000円払えば好きな作品を見ることができると考えたほうが気が楽になる。

何が言いたいかって言うと、公式アカウントに「死ね」やら「潰れろ」やら書くのはやめましょうってこと!

以上!

アニメの感想やNetflixについてだらだらと書いているのでマガジンもよろしくお願いします。

【追記】2023年1月10日

年明けからPV数が伸びているのでこの記事を書いて半年くらい経った現状についてもシェアしておきます。

ディズニープラス独占配信について

懸念していたディズニープラス独占配信作品の他プラットフォームへの展開は作品によって違う感じになりました。『サマータイムレンダ』は放送終了から1ヵ月半後には他プラットフォームでの配信が解禁されましたが、『ダンスダンスダンスール』『ブラックロックシューター』はまだ解禁されていません。

大きく動いたのは講談社との提携、『東京リベンジャーズ』の独占配信です。実写映画も大ヒットした注目作品の2期が独占配信となり反発の声がかなり大きいです。個人的に独占配信自体は賛成なのですがこういったビッグタイトルの続きが独占配信になるのは既存ファンのことも考えると悪手のように思えます。
GWには実写第2弾も控えているのでGW前に他プラットフォームでの配信が解禁されるのではないかと思います。

この講談社との提携は全ての作品に影響があったわけでは無く同じく1月放送開始の『虚構推理』は色んな所で配信されています。2023年方法予定の作品だと『シャングリラ・フロンティア』『女神のカフェテラス』などの新作の他に『進撃の巨人』のファイナルシーズンが控えています。
この辺りは今後の動向に注目です。

DMM TVの誕生

2022年にDMM TVがサービスを開始しました。価格が500円台と安くdアニメストアと並ぶような存在になるかと思います。アニメ以外にもオリジナルのバラエティや声優のトーク番組、実写映画、ドラマ、2.5次元舞台などに力を入れているためdアニメストアとの差別化も上手く出来ていると思います。

dアニメストアの料金値上げやその他もろもろ

DMM TVが誕生してから疑問視されるのはdアニメストアの料金値上げ問題です。2023年3月1日より440円から550円に値上げされます。
DMM TV
と同じ料金となり料金での優位性は無くなりました。

作品数ではdアニメストア5337本(2023年1月10日時点)、DMM TV約4600本、エンタメコンテンツ混みで約12万本。見るジャンルによってはDMM TVの方があってるかもしれません。

ここ最近気になるのはdアニメストアの独占配信の少なさです。ここ1年の独占配信は以下の通りです。

2023年冬:0本
2022年秋:シルバニアファミリー フレアのハッピーダイアリー
2022年夏:異世界迷宮でハーレムを《ハーレムver.》
2023年春:0本

これを見てわかる通りほぼ皆無に等しいです。
Netflixやディズニープラスで独占配信が決まるとTwitterのリプに「dアニメストア独占配信にしろ」と書かれてます。正直言ってその希望は捨てたほうがいいです。

余談

ついでに書いたアイマスのサブスク解禁がまさにその通りになってビックリしてます。動画配信サービスも淘汰される日が近いと思う。

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