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#44 the monogatary | あの子の微笑み

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朝練。授業。部活。その繰り返し。それで良いと思っていた。しかしながら。それは私の勘違い…。


野球部。その練習は常軌を逸する。毎朝、始発に乗る日々。片道2時間の私にとって、それは必須の行いであった。睡眠時間は通学中に確保。まともでは無い。それでも。当時の私は盲目であった…。

中学時代。私は優秀であった。年々、向上していく成績。私はテストの点数が上がる度に、自らの成長を実感していた…。

★★★

転機がある。多くの転機の中で、衝撃だった出来事。それは。母方の祖母にまつわることである…。

前兆はたくさんあった。そのような環境の中で。私が中学2年生の時。父親が家出をした。それはあまりにも突然で。私は驚きを隠すことが出来なかった。それまで。両親は頻繁に喧嘩していた。その際。私の心はいつも虚無であった。深夜に起こされることも多かった。そのような環境の中で。きっと父親は耐えることが出来なかったのだろう…。


それから。1年が過ぎた。そして。母方の祖母はある決断を下す。彼女は自らの意思で、己の人生に終わりを告げたのである…。

突然の終止符。私はパニックに陥る。なぜ彼女は、その決断を至るに至ったのか。必死に思考する。それでも。まともな答えを得ることは出来ない。それは。私にとっての過渡期でもあったのだ…。

★★★

環境とは。いとも簡単に変わるもの。私の景色は一変する。あぁ、この世はきっと、地獄なのだろう。私たちは、亡くなって初めて、天国へと至るのである…。

フリーレン。彼女たちは、天国を目指して旅をする。きっと私の人生も同じなのだろう。私もきっと、天国を目指して旅をしている。その道中で。私は多くのことを学ぶのだろう。多くの魔物と対峙するのであろう。それでも。私は歩を進める。その先に栄光があると信じて…。