FGO算数講座(2):スター獲得の恩恵を数値化しよう
スマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」(以下、FGO)のクリティカルスターについて以前某所に寄稿した内容を数回に渡って供養する。
連載目次
・FGO算数講座(1):スター発生率アップから学ぶパーセントポイント
・FGO算数講座(2):スター獲得の恩恵を数値化しよう(本記事)
・FGO算数講座(3):スター発生の恩恵を数値化しよう
・FGO算数講座(4):コード:グリッター考察
・FGO算数講座(5):スター最低保証に意味はあるのか?
スター獲得1個あたりの性能
FGOにおいて効果が実感し難いギミックのひとつがクリティカルスターだ。1%の不足が致命的となるNPと違って、FGOは考察するほどシビアなスター管理が要求されるゲームではない。スター1個の価値はどれほどのものだろうか。効果を数字で割り出してみよう。
コマンドカード1枚に対し、分配されたスター1個でクリティカル発生率10%アップ、分配スター10個でクリティカル発生率100%となり、そのカードの攻撃でクリティカルヒットが確定する。
クリティカルヒットでは攻撃力とNP獲得量が100%アップ、スター発生率が20%アップする。よって、分配スター1個につき攻撃力とNP獲得量は100%/10個=10%アップ、スター発生率は20%/10個=2%アップ相当と考えられる。
なお、獲得したスターがすべて有効活用される訳ではない。スターはスター集中係数に基づいて5枚のカードに分配されるが、選択できるカードは最大3枚のため、選択されなかったカードの分配スターは必然的に捨てることになる。
獲得スターが均等に5枚のカードに分配されると仮定した場合、獲得スター1個あたりの攻撃力とNP獲得量は10%*3/5=6%アップ相当と考えられる。スター発生率の上昇効果は1.2%アップ相当とごく低いため、以降は考慮しないものとする。
実際には、分配スターの多いコマンドカードの選択バイアスや、クリティカル威力アップ、宝具カードの選択によるスターの放棄など、様々な要因が絡んで来るが、基本的には「スター1個獲得」=「通常攻撃1回の攻撃力とNP獲得量を6%アップ」とみなすことができる。
2030年の欠片
概念礼装3強の一角に数えられる「2030年の欠片」は未凸で8個、限凸で10個のスターを毎ターン獲得できる。これを攻撃力とNP獲得量アップに換算すると、未凸で48%、限凸で60%となる。
同じ☆5礼装のリミゼロ、イマジナリ、フォーマルが未凸で25%、凸で30%の単色カード性能アップであることを考えると、2030年の欠片がどれだけ破格の性能か分かるだろう。
ただし、クリティカルヒットは通常攻撃でしか発生しない。つまり、スター獲得では宝具威力をアップさせることはできない。このため、アタッカーには宝具威力/攻撃力/QABカード性能アップの礼装を付け、サポーターにスター発生を行わせるのが最適解となる。
直感
アルトリア族の足を引っ張っていると揶揄されているスキル「直感」はAランクのスキルマで15個のスターを獲得できる。これを攻撃力とNP獲得量アップに換算すると90%となる。5ターンに1回だけで、通常攻撃のみが対象で、強化倍率が2倍にも満たないスキルは、☆5として厳しいものがあった。テコ入れは必然だろう。
永久に閉ざされた理想郷
王の話をするとしよう。マーリンの宝具「永久に閉ざされた理想郷」(ガーデン・オブ・アヴァロン)はオーバーチャージ(OC)100%につきスター5個*5Tを獲得できる。これを攻撃力とNP獲得量アップに換算すると、OC100%で30%*5Tとなる。
OCの効果を性能として数値化すると何がおいしいかと言うと、宝具チェインの選択優先度の判断に役立つ。例えばマーリンを組み込んだArtsパーティ運用の場合、宝具のOC効果や宝具Lv.によって順序は多少前後するが、次のような選択順が総ダメージ量を最も増やせる計算となる。
孔明 > 攻撃宝具 > マーリン > OC特攻宝具 > 玉藻(術)
こうして見えにくいものを可視化して判断材料にできるのが数字のチカラである。
※本記事は2019年1月時点の情報を元に執筆されているため、現在の状況とは異なる場合があります。