見出し画像

小噺 プラスチック恐怖症

最近の調査によると、ペットボトルの水を飲むとマイクロプラスチックも摂取することになり体に良くないので、水道水を飲むなり、水筒を持参するのが望ましいというもの。が、アメリカの家庭では、飲料水はペットボトルのことが多い。多くの人は水道水を飲むことに抵抗があるのは確かで、州によっては、水道水自体が飲料用じゃないこともある。※ちなみにニューヨークの水道水は飲めます。

そんな調査の影響で、ペットボトルの水を買うのを辞めた友達がいる。水道水をフィルターで浄水して飲むことにしたらしい。出歩く時は、水筒を持ち歩こう!と言うことで、水筒も買った。なんとも健康的だし、結果的に環境にも配慮したいい習慣だな、と思っていた数ヶ月後。

新たな調査で、男性の精巣からマイクロプラスチックが見つかった。それにより「マイクロプラスチックは生殖能力の低下に影響しているのではないか?」という記事を読んだらしい男友達。

その日に、家中のペットボトルの水(結局まだ飲んでた)を捨て、深いグリーン色の瓶に入った水を注文(水道水を浄水するのは辞めた)、使い捨てフォークやスプーンは木製の使いづらそうなカトラリー(使い捨て)に替えた。あくまでも使い捨てることに疑問はないあたりが潔い。そして、プラスチック製のお洒落なコップ(使い捨てではない)とまな板も捨てていた。先日一緒に出かけた際は、出先で紙パックの水を買っていたので、その徹底ぶりに驚いた。紙パックの水が一般化しつつあるのもどこかニューヨークらしさを感じる。

そして数日後、また再び彼と出かけたときに、自分の水がなくなり、私の飲みかけのペットボトルを飲んでいたので、マイクロプラスチック熱は冷めて諦めてしまったのかと思った。「ペットボトルはもういいの?」と聞くと、普通に忘れていたらしくて、ものすごいリアクションで自己嫌悪していた。彼の今後とタマの行方が気になる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?