ナオコライフ40 行けなかった藤原新也展

母が東京へいった。今日はひとり時間を満喫する予定。行けなかった世田谷美術館での藤原新也展をおもう。写真より書を見たかった。でも、これもタイミングの問題。寝不足で不調の中、藤原新也の作品を観るのは少々難儀なところがある。


というわけで、朝から古い本をダンボールから出してきてる。

藤原新也
『メメント・モリ』『東京漂流』『印度行脚』『印度放浪』

もうすっかり古本になってる。焼けた紙からは古本の匂いが立ち込める。個人的には好きな匂い。この本は文庫化されたものだけど、これを買ったのは20代前半のこと。藤原新也との出会いは、23才のときに、単身インドへの旅に出て帰ってきてからだったとおもう。それから自身の旅をおもいながら読みふけっていた。わたしはまだ発症する前で元気いっぱいだった。今はもう時代がちがうし、体調のこともあるし、なかなか旅に出れなくて困っている。国内でいいから、旅をしたいけどなかなかむずかしい。


今回の展示では、書も展示されている。実はあるnoterさんのレビューで、会場風景をちらりと見た。行ってないのに、少しだけ行った気になる時代だから、うれしさもあるけどなんとも切ないのが先に立つ。この中途半端な気持ちはなんだろう。ちょっと消化不良をおこしているので、古い本たちと戯れている。そんな時間が必要。


本の感想は本当に苦手で、藤原新也を説明するのもむずかしい。これではいけないといつもおもうけど、ただ個人的には、この古い4冊をとても大事にしてきたおもいがある。本と写真集の断捨離は何度もしてきているけれど、藤原新也だけは聖域といっていいのか、毒といっていいのか、ずっとそばに置いておく。そんなおつきあいになる本たち。

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