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【感想】光る君へ  第7回「おかしきことこそ」


■ まひろ、初めての脚本作り

人は笑えるおかしなことを求めていると知ったまひろ、仕上げた脚本は「狐の言いなりになる4匹の猿」の芝居。
まひろの妄想力は1話で三郎への嘘の身分を伝えるものでお披露目されてましたけど、それはあくまで自分のため。
今回の脚本は、まひろの妄想力が他人のためになった最初の出来事だったのではないでしょうか。
人々が笑ってもらえることで彼女の心に湧き上がったもの、それが後に源氏物語を書き上げる原動力になっていくんでしょうね。

■ 兼家の怖いもの

安倍晴明にこれまで何度も呪詛の依頼をしてきて、その都度成果をあげ、それ以上の成果も上げてきたことで、呪詛の力というのを嫌というほど理解している兼家。
だからこそ自分も呪われていれば死ぬと信じているし、道綱母にも子供みたいに泣きつく。
道兼を上回るヒールかと視聴者を唸らせた兼家にも怖いものがあったんですね。
そして兼家に縋りつかれながらも自分の子のアピールを忘れない道綱母の、なんとおかしきことか。
兼家との逢瀬を『蜻蛉日記』に落とし込んで自慢した女性らしい、抜け目なさ。
この強さは見習わないといけない。

■ スポーツする男子と見つめる女子の図は王道少女漫画

『光る君へ』でまひろと道長に関するシーンは王道少女漫画展開になるのですが、嫌いじゃないです。
片思い中の男子が見せる頑張る姿というのは、どうしたって胸を打ちます。
しかし部室で男子たちが「やっぱり結婚するなら金持ちじゃないと。貧乏人なんて所詮遊び相手」なんてことを言っているのを偶然聞いてしまって、現実を突きつけられるし、それに対して良家の坊っちゃんである片思い中の彼も「ああ……、まあ」みたいなことを言ってるし。
「身分なんて関係なくお前が好き」って言ってたのは嘘だったのかとショックを受け、ラブレターを燃やしてしまったのでした。
両片思いつら……。

そして直秀の存在もかなり少女漫画的。
2人と仲の良い男子ポジションで、両片想いをくっつけたいという思いを抱きつつも、ちょっと女の子のことも気になってる。
来週あたり「俺にしとけよ」くらいのことを言いかねない、直秀。
そして直秀が盗賊だと知った道長は、その友情と天秤にかけなければなりません。来週はふたつの意味でドキドキな展開が待ってそうです。

■ 「雨夜の品定め」本番

男子が女子の良し悪しを言うシーンが2話であり、「雨夜の品定め」のオマージュだなと沸き立ったものです。
そして今回も部活を終えた男子たちが部室で語るが如く、女子の選び方などをああでもないこうでもないと言っていました。
今回は雨も降っていたこともあり、むしろ今回の方が「雨夜の品定め」では?
現代女子からしてみるとえげつない会話だけど、当時の価値観で言ったら当たり前のことなんでしょうね。
身分がものを言う社会で、恋とはいったいなんなんだろう。
『源氏物語』でさまざまな立場の女と恋をする源氏。
娯楽作品だったかもしれないけど、身分制のもとでする恋とは何かを問いかける作品でもあったのかもしれないです。

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