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極装束で燭台切光忠が刀剣男士であることを再確認

先日のエントリーで燭台切光忠のことに触れましたが、あの時はまだ極装束が公式から公開されていなかったので多くを語れませんでした。
今回はようやく極装束のことについて触れることができます。

修行から帰って来てネタバレを踏まずに初めて自分の本丸画面で彼の新しい戦装束を見た時、私は燭台切光忠の夢女子たちの安否を気にしました。
格好良さに磨きをかけて戻ってきた彼が身につけていたのは、フロックコートでした。

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シャーロック・ホームズシリーズを読んだことがあるせいか、それとも今までのオタク人生の賜物か、あのコートがフロックコートであるというのが瞬時に閃きました。
脳の記憶の片端にあるフロックコートという言葉が、脳の持ち主である私が考えて引き出すより先に、シナプスが勝手に電気信号を一瞬で巡らして「おま、これ、フロックコート!」て、記憶の貯蔵庫から飛び出してきたのです。
勝手に飛び出てきたので、ほんとにフロックコートで合っているのかとネット検索して答え合わせしなければならないほどでした。

■ 燭台切光忠のフロックコートでなんでこんなに萌えるのか

コートとはいうものの、日本で言うコートは英語ではオーバーコートなので、フロックコートはジャケットと考えてください。
アニメとか映画とかで見たことないでしょうか。腰の部分は締まり、裾は膝くらいの長さまである上着を着た外国人の絵とか。

そもそもフロックコートが何かと簡単に言えば、今のスーツの源流みたいなものです。
源流、つまり元祖、すなわち祖。
燭台切光忠のセリフにこうあります。「長船が祖、光忠が一振り」
長船の祖の一振りが、スーツの祖を着て帰ってきた!という洒落みたいな現象がまず起きたわけです。

フロックコートは16世紀頃イギリス軍人の指揮官を含めた貴族が着ていたものです。
貴族は乗馬の時も、狩猟の時も、戦場においても、いかなる場面においても華麗な身嗜みを自らに義務付けていました。
「格好は常に整えておかないとね」と燭台切光忠も常日頃から申しています。

18世紀頃にはフロックコートから変化したモーニングコートやイブニングコートが登場します。
これは貴族が朝の日課、午後の日課に適した上着を必要としたから変化したものです。
そしてそれがいずれ現在のスーツへと変遷していきます。
それ故に、フロックコートがスーツの源流と言われています。

フロックコート

Study for a Portrait of an Officer and His Wife / Arthur Devis / The Metropolitan Museum

私が冒頭で夢女子の安否を気遣ったと書いたのは、現在においてのフロックコートです。
現在日常着としてはスーツに取って代わられていますが、フロックコートの出番がなくなったわけではありません。
それは結婚式です。新郎が着ます。
私は夢女子ではないので勝手に想像しました。
「これ推しが結婚式の衣装着て修行から帰ってきて即結婚しようのパターンじゃん」
私が夢女子だったら大変だったかもしれません。
腐女子で良かった……。

■ 足元は軍人らしく編み上げブーツ

太刀が極修行をすると馬に関する技がひとつ増えます。
そのためでしょうか、燭台切光忠の靴は編み上げブーツに変わりました。

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編み上げブーツはいまやファッションアイテムのひとつですが、元々は軍隊で用いられたものでもあります。
フロックコートのところでも触れた通り、イギリス軍の司令官というのは貴族がなっていました。

つまり、燭台切光忠は極修行から帰ってきたら、貴族軍人司令官になっていたということです。
いままで男性従業員接客飲食店の店員とか言われてきましたけど、だいぶ印象が変わりました。
まあ相変わらず「ご指名かい?」とか言いますけど。

■ 襟には梅の花、背中に伊達家と徳川葵

フロックコートの襟に注目したいんですが、きれいな梅の刺繍が施されています。
梅といえば水戸です。伊達家よりも長く水戸徳川家のお世話になってますから。

また、これは中傷以上になると分かることなんですが、フロックコートの背中には伊達政宗の兜を彷彿とさせる三日月が描かれ、腰の部分には徳川家の家紋で有名な三つ葉葵のアクセサリーがついています。

どうしても名付け親である伊達政宗を意識しがちで、水戸徳川家のことなんてさっぱり口にしませんが、彼の中にはちゃんと水戸徳川家のこともあったんだな、と思わずにいられない意匠です。
もしかしたら修行で伊達政宗のところに行った後、水戸にも立ち寄ったかも。
伊達家と水戸徳川家を背負って帰ってきた!と叫びそうになりました。


いつも他人をもてなすことや、良い野菜を作ることばかり考えて、修行先でも格好良さのことを学んできて、戦とは縁遠いような感じがします。
けどこうしてちょっと軍人っぽい装いで帰ってきた姿を見ると、やはり彼も刀剣男士だったんですよね……。

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