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⑥犯人逮捕

ウンコ犯人を捕まえるため、警察とも協力しながら色々と書類を準備していった。警察とのやりとりは基本妻が行い、以前話した内容についても繰り返し聞かれることが多かった。これは単に我々も試されているのだと思う。嘘をついている人間や精神状態が異常な人間ほどランダムなタイミングで同様の質問をされたら過去にさかのぼって答え合わせをするそうだ。そこで徐々に内容が合わなくなる。自分では合わせているつもりだが修正が出来ず崩壊していく。

人間の記憶は曖昧で、なにかの事象に関して詳しく覚えている人などほとんどいないとのこと。「だったと思う」とか「覚えていない」「わかりません」が普通の人の模範的答えだと警察は言う。もちろん証拠がある場合は虚偽の発言となり罪が重くなる。

私たちは防犯カメラやインターホンに映った映像も提出した。これはスマホなどに保存したデータをデジカメで撮影していった。データは渡すから吸い出せば良いのだが、この程度の保存方法という事は特定できない映像などはそれほど証拠にならないのかもしれない。

10センチほどの厚みのある調書が出来上がった。
これを元に警察の方がまずは裁判所へ犯人の発信履歴を開示する許可をもらうとのことだ。

数日後、許可が降りたので犯人を確保するために我々も犯人の奥さんへも連絡を取ることを控えた。2、3週間だろうか、捕まえるタイミングを計っていた。
犯人はこの時間何も知らずにいつも通り仕事に向かっていたようだ。

ある日警察から連絡が入り、犯人を捕らえて携帯電話を押収したとの内容だった。携帯電話を確認したところ非通知で私の妻への着信履歴を確認できたとのことだった。

どのタイミングで捕まえたかは不明だが、警察から勤め先に「○○さんを逮捕したので当分出勤できなくなります」との連絡は入らないという。つまり本人は無断欠勤が続くようだ。

このタイミングで私は犯人が務めていた会社へ問い合わせをした。
理由は犯行時間と勤務時間の事実確認だ。本当は会社へ逮捕の連絡が伝わっていないことがわかったので新聞に載るより早く犯人氏名と犯行内容を送ってあげた。
その会社は地元でも有名な乳業会社だ。飲食業の社員が夜中に他人の家にウンコをしているという事実をどのように受け止めるか見てみたかった。結論は無視だった。世の中そんなもんである。私の希望はもっと発展して「犯人には会社に迷惑をかけた賠償金を裁判し対応していきます」とかならないものなんだと残念に思った。賠償金が発生するほどの情報が公開されていないからしょうがないが、今はSNSがあるので個人でも拡散能力があるので、私が経営者なら何らかの反応を示すが、この会社は無反応が答えのようだ。

犯人は逮捕から20数日、捜査の為、勾留されていた。
勾留では何をされるのか分からないが、犯人は黙っておけば分からなさそうな追加の犯罪が捜査から分かった。その内容は私が新築を売却したくなる犯罪内容だった。

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