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きっちゃんのつぶやき「学びの主体は子どもに」

 最近、「学び合い」という言葉をよく聞くようになりました。私も学校長時代、この「学び合い」を大切にしてきました。「学び合い」は、一方的に教師から教えられるものではなく、互いの知恵と考えを交わすことによって学ぶものですから、学びの主体は子どもにあります。

 東海国語教育を学ぶ会の顧問である石井順治先生は、著書「学び合う学びが深まるとき」の中で、「学び合うことのよさを実感した子どもは、学校生活のあらゆる場面において、仲間とつながり、仲間から学び、仲間とともに生きようとするでしょう。もちろんそこには感情の行き違いや小さな衝突も生まれます。けれども、それも大切な学びの場にしていける、それが学び合いを経験した子どもの強みです。それは、違いを認め合い、その違いから学ぶことの豊かさを知っているからです。」と述べられています。

 つまり、学び合うということが、子どもの心に根づけば、子どもの学び合う意欲は、あらゆるところで発揮されるようになるのです。

 教育実践研究家の菊池省三先生は、「教室は家族です」と言われています。「教室は家族です」というのは、安心して勉強ができて、楽しく遊べる場所が教室だからです。石井先生が言われるように、「学び合う学び」は、子どもたちが集う教室を、他者とともに生きてゆける心と体をはぐくむ場にしていくと信じています。そうなったとき、教室は教えられる部屋ではなく、「学びの部屋」になります。当然、教師自身も、自らの授業を磨き、教師として育つために、同僚と学び合う存在にならなければ、学び合いのできる子どもを育てることができません。

 つまり、教師自身の心の中に、他者とつながって生きる実感が必要だと考えています。教室で「学び合う学び」を実現するには、教師も学び合うひとりになって、学び合う学びが実践できる職員室でなければなりません。

 「学び合う学び」を通して、子どもたちの他者とのつながりを家庭、地域にも広げ、子どもたちの未来にもつながればと願っています。

 家庭の人間関係でも、地域の人々とのつながりでも、学校で経験したことが生きてほしいと思っています。


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