高校生2人が藤本 博久 様(ヒルトン副社長)にインタビューしてみた!
こんにちは。認定NPO法人キッズドアです。
キッズドアは子どもが幸せに成長できる社会を作ることをミッションに、経済的な困難を抱える家庭の子どもたちへ生活や学習の支援を行う認定NPOです。
中学生・高校生が企業の経営者などにインタビューする企画「Dialogue of the future」の第1弾として、藤本博久 様(ヒルトン 日本・ミクロネシア地区開発担当副社長)にお話しを伺いました!
抽選で選ばれた2名の高校生が、高校生ならではの視点で素朴な質問をぶつけました。
※この記事は2023年6月時点のものです。
環境に恵まれ、尊敬できる人に囲まれて副社長になることができた
——どうやって副社長になることができたのですか?(16歳女子)
私が入社したのが2009年ごろ、14年前のことです。その時は部長だったと思います。
そのあとご縁があり今の役職につくことができました。
コツコツと目の前のことをやること、そして本当に人に恵まれました。
今振り返ると尊敬できるチームメンバーや現場で頑張ってくれる人、そして上司に恵まれたのが大きかったのかな、と思っています。
——リスクを取らない人は平凡で終わると聞きました。藤本さんはどうおもいますか?(16歳男子)
何をリスクと考えるかによると思いますが・・・
ただ、人生のなかで選択をしなくてはいけないときは絶対にありますよね。
もちろん男性、女性関係なく。
それ(選択すること)をリスクと捉えるかはその人次第ですが、選択することを怖がっていてはダメですよね。
——選択するときは何に気を付けていますか?私は優柔不断なので・・・
何かを選択するときは「どっちがやりたいか」「どっちが楽しそうか」で決めちゃいますね。
「周りが分かってくれない!」ではなく自分のアプローチを変える
——仕事をしていてどんな人が「良い」と思いますか?(16歳女子)
自分がマレーシアやフィリピンでホテルの仕事をしているときに痛感したのですが、「アプローチを変えること」ができる人かなと思います。
異国の地では特に自分の意見が通らない時があります。
そんなときに「周りが分かってくれない!」となるのではなく、まず自分に何が足りなかったかを考え、アプローチの仕方を変えることが大切だと思います。
——反省するってことでしょうか?
そうですね。失敗したときにずっと落ち込む人もいますよね。
落ち込むだけじゃなくて、明るく考える癖をつけて、アプローチを変えることが大切かなと思います。
——どんな会社が「良い」「魅力的」と感じますか?(16歳男子)
私が魅力的だなと感じるのはやっぱり、社会に貢献できる会社ですね。
そして、社会に貢献できる会社がちゃんと利益が出ていると思います。
例えばヒルトンでは女性社員をトレーニングして幹部に育てる活動や、環境保護、様々なコミュニティの活動を行っています。
そんな会社が私は好きだし、今後伸びていくなと感じます。
ホテル事業とは「みんなで同じ方向に船を漕ぐ」ということ
——普段どんな事業をしているか教えてください(16歳女子)
ホテルは泊まるだけではなく、「レストランでご飯を食べる」「スパでリラックスする」「ジムでトレーニングする」など様々な体験ができるところです。
その体験を支えるためにたくさんの人が働いています。
お客様にサービスするスタッフだけではく、ハウスキーピングやシェフ、エンジニアや購買部や人事部、経理部ももちろんあります。
いろんなセクションの人が協力してホテルビジネスは成り立っています。
なので、「みんなで大きな船に乗って、目標に向かってオールを漕いでいく」という事業だと思っていますし、その点が私はとても気に入っています。
その中で新しくて、いろんなコンセプトのホテルを作り続けることでヒルトンの将来を明るくすることが私の仕事かなと思っていますね。
——では、一日のスケジュールも教えてください
毎日6時ぐらいに起きて、8時45分ぐらいに会社に来ますね。
例えば今日は5つぐらいミーティングがありました。
今はオンラインでミーティングができるので、外に出る回数は減りましたがそれでも時々外のお客さんとあってお話をすることはあります。
オフィスに帰ってきて7時や8時まで会社にいて帰宅するようなスケジュールです。
——忙しいんですね・・・!
忙しいよ!(笑)私のまわりは厳しい人ばかりだからね(笑)
私の仕事の基本はホテルを作ることです。
そして今、日本のヒルトンで働いてくれる人がだいたい4,500人ぐらいいるんですね。
そのなかで「ホテルの開業をしてみたい!」「地方でオープニングの経験をしたい!」と手を挙げてくれる若いスタッフもいます。
そういった若いスタッフに働く場所やあるいはチャンスを用意することで、将来のキャリアアップにも繋がると思っています。
そんなホテルを作れることができればいいな、と思いながら働いています。
「自分のしたいことを見つけるための人生」と思えばいい
——小さいころから出世したい!とか思っていましたか?(16歳男子)
もちろん、思っていませんでした(笑)
幸せに生きていきたいな、とは思っていましたが。
そういった意味では、今でも自分が好きなことを続けられているので自分は幸せだと思います。
——でも、自分がしたいことをするのは難しくないでしょうか?
確かに、自分がしたいことをするのは難しいと思う。
一方で私がやりたいことを続けられているのは、本当にいい人たちに会えたことがラッキーだと思っています。
ずっと待っていても良い出会いはないので、アンテナを張って良い環境に身を置いたことが良かったのかもしれません。
——自分のしたいことってどうすれば分かりますか?(16歳女子)
「何やりたい?」って大人に聞かれてもわからないですよね。
本当に難しいことだと思いますし、見つけることができた人は本当にラッキーだと思います。
だから自分の人生を「自分のしたいことを見つけるための人生」と思えばいいかもしれませんね。
学校や会社に入ってみたり、「違うな」と思えば方向転換したり。
面白いと思ったものが3年後に変わったり。
そうやって探し続ける人生なのかな、と思っています。
——好きなことを見つけるまでの時間は人それぞれなんですかね?
そうだと思います。ほとんどの人は見つからないのかもしれませんね。
なので、プレッシャーを感じる必要はありません。
いろんな人に出会って、芸術や文化に触れて常に自分の基礎の部分を柔らかくしておくことが必要だと思いますよ。
人生を変えるような瞬間に良い決断ができるように頭を柔らかくして欲しい
——成功の鍵となったのは何でしょうか?(16歳男子)
私が大学生の時からリゾートが好きで、夏休みに沖縄に行く計画を立てていたんですよね。
それを聞いたゼミの先生が「沖縄のリゾートについてレポートを書いてみないか?」と言ってきたんです。
バイト代や単位も出ると聞いた私は、沖縄で1か月を過ごしてレポートを完成させました。
そこから私の運命は大きくリゾートホテルに傾きました。
あの時レポート作成を断ることもできましたが、受け入れることで今に繋がりました。
みなさんにも人生を変えるような瞬間は絶対来ると思います。
その時にいい決断ができるように、普段から頭を柔らかくしておいて欲しいなと思います。