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医学生のみなさま。『臨床実習に役立つ書籍』を刊行します!

この度,志賀 隆 先生(国際医療福祉大学医学部救命救急医学 主任教授)ご編集のもと,『臨床実習マスターガイド 基本手技・救急』を刊行する運びとなりました。


本書の目次は「医学部の臨床実習において実施可能な医行為について(厚生労働省・2018年7月)」の内容を参考にして作成いたしました。
臨床実習で経験・習得すべき「一般手技」・「外科手技」・「救急の手技」の36項目をわかりやすく解説した書籍です。


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目次です。

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サンプルページです。

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このような紙面に仕上がっております。


序文

「採血の上手なお医者さんを育てて欲しい!」とよく患者さんからお言葉をいただきます。医学生のうちから手技の上達に取り組むことはとても重要です。本書は,より実践的かつ網羅的な書籍にするために「医学部の臨床実習において実施可能な医行為について(厚生労働省・2018年7月)」の内容を参考に企画いたしました。

手技の上達に必要な要素はたくさんありますが,私は下記の5つではないかと考えております。

①解剖,解剖,解剖
②立体的な想像力
③シミュレーターでの練習
④物品の理解
⑤振り返り


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①解剖,解剖,解剖

たとえば中心静脈挿入の際ですが,静脈と動脈が並走しているときもあれば,上下になっているときもあります。左からの鎖骨下静脈穿刺は,胸管の損傷・リンパ漏の危険性があります。また,鎖骨に近づけば当然肺が近づき,気胸のリスクが上がります。正確な解剖の知識と理解が安全な手技には必須となります。
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②立体的な想像力

「シミュレーターでの血管穿刺は上達したが,患者さんでの血管穿刺となるとうまくいかない」という研修医の先生をよく見かけます。シミュレーターの際には水平なのですが,実際の患者さんの皮膚は斜めになっておりますので,斜めの平面に対して垂直に血管穿刺を行う必要があります。正確な解剖からの「立体的な想像力」があってこそ,手技はうまくいくものです。
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③シミュレーターでの練習

やはり,手技の練習は机上の知識では難しいでしょう。とはいえ,初めての手技が患者さんというわけにはいきません。当院では,縫合,血管穿刺,気管挿管などのシミュレーターは常にベッドサイドに置いてあり,シミュレーションセンターに行けばもっとよい製品があります。何度もシミュレーションできるという環境が手技の近道であることに異論はあまりないかと思います。
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④物品の理解

「弘法筆を選ばず」ということわざがありますが,実際は筆を選んでいたということがよく知られています。良い成果を出すためには,良い道具を選び,その性質や構造を熟知しておくことが大切です。
たとえば,トリプルルーメンカテーテルの茶色のポートからはガイドワイヤーが出てきます。そのため,ここはシュアプラグをつけないということを知っているだけでも,カテーテル挿入の円滑さへとつながります。
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⑤振り返り

驚くほど円滑な手技・手術をされている先生にその秘訣を聞いてみて下さい。「何度も練習をした」「うまく行かなかった際,その原因を振り返り,次への対策を考えた」という言葉が返ってくるはずです。このように,トラブルシューティングの経験が手技の上達に必須になります。中心静脈カテーテル挿入時に針先が超音波の画面に出てこない,腰椎穿刺の際に何度刺しても骨に当たってしまうなど,トラブルは枚挙にいとまがありません。

本書のそれぞれの項目にトラブルシューティングについて記載を頂くようにしています。初歩的な部分から医師になっても使える部分,失敗した際に振り返ることのできるポイントが掲載されています。
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上記5つの要素を大事にしながら,手技の対象をシミュレーターから患者さんへステップアップして頂ければと思います。「先生は採血がうまいですね! そんなに痛くありませんでした!」と嬉しい言葉を患者さんにいただけるよう,ぜひ本書を活用して下さい。

本書を代表して
国際医療福祉大学医学部救急医学 主任教授 志賀 隆


本書は10月の初旬ごろには全国の医学書専門書店に並ぶ予定です。
ぜひ,手にしていただけば幸いです。


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