推しに認知されたくない

「推し」っていますか？

二次元から三次元、無名の若手から超有名アイドルまで、人それぞれいろんな「推し」がいます。「推し」の定義は人それぞれなので、ひょっとすると、学校の先生なんかを「推し」と呼んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

では、「推し」に認知されたいですか？

「推し」に認知されたくない

私は、「推し」に認知されたくないです。私の「推し」は実在するスポーツ選手で、その界隈では名の通った選手ではありますが、世間一般的にはあまり知られておらず、遠い、憧れの存在、というよりは、わりと近いところにいます。

熱狂的な女子ファンも少なく、会おうと思えば毎週でも会える(試合を客席から観るだけ)ので、目立つ格好や、推しアピール、アイドルのライブにおける「うちわ」みたいなものを作っていけば簡単に認知されることができます。

SNSでも彼について発信するファンは少ないので、彼の名前を用いて発信すれば、簡単に「いいね！」がもらえます。(しかも彼はエゴサするタイプ)

でも、私は「推しに認知されたくない」と考え、そのようなアピールはしないで、周りに馴染む程度のグッズでしか武装していません。みなさんも、そのような行動に心当たりありませんか？SNS上では、推しの本名を使わず、身内にのみ通じるニックネームのようなものを使って発信するファンなんかも見られます。

推しは、ファンを認知したいはず

でも、推しはファンを認知したいんじゃないでしょうか。実際に応援されているとわかると精神的にも嬉しいでしょうし、やりがいが生まれる。自分のグッズで武装したファンが多いと、自分のグッズの売れ行きも増加し、実収入増加にも繋がるかもしれない。チーム内での立場なんてのも強くなるかも。

でも、ファンとしては認知されたくない、なんて思っちゃうんですよね。どうです？あなたは「認知されたい派」ですか、「認知されたくない派」ですか。

認知されたくない理由

私が認知されたくないと考えているのは、主に3つの理由からです。

①「推し」に不快な思いをさせたくない

②周りの目が気になる

③自分に自信が無い

①「推し」に不快な思いをさせたくない

自分は良かれと思ってやっていても、それが「推し」にとっては不快な思いに繋がるかもしれない。実際に会話し、互いを知った状態でない「推し方」では、誤解を生じさせてしまったり、嫌な伝わり方をしてしまうかもしれません。

たとえば、彼がSNSで「このカフェのコーヒー美味しい！」と発信して

それに対してファンが後日「推しの〇〇くんが昨日行ったお店！オススメのコーヒー飲んだ！聖地巡礼！」なんて発信したとします。

それを彼は「こんなに応援されているんだ！頑張ろう！」と捉えるか、「ストーカーされているみたいで気持ち悪い、外を歩きづらい。有名なのも嫌だな」って不快に思うかなんて、発信するファンにはわかりません。彼の性格を本当に理解していれば避けれたトラブルもあるかもしれない。でも、彼の思考までは完璧に理解することができない。だから彼にバレないよう、SNSの鍵垢に投稿するといった形で「聖地巡り」します。

②周りの目が気になる

周りのファンの目が気になることもあります。わかりやすく「同担拒否」って言ってるファンがこわい、というのもあります。(アイドルでもなければ、あまり見かけないですが…)それより、「〇〇くんのファンってこんな人なんだ……(ドン引き)」といったような、負の印象を持たれることがこわいです。

少しのことでも、相手にとっては不快なことかもしれない。たとえば自分は気付かないで行列に横入りしてしまったり、その場の暗黙のルールを間違えたりといった、いわゆる「マナーの悪い」行動をしてしまった時に、「自分の過ちと共に、推しの評価も同時に下がる」ことがこわいのです。だから、はっきりと推し表明できない。

また、ファン一人一人、違った「推し方」をしています。憧れの人として見ているファンもいれば、恋愛対象のように見ているファンもいる。その推しの一つの面だけを推しているファンもいるかもしれない。(この推し方については以前のnoteにまとめてあります、よろしければどうぞ)

推し方の違いでバチバチしたくない、というのもあります。特に、夢女子界隈は扱い次第では戦争が起こるとか起こらないとか……。

③自分に自信が無い

これは女ファンに多い傾向かもしれませんが、「こんなおばさんが若いアイドルのファンだなんて、引かれるかな」「〇〇くん本人も、可愛い子に応援されたいだろうに、私が推してるって知ったらどう思うかな」といったような、自分に自信が無いからこそ生まれるネガティブ思考です。

でも認知がほしいような……

だから推しに認知されるのを避けるんですよね。

でも、そう言いながらも認知を求めちゃうのがファン心理。推しが近付いてきたら全力で手を振ってしまうし、ちらっとこっちを見たら、「目が合った！！」と騒いでしまう。複雑ですね。認知してほしいような、ほしくないような。難しい……。