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完全にあれは高山病だった【中国・康定⇒理塘】

2016/6/18投稿

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東チベットの旅2日目は、康定から理塘(りとう・リタン)へ向かいます。


ビザ期限の関係上サクサク動かなければならず、1日ずつ町を移動していくという移動続きの旅です。
この日のバスは朝が早かった。確か6時出発。

朝ごはんにと買った。5元(約190円) 

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小麦粉で練った生地を伸ばして具をほーんの少しだけ振りかけて、それをくるくるくるーと巻いて潰して油で揚げています。

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餅というよりかは、揚げパンに近い。餅という言葉に関しては、中国と日本では概念が全く違うよね。


バスは雲海を抜け、空の青と高原の緑が素晴らしい道路を通って、8、9時間ほどで理塘の町に到着。 町の標高は、4000mほど。

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バスターミナルを降りると、たくさんの乗り合いタクシーの客引きが待ち構えていましたが、まずは宿へ向かって小休憩。

私たちが泊まった理塘的夏天国際青年旅舎(ユースホステル)のスタッフには1人だけ日本語をしゃべれるお兄ちゃんがいました。彼は西安の大学で日本語を勉強したらしい。「もう10年も前のことだから忘れてしまった」なんて言ってたけど、だいぶ上手でした。

日本語をしゃべることができるチベット人に会うのは2人目でしたが、こちらは中国語もしゃべれなければ、英語もそこそこなので、なんだか申し訳なくなる。

その彼に"英語"で、「明日、甘孜に行きたいのだけど、どうやって行けばいい?」と質問したところ、乗り合いタクシーでしか行くことができないとのこと。事前にネットやら情報ノートやらで、この区間は公共バスがなく乗り合いタクシーでしかその方法がないと知っていたのだけど、一応聞いてみましたがやっぱりないのですね。

ということで、バスターミナルまで戻って客引きのおじちゃんたちに甘孜に行きたいことを伝えます。彼らは中国語もしくはチベット語しか話せないのだけど、とにかく「甘孜!甘孜!」と行きたい地名を連呼すれば、担当の人につないでもらえます。


無事に明日の乗り合いタクシーの予約もできたので、町歩き。 

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(町には、いわゆる田舎の風景というような場所とは別に、こんな都会的な通りもある)

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(理塘寺)

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(工事中の建物が多かった。)

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(町を囲む山々にうっとり)


…しかし、さすがは4000mの高地。少し坂や階段をのぼっただけでも、ぜーぜーと息が切れてしまいます。

…いや、ただ歩いているだけでも息が切れてきます。

…加えて、頭も痛くなってきます。

…だるい!つらい!

…あれ、私体調悪いんじゃないの…?


ここで、あの三文字が私の頭の中をよぎります。
高・山・病!!


私、今回の旅で高山病にはならないと思っていました。だって前回高地を旅したときは頭が痛いなーと思う程度の日が2日ぐらいあっただけだし、既に一度4000mのところにも行っていて、そのときは全く身体の異常を感じなかったのです。

だから今回も問題ないと思っていました。むしろ、東チベットの旅に出る前、高山病を気にするWさんに「もしWさんが高山病になって動けなくなっても、私は中国ビザの期限が迫っているから、申し訳ないけど先に行っちゃいますね」なんて失礼なことを言っていたくらい。が、そんな私の甘い考えはもろくも崩れ去ります。くそみそ恥ずかしい…。

あまりにも辛いのでWさんをおいて1人で宿へ戻りました。宿に戻って何するか。普通は、体調不良の時はとにかく寝る!にかぎりますが、高山病の場合は寝てはいけないのです。というのも、高山病は低酸素症が主な原因。寝てしまうと呼吸が浅くなってしまうため、寝てはならず、横になってもいけません。頭痛、だるさに加えてほんの少しの吐き気も感じているので本すら読むことができない。…つらい。とにかくベッドに腰かけて、息を大きく吸い込むようにしながら、ただただぼーっとすごします。 …と、気がついたら数時間ほど寝てしまっていました。


Wさんが部屋に戻ってきた物音で目が覚めます。が、引き続き身体はつらいまま。
とりあえずレセプションに行って身体の異常を訴えると、私が飲んでいる高山病の薬とは違う薬をもらいました。

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液体。ストローを指して飲む。 

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私が飲んでいたのは、紅景天のカプセルタイプ。

加えて、地元の人が頭が痛いときに飲むという、謎の植物を乾燥させたものをお湯に浮かべて飲ませてくれました。

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(頭痛いと思いながらも、これはネタになるからと写真撮るよね。こういうのメディア出身のよくないところ。)


万全の状態でゆっくり過ごします。…と気がつくとまたウトウトしてしまっていました。
2時間ほど休みましたが、体調は回復せず。「夜ご飯を食べる気にもならないので、もう寝る」と宿の人たちに伝えると、「ならもう一回薬を飲んでから寝た方がいいよ」と言われ再び、液体のものをいただきました。

ここのスタッフ優しすぎて涙出てくる!



翌日。目が覚めると気分はスッキリ。身体が高地に慣れてくれたようです。
しかし、薬を2本ももらっちゃったにも関わらず、朝の移動時間が早すぎてお礼を言えず…。本当にバックパッカーって勝手な人種だなと思いました。


最後に一応、誰かのためになればと思って、私が高山病になった原因を考察します。

高山病の原因は… 

気圧の低下に伴って、酸素分圧が低下することによる低酸素症が主な原因です。高地へ登るまでの速さ、 労作の程度、紫外線や寒冷、乾燥の程度などが高山病の発生を助長します。
引用:Yahoo!JAPANヘルスケア「高山病」
http://medical.yahoo.co.jp/katei/311355000/?disid=311355000


私の場合は…
①康定(約2500m)から理塘(約4000m)まで、数時間で一気に移動した。
②旅の疲れがたまっていた。
③この日は、バス移動だっため水分の補給を控えがちだった。
④理塘に着いてから、それなりにハードに街歩きをした。
⑤理塘の町は乾燥しており、そこそこ寒かった。
⑥もしかしたら…朝ごはんの餅しか食べていなかったのも原因かも?

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