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Paradoxical effects of suppressing anxious thoughts

シロクマ効果 「シロクマのことだけは絶対に考えないでください」といわれるとシロクマのことばかり考えてしまう、という心理

つまり、「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」という現象を説明する理論

でもなぜにシロクマ?と調べてみると

「心理学的に「シロクマ」は、何の象徴(シンボル)でもなく、イメージが固定されていない動物だから」だそうです。


これは恋愛とかに応用できるらしいのですが、わたしにとっては本当にシロクマのことばかり考えて日々暮らしているので、本当のシロクマ効果なわけです

「考えるな」と言われてないのにこんなに考えてしまうことには名前はあるのでしょうか


まず、いわゆる「シロクマ」はホッキョクグマのことではなく、アルビノのツキノワグマのことなんです

1902年に上野動物園でホッキョクグマだと思って新潟で捕獲されたアルビノのツキノワグマを飼育したことから、以後区別するために和名をシロクマでなく「ホッキョクグマ」にしたので

わたしたちが思うのは正確には「ホッキョクグマ」です

なので「シロクマのことを考えないでください」と言われてもわたしたちはシロクマのことではなくホッキョクグマのことを考えてしまうわけです

ウェグナー博士はPolar Bearと言ったでしょうが、どうして日本語訳が「シロクマ」なのか気になります。語呂がいいからかな。


シロクマ効果のことをいいたいのではなく、本当に寝ても醒めてもホッキョクグマのことばかり考えてしまうのです

サンディエゴ動物園のホッキョクグマのライブカメラは晩酌の時に見て寝る前に見て、途中起きたら絶対見て(なぜならいちばんの活動時間だから)、朝起きたら見ます。

サンディエゴがアメリカのどこにあるかは知らないけど、時間はいつでも確認できるようにしてある。

サンディエゴ動物園は本当すごいです。3頭いるんだけどちゃんとどれかをズームアップしてくれる。たぶん手動だと思われるが、わたしはこの仕事がしたい。

ホッキョクグマだけじゃなくてコアラとか象、キリン、トラ、ペンギン、ふくろう、コンドルなどまで見れるので動物好きには堪らないと思います。

あとは日本のホッキョクグマのプロフィールを作ったり、動物園まわったり、グッズを集めたりしている。


わたしが集めているのはホッキョクグマグッズであって、決してテディベアなどではない。私は野生味のあるリアルタイプが好きなのです。

一度夫が私の嫌いなタイプのを買ってきた時、いらないから割ろうとしたことがあるくらい。

昔はあまり売ってなかったから苦労したけど、今は本当に多いので大変です。かといって次に回すとなかなかみつからなくなったりして、愛媛から1メートルほどのぬいぐるみを抱えて飛行機に乗る羽目(もちろん機内持ち込み)になったりするわけで。

リビングはホッキョクグマで割と埋め尽くされていて、ホッキョクグマインスタスポットもつくりました(需要ないけど)

ホッキョクグマ以外のものを置いてはならないリビングはわたしにとってはしあわせなものであふれている空間です

それらを眺めながら飲むウイスキーはとても美味しい。

日本ではもう7年もホッキョクグマの赤ちゃんが生育していないので、交尾した情報だけでもお酒が飲めます。

発情期間も短いし相性がかなりあるので、どれだけお膳立てしても交尾すらしないなんてことはザラなのです。その情報だけで尊すぎてお酒が進むわけです。


日本平動物園のロッシーはレタスが好きで食べる時上を向く、なんてきくとじたばたしてさらにお酒が飲めるし、

男鹿水族館の豪太はおもちゃを足で挟んで寝るとか、

ゴーゴはバフィンに突き飛ばされて左前脚を捻挫したとか(バフィンはすごい華奢)、

ゴーゴとバフィンの娘のモモは公開初日に段から落ちて登れなくなったとか(上からワラを投げて段を低くした)、

そういう情報が堪らないわけです。

他の動物に比べたらそういう情報は多い方なんだろうけど、動物園によっては名前すら付けないところもあったりするので、調べるのはなかなか大変です。


ホッキョクグマのためだけに飛行機に乗ったのはもう数えきれない。

そして動物園というのは駅から遠いことが殆どなので、タクシーで行くことになります。前回愛媛に行った時往復おなじ運転手さんに頼んだら、「今日はもうじゅうぶん稼いだからこれで帰る」と言われた。

着いたら一目散にホッキョクグマ舎へ行きます。

ほかの動物はまったく見ないでずっとホッキョクグマをみる

目の前に飛び込んできた際、興奮して動画撮ったら自分の荒い息遣いが全編入っていて、無意識にあんなにはあはあ言ってることに引いた。

彼らからしてもこんなに見つめられたら嫌だろうなあ。ライブカメラで常に見られてるんだよ、きみ。誕生日とか出身地とか血統とか性格をスプレッドシートにいちいち書き込まれてどんなデバイスでもすぐ確認できるようにされてるんだよ。


飲みの席とかで初対面の人と話す場合、趣味的ななんかある?みたいな話になった時、どのくらいホッキョクグマへの熱量を込めるべきなのかはむずかしい。

わたし、ホッキョクグマ、すきで。

と、さもそこまですきじゃないけども、というトーンではじめても、どこかにかれらへの執着がにじみでてしまっておさえられないので話を変えるしかない。

本当はホッキョクグマのはなししたくて堪らないわけです。でも前述のように興奮してしまうはずなので、恥ずかしくてできないからここに書き殴っています。


夫もなぜかホッキョクグマが好きな体になってしまったので、唯一そういう話ができて良い。ランダムに写真を見せ、名前を当てるゲームとかもできる。ホッキョクグマニュースはわたしより早いことも多い。

去年はわたしより夫の方が動物園をまわっているくらいだ。

出張のついでに動物園にスーツのまま行ったりしているので、もしホッキョクグマを見ているスーツの人がいたら夫かもしれない。

わたしたち夫婦はホッキョクグマがとにかく、すきで。

とひとこと言ってもここまでの執着があるのは想像もつかないだろう。

動物園開園前にならんで一目散にホッキョクグマ舎へ行く中年の男女ふたり。地図は頭に入っている。

一目散組というのは結構いるのだ。

パンダ以外でも。

一目散組は他の動物に立ち寄らずほぼ前しか見ていないのですぐわかる。まずお目当ての動物の所へ行ってそのあといくらかの時間を過ごし、帰るものもいれば違う動物もチェックするものもいるし、並行してそれぞれのお目当てどうぶつの動く時間を把握しつつ行ったり来たりするものもいる。

少し目を離しているあいだに(わたしの場合はお酒を買いに行っているあいだなど)動物はかんたんに興味深いことをしでかしたりするので、こちらの行動の見極めがものすごく難しいのです。

とくにホッキョクグマというどうぶつは、陸も歩けば泳ぎもするわけで、しかも比較的広い場所で飼育されているので一目で見渡せる場所が少なく、位置取りが難しい。

とはいえ、わたしは性格上、ひとところでずっと見つめるタイプなので(空いている場合)、もっぱら夫に指令を出してベストポジションを探してもらう


人間よりホッキョクグマのほうが好きというのはどういうことなんだ

人間には決して向けられない愛と執着を、人間には決して触れることができないホッキョクグマという陸上最強動物に向けて、わたしは生きています

もっとかれらへの愛を表現したいけれど、ぜんぜん追いつかない。

この文章を書くにも2週間かかったけどぜんぜんうまく書けませんでした


ホッキョクグマはワモンアザラシ一頭で約1週間生きられる。

とにかく、脂肪をかれらは摂取しなければならない。わたしがワモンアザラシくらいのカロリーになるにはどの程度脂肪を蓄えたら良いのかわからないが、さいごはかれらのカロリーになってもいい、とさえおもっている。

生まれ変わりは信じてないけど、もし違うものになれたら、わたしはホッキョクギツネになって、ホッキョクグマのそばで暮らしたい。





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