見出し画像

FF16が既に成功している理由、アクションになった理由

FF16がなぜアクションになったのか、そして、FF16は成功するのかについての考察(妄想)です。

FF16はFF14のエンジンを使っているらしい

FF14は2010年にサービス開始し、2013年にリニューアルしたオンラインゲームです。
この経緯は割愛します。

対象PCでいうと、windows8から、10、11と3世代に渡って提供していることになります。
これだけの期間、複数プラットフォームにわたり維持するのは至難の業です。
アップデートはかなり大変だったでしょう。

そして、FF14は専用のシステム基盤(ここではエンジンと呼んでいます)で制作されているそうです。
(既存のライブラリなど、色々使っているとは思いますが)

一方で、FF16のエンジンはFF14と同じだという話があります。
確かに、UnrealEngineを使っているなら、リリースがありそうです。
https://www.unrealengine.com/ja/developer-interviews/how-square-enix-leveraged-unreal-engine-to-modernize-final-fantasy-vii-remake

そこで、FF16はFF14と同じエンジンで制作されていると仮定すると、FF16が成功している理由が分かるという話です。

FF16が成功している理由

先に結論として、FF16はFF14のエンジンの改修コストを吸収するためのプロジェクトで、また、その一環としてアクションになったのだと思います。

FF14はリニューアル前を加味すると、サービス自体は2010年に開始しています。
開発時期やスクエニの他サービスを考えるとFF14はオンプレミスでしょう。
(参考で2011年にAWSの東京リージョンが誕生します。)
そのため、2015年頃には5年以上たっており、インフラが古くなっていたはずです。

つまりこの2015年頃から、FF14は大きく手を入れる必要が出てきました。
アプリ側もそうですが、インフラ側の手入れは大変です。既存のデータを維持しつつ、リニューアルしないといけないので、平行稼働させたり、手間のかかる難しい対応が多かったと思います。
一方で、FF14は稼ぎ頭になっていて、特に対株主的に収益率を下げたくなかったはずです。

そこで、FF16です。
FF14のエンジンをFF16で使うことで、FF16側の開発コストでFF14のエンジンを改修できるようにしたのです。
言い換えると、FF16側の開発の名目でエンジンを改修し、FF14にフィードバックしていくという建て付けにしたということです。
実際は、FF14に必要なことを優先して手入れをしていたと思いますが、名目上はFF16の開発費、ということになっていたのではないでしょうか。


ちょうど、FF16のプロジェクト開始は2015年ごろだそうです。
https://www.famitsu.com/news/202206/22265843.html

問題は、FF16側で大きな費用を計上する必要があるということです。
本来なら、共有のエンジンを使うことでコストが下げられますが、今回は見かけ上、FF16側にFF14で使う莫大なコストをつけないといけない。

そこで出てきたのが、FF16のアクション化です。
FF14とは真逆のアクション性という新しい機能をエンジンに組み込むというテイで、エンジンの開発費を捻出した訳です。
(もしかするとそんな建て付けは必要無いかも知れませんが、名目があれば人足投入もやりやすいでしょう)

ただここで問題となるのが、アクション化で”本当にコストをかけてはいけない”という点です。
ここで、すこし行き詰まった可能性があります。

そこでどうしたかというと、アクションの専門家を呼んだ訳です。
https://jp.ign.com/final-fantasy-xvi/60066/news/ff16-5

アクションの仕組みをよく知っている方に「既存のエンジンで、できるだけ小規模の手入れでアクション機能を入れ込む」相談をしたわけです。
それに対して、良い返事をもらえたのでしょう。


一方ここで切り捨てられたのが、オープンワールド化です。
スクエニさんは別プロジェクトでオープンワールドの難しさ(デバッグなど、人足が膨大になる等)を実感していたでしょうから、これを組み込むことは”コスト的に”ありえなかったわけです。真っ先に、切り捨てられたのがこれじゃないかなと思います。

リニアなゲームになったのも、これが理由だと考えています。

FF14のコストを吸収しつつ、見た目的に別の機能を盛り込むという一大プロジェクトが、FF16だったというわけです。
FF16のリリース日は一度変更しましたが、もしかするとこれは、FF14の収益と決算からくる調整だったのかもしれません。

結果として、リリースできている時点でFF16に課せられた役目は果たせているということになりますので、大成功となるわけです。

最後に

最後に、プロデューサーの吉田直樹さんの肩書を見てみたいと思います。
2015年に執行役員になり、2018年には取締役になっています。
つまり、このFF16の開発が始まった頃から、会社の経営に対して責任を持つ立場になりました。

株式会社は、株主に対しての責任が何より重視されます。
これは売れる製品の製造だけでなく、コスト管理もそれまでとは比較にならないレベルで求められることを意味します。
そんな難しい舵取りを任されている中で、FF16にFF14の開発コストの吸収という大きな役目をもたせたのです。

その点で考えると、FF16が無事にリリースできたという点で、このミッションは果たしたということになります。
決算を見ても、FF14の会社に対する寄与度は依然として大きいままです。
FF16は、会社のためのFF14のために生まれたのです。

そして、FF16が世に出るということは、FF14か、それに類いするオンラインゲームが次のステップに上がる、というタイミングにもなりそうです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?