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未利用魚活用プラットフォームが始動! ラボメンバーのT会員の皆さまとキックオフセッションを開催しました!

こんにちは。「Tカードみんなのエシカルフードラボ」事務局の湯浅です。

「Tカードみんなのエシカルフードラボ」では、未来につながる食の循環をみんなでつくることをミッションに、食べられるのに使われていない(=未利用)資源を使って商品を開発する「未利用魚活用プラットフォーム」を立ち上げています。

第1弾として「持続可能な漁業」をテーマに、愛媛県八幡浜市と千葉県船橋市の2つの地域の皆さまと一緒に「未利用魚」を活用した商品を作り、多くの方に知ってもらう取り組みが始まります。

このプラットフォームは商品を開発することだけを目的としているわけではなく、「持続可能な漁業」に焦点を当て、地域(自治体、商工会、漁協組合等)、生産者、加工会社、商品を販売する流通、そしてエシカルな視点を持つ生活者の皆さまと、それぞれの課題や想いをもとに対話を重ねながら進めてまいります。

今回は、今後一緒に活動いただくTカードのデータベースから導き出された「エシカルな食をライフスタイルに取り入れている」7名のT会員の皆さまとのキックオフセッションを10月30日にオンラインで行いましたので、その様子をお届けいたします。

当日は全員が初めての顔合わせとなるので、お互いを知るための自己紹介からスタートし、「Tカードみんなのエシカルフードラボ」の活動や今回のプラットフォームに関する概要をお話しさせていただきました。

1. ラボメンバーの自己紹介と参加動機

まずは自己紹介から。色々な背景から食への関心を持たれたり、海や生態系の危機を身を持って感じられたことだったり、参加動機も多様なお考えを持った皆さまが、ラボメンバー、かつ「「エシカルな食をライフスタイルに取り入れている生活者」として本プラットフォームに参加してくださいました!

Kさん:食物アレルギーのある人もない人もみんなで食事ができるような場を提供しています。それとエシカルなことを関係づけて取り組みできたらなと思っています。 

Sさん:生態系や自然環境、動物保護に関心があり、生態系の循環に向けて活動できればと思い参加しました。 

Hさん:ダイビングが趣味なのですが、毎年珊瑚の減少や魚が減ってきている海を目の当たりにしているなか、未利用魚にも昔から興味もあり、このラボをきっかけに社会参加ができればと思い応募しました。 

Sさん:食への関心が高いことと、若者の就職採用カウンセリングをしているなかで、フードロスや生産者、環境やサステナビリティの話が10年ほど出ていることについて、問題意識は高いのに社会が変わってない実情を踏まえ、変化を起こせる取り組みができるといいなと思い応募しました。 

Nさん:子供が産まれて離乳食を作るようになってから、食材がどこから来ているかなど食材の一つ一つに気を遣うようになり、また日本の風土や気候の変化の中で子どもの将来に向けて何かできることがあればと思い、参加しました。 

Hさん:海に囲まれた沖縄にいるのですが、この取り組みを知って楽しそうだなと思い社会のお役に立てればいいなと思い参加しました。 

Fさん:食べることが大好きで、食事を楽しみながら生活しています。10年以上前にフェアトレードや食の廃棄問題に興味を持って活動していました。子どももいるので、食の安全性や食育にも関心もあり、1日3食の食事が自分の体を作っていることを感じ、食で社会貢献ができればと思い参加しました。

2. なぜ未利用魚?

今後、世界人口の増加に伴いタンパク質クライシスの課題が顕在化しているなか、日本で漁獲され、食べられるのに廃棄されてしまう「未利用魚」が全国的な問題になっています。マイナーな魚種であること、数やサイズが揃わないことなどが理由で価値がつかない魚が捨てられているのです。

一方で、日本の漁獲量は1980年代の1/3と年々減少しており、漁業従事者が減っていることや、温暖化等による気候の変化、人気魚種の乱獲により資源量が減っていることなどが要因とされていますが、魚介の自給率は畜肉や大豆等に比べればまだ高く、このプラットフォームを通じて未利用魚の活用を広げることで、特定魚種に集中していた価値を分散させ、水産資源の枯渇を防ぎ、持続可能な漁業・食へ貢献できればと考えています。

3. 愛媛県八幡浜市と千葉県船橋市の2地域でプロジェクトがスタート

今回のプロジェクトでは、「Tカードみんなのエシカルフードラボ」の活動に共感をいただいた愛媛県八幡浜市の「八幡浜チーム」と、千葉県船橋市の「船橋チーム」の2地域の皆さまと未利用魚を活用した商品開発を進めてまいります。

「八幡浜チーム」では、水産加工会社を営んでいる株式会社オーシャンドリームの松浦さんがチームリーダーとなり、磯焼けの一因と言われ、漁業者から問題視されている未利用魚「アイゴ」を使って商品を開発していきます。

「アイゴ」は、太く鋭い棘があり、毒腺を持っているので、加工処理が難しいのですが、丁寧に処理ができればお刺身でも美味しく食すことができるそうです。

「船橋チーム」では、持続可能な漁業に取り組まれている海光物産株式会社の大野さんがチームリーダーとなり、小骨が多く加工に手間がかかり、また値がつかない「コノシロ」を使って商品を開発していきます。

「コノシロ」は幼魚のうちは、シンコ・コハダとして高値で取引されるのですが、成魚になると小骨や独特のドット柄によって価値が下がり、船橋で採れるコノシロは食用ではなく、飼料として使われています。骨の処理ができれば、白身魚としてタンパクで美味しく、イワシの代用ができるほどポテンシャルの高い魚です。
 
ラボメンバーの方からは「アイゴの話をテレビで見たことがあり、臭みがあるので、その臭みが出ないようなエサを食べさせると、白身のお刺身にして美味しい魚だと知った。」というお話や、カタクチイワシにくっついている「チリメンモンスター」と呼ばれるアイゴの幼魚とか、小さいイカとか、小さいカニたちを子どもと観察して、海を学ぶ体験をされたことがある方もいらっしゃいました!

また「処理に手間がかかり嫌われてしまっている未利用魚だけど、まずは●●ちゃんなど愛称をつけながら会話すると、愛着が湧くのではないか?」という新しいアイデアや「未利用魚も他と同じ魚の命なので、選別することなく美味しくいただきたい」などのコメントもいただきました。
 
「アイゴ」と「コノシロ」、どちらも処理の難しさや独特の特徴を持つ魚ということが分かりましたが、今後どのような商品として世の中に出ていくのか、とても楽しみになってきました。

4. ラボメンバーの感想

最後に「Tカードみんなのエシカルフードラボ」の活動内容や「未利用魚活用プラットフォーム」の概要を踏まえて、お一人ずつコメントをいただきましたのでご紹介します。

Fさん:子どもたちの未来のためにも持続可能な食に興味があったので、今回メンバーになれて嬉しく思います。皆さまも耳を傾けてくださってありがとうございました。

Sさん:もっと多くの人数かと思いましたので責任がありますが(笑)ぜひ楽しくお互いを知り合いながら進めていきたいと思います。

Sさん:少人数だからこそ密集して意見を合わせて建設的な話ができると感じました。いろいろ情報収集したいと思いますので、次回もよろしくお願いいたします。

Hさん:電波が途切れ途切れでしたが宜しくお願いいたします。

Kさん:皆さまの日々取り入れているエシカルな行動を知れて楽しかったです。魚の商品開発楽しんでいきたいと思います。

Hさん:普段会社以外の方とお話しする機会なく、楽しかったです。これからも宜しくお願いします。

Nさん:少し緊張しましたが、聞いていただきありがとうございました。未利用魚の活用という大きなテーマをいただいたので今後の生活でアンテナを張って意識しながら次回のセッションに臨みたいと考えております。

今回は初回ということで、「Tカードみんなのエシカルフードラボ」の活動内容や「未利用魚活用プラットフォーム」の概要を中心にお話をさせていただきました。2時間という限りあるお時間でしたが、想いを持ってご参加いただいた7名の皆さまとエシカルフード消費や海の持続可能性についてお話ができとても嬉しく思います。多様な観点を持たれた皆さまだからこそ1つのチームとして活動していけると感じ、この後の取り組みに向けてワクワクしています。

次回は、「八幡浜チーム」と「船橋チーム」それぞれの地域の生産者の方、加工会社の方、流通の方も交えて、オンラインフィールドワークを行い地域の魅力と課題を知っていただき、今後作る商品の価値ストーリーを考えていくセッションの様子をお伝えさせていただきます。

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