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アクセシビリティ知見まとめ

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アクセシビリティの知見をまとめていくマガジンです。noteではプロダクトデザイナーを募集しています→https://open.talentio.com/r/1/c/note/pa…
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記事一覧

【Biome】Web Accessibilityへの取り組み方として、OSSコントリビュートという選択

こんにちは、Webエンジニアをしている江端です。普段はTypeScriptを書いています。 先日、アクセシビリティカンファレンス名古屋というイベントにオフラインで参加しました。 アクセシビリティのオフラインイベントには初めて参加したのですが、とても刺激を受け、そこで自分なりのアクセシビリティへの取り組み方が言語化されました。 その言語化されたものを、このnoteに書いていきます。 結論: Biomeにa11yのLint Ruleをコミットする結論から書くと、Biomeとい

アクセシビリティに興味関心があるはずの人たちなのに、なぜ障害当事者に話を聞きに行く人が少ないのかという話に対する私の意見

Xを徘徊していたら下記の投稿があった。 おそらくだけど自分が声をかけた1人目で、アクセシビリティカンファレンス名古屋の本編が始まる前に席を探していたときに、前のほうの席が空いていて、その隣にいたのがたまたま電動車いすを使っている人で、本編始まるまでちょっと時間があったので、隣に座ったきっかけで声をかけておくかと思って「隣になったということでよろしくお願いします~」と挨拶したあとに、自分が「名古屋近辺から来たんですか?」と話かけた後、名刺交換をした。 名刺交換自体は、上記の

ユニバーサルデザインの強化書193 アクセシビリティとユニバーサルデザインの進化――デジタル技術がもたらす包摂的未来

アクセシビリティとユニバーサルデザインの進化――デジタル技術がもたらす包摂的未来 はじめに:アクセシビリティとユニバーサルデザインの基礎 ユニバーサルデザイン(UD)とアクセシビリティは、物理的・デジタル的な環境をすべての人が平等に利用できるように設計するという理念を核にしています。 どちらも、年齢や身体的な制約に関わらず、誰もが社会に参加できるようにすることを目指しています。 特に、ユニバーサルデザインは「すべての人にとって使いやすい」を目指す包括的な考え方であり、

【登壇記録】はじめてのアクセシビリティ〜みんなでやれば怖くない〜(Tent事業部ディレクターmistyさん/GAAD Japan 2024)

mistyさんの紹介アクセシビリティとは?近年、「アクセシビリティ」と言う言葉を耳にする機会が増えました。 アクセシビリティとは、どのような心身の条件や環境でも利用しやすい度合いを指すそうです。 デジタル分野におけるアクセシビリティはウェブアクセシビリティといって、利用者の障害などの有無や利用する環境に関わらず、どのような状況で使えるのかという幅広さを指しています。 具体的に取り組む項目は、配色、文字サイズなど様々で、JIS規格によって指針が定められていますが、企業に

サニーバンクさんのウェブアクセシビリティ診断で診断されてみた

こんにちは、SmartHRでアクセシビリティスペシャリストをやっているmasuP9です。今回は、サニーバンクさんが提供されているウェブアクセシビリティ診断でSmartHRのプロダクトを診断してもらったので、レポートします。 サニーバンクさんは、障害者専門のクラウドソーシングサービスです。障害者ができる仕事や、障害者だからこそできる仕事を法人・個人問わずに発注し、その仕事を遂行できる人(障害者)が仕事として行うシステムです。 その障害者だからこそできる仕事として、ウェブアク

Flutterアクセシビリティ実装ハンズオン(後編)

はじめにこんにちは、株式会社SHIFT DAAEテクノロジーグループでFlutterアプリ開発をしている大矢です。 前編に引き続き、今回は前編で確認したサンプルアプリのアクセシビリティ実装の不備を修正していきます。 前編をお読みで無い方は、先にお読みください。 要約 RichTextではなくText.richを使うと、拡大縮小に自動的に対応できる。 色指定はできる限りThemeを使って実装する。独自の色指定もThemeDataにセットして使う。 色指定の管理がしやす

Flutterアクセシビリティ実装ハンズオン(前編)

はじめにこんにちは、株式会社SHIFT DAAEテクノロジーグループでFlutterアプリ開発をしている大矢です。 Flutterアプリにおけるアクセシビリティ実装を調べてみましたので、今回はアクセシビリティ対応が不十分なサンプルアプリをステップバイステップで修正するハンズオン形式で記事にしてみました。 前後編で構成し、前編ではサンプルアプリの問題点の確認まで、後編でアプリの修正を行います。 環境のある方はぜひFlutterプロジェクトを新規作成して手を動かしてみてください

「世界各地でアクセシビリティを考える一日」にデジタル庁が参加

デジタル庁では、「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」をミッションに掲げ、誰もがデジタルの恩恵を受けられる社会となるような取り組みを進めています。その取り組みにおいて重要なキーワードの一つが「アクセシビリティ」です。 今回は、5月に開催されたアクセシビリティに関するイベント「GAAD Japan 2024」への参加レポートとともに、デジタル庁のアクセシビリティ向上の取り組みについてご紹介します。 GAAD と GAAD Japan 2024毎年5月の第3木曜日

SmartHR アクセシビリティ月報 2024年6月号!と、やさしい日本語リリースまでの話。

こんにちは!SmartHRのアクセシビリティスペシャリストをやっているmaihaです。この記事はSmartHRアクセシビリティ本部のオープン月報です。 2024年6月のアクセシビリティトピックをお知らせします! おまけに、6月にリリースしたやさしい日本語の取り組みの振り返りも書きました。よろしくお願いします。 6月のアクセシビリティ改善のリリースアクセシビリティ向上に関するプロダクトの改善リリースは3件ありました! 申請の各画面で、ページタイトルから画面の内容を判別でき

理解と品質向上のために、デザイナーとエンジニアが今から取り組むべきウェブアクセシビリティ社内浸透施策

法改正や、コロナ禍を契機にデジタル化が進んだことにより、ソフトウェアやサービスなどはよりウェブアクセシビリティに配慮した品質基準が求められるようになりました。 その反面、Sun*社内ではプロジェクトの中でウェブアクセシビリティに触れる機会はまだ少ないのが現状です。社員それぞれの興味関心や理解度も異なるため、まずはウェブアクセシビリティの基本的な知識を知ってもらい、ライトな浸透を図ることが大切だと考えていました。 そこで、私たちはエンジニアやデザイナーを対象に「ウェブアクセ

『誰のためのアクセシビリティ?』 目次

いよいよ発売!『誰のためのアクセシビリティ? 障害のある人の経験と文化から考える』(田中みゆき著)の目次を公開しています。各記事にご登場いただいた方々も併せてご紹介します。 目次 はじめに 1.アクセシビリティの謎  ・駅までの道 ・一本の脚と、バラバラに上げられた腕 ・アクセシビリティって何だろう ・障害のある人が主体となるアクセシビリティへ 2.音声描写との格闘の記録 ・つくることと見ることをつなぐ音声描写 ・『音で観るダンスのワークインプログレス』 ・音で観るダ

デザイナーが気をつけるべきウェブアクセシビリティ8項目

はい、偉そうなタイトルをつけてみました。かつ500番煎じくらいの記事ですが、自分の思考・経験の整理に記事を書いてみようと思います。 会社員時代、サイトリニューアルにおいてウェブアクセシビリティに準拠(WCAG 2.0 等級A)してほしいという依頼があり、当時あまり理解していなかった(カラーコントラストがあるよねくらいです)中で勉強しつつ、エンジニアと話しつつでなんとか案件をこなしていました。 案件をこなしていく中で感じた、デザイナーが設計時気をつけておくべきことを今までの経

アクセシビリティに向き合いながら考える私たちの「特権」の話

こんにちは!ご無沙汰しております。 バタバタしているうちにあっという間に夏になり下半期に突入してしまいました。 久々なので書きたいことは色々とあるのですが、言語化して整理したいと思う話題から書いていこうと思います。 アクセシビリティについて考えるようになり、目に触れる機会が増えた「特権」「差別」についての話です。 熟語を見ると小難しい話に見えるかもしれないですが、 あらゆる人にとって身近な話題だと思うので、気になった方は読んでみてください。 私たちが持つ「特権」とは

SmartHRのアクセシビリティと俺の現在地

おはようございます。SmartHRでアクセシビリティ向上の仕事をしている辻勝利です。 最近うれしかったことは、開発中のSmartHRの機能がスクリーンリーダーで利用できるか、問題がどこにあってどんな風に改善していけば良いかを開発中のメンバーといっしょに検証した時のこと。 細かい改善のアドバイスをしたものの、アクセシビリティの観点で問題として上がりそうな基本的な項目がほぼなかったことでした。 このことからも、弊社のアクセシビリティ向上の取り組みが確実に進んでいることを実感して、