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選択の心理学 前編

第1講 選択は本能である


様々な選択が降り積もって今がある。
どうすれば選択を最大限活用できるか?


脳の司令センター 前頭前皮質
→最良の行動方針/衝動を抑える

「合理的な選択」を取れるようにするもの



ルーレットが1つのテーブルよりも3つあるテーブルを好むように

人間は[選択したい]という欲求を生まれ持っている。

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◯動物園の動物はなぜ寿命が短いのか。
動物にとって自分が安全だということは分からない
→身体的、心理的な悪影響

自己決定権を失うことが不快でストレスを引き起こす


◯社長は長生きする。

職業階層の高さと仕事に対する自己決定権の度合いが直接的に相関関係にある

職業階層の低いもの=自己決定権がないものほど不健康


「自分で環境をコントロールしている」

という意識を持つこと。


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第2講 集団のためか個人のためか。


私たちは自己決定権を必要としている。


◯取り決め婚と恋愛婚 どちらが幸せか

取り決め婚→期間が経つにつれ感情が高まる
結婚の成功は義務の達成度

恋愛婚→期間が経つにつれ徐々に低下
2人の感情的な結びつきの強さと接続期間


アメリカ人は日本人よりも自分が決めたいと思う項目が4倍
また、自分が決めていると思っている項目も1.5倍

☞地域間での選択について 意識の差


フロムの2つの自由の定義
「からの自由」
→目標の追求を妨害する外部の力
資本主義体制での強調
機会の平等

「する自由」
→自分の能力を十全に発揮する力
共産・社会主義体制での強調
結果の平等

☞2つが達成されてこその自由

人がどの程度自己決定権を持っていると感じるのかは環境に依存する。


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第3講 「強制」された選択


①人は自分が思うほど他人と違わない
②人が持っている自己像や理想像は、大体同じ
③だれもが自分は個性的だと思い込んでいる

予言者が使うトリック。
これを意識して占いをすると大抵当たる。


◯パソコンの画面上に現れる点の個数を推測する実験

回答結果が多数派と同じだと言われた人たち
☞自尊心を傷つけられた

あまりにも特異なため、分類不可能だと言われた人たち
☞自尊心が急低下

私たちは日頃から「個性的」でいたい
ただし、一番心地よく感じるのは
「ちょうど良い」位置に属しているとき

私たちは大勢で行動するときでさえ、従っているのではなく自らの意思で行動していると思いたがる。

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「すっぱいぶどう」
キツネはどうにかしてブドウを取ろうと頑張るが、どうしても届かない。
そこでキツネは諦めてこんな負け惜しみを言って立ち去る。
「あのブドウはどうせ酸っぱいに決まってる」

認知的不協和
私たちは信念と行動の矛盾に気づくとき、時間を遡って行動の方を変えることは出来ない。
そのため信念の方を行動と一致するように入れ替える。

「あのブドウはどうせ食べても酸っぱかったに決まってる。取らなくてよいものだった。」

一貫性のないの行動は取りたくない


大切なのは昔からずっと同じ自分ではなくても
自分であることには変わりない
という認識を持つこと

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◯他人の選んだものは選びたくない

ビールの無料試飲の調査

Aテーブル=ウェイターが一人一人に注文を聞く

Bテーブル=カードを配り他の人には見えないように飲みたいビールに印をつけてもらう

Ⓐビールの重複が少なく満足度が低かった😢
唯一、最初に注文した客のみ満足度が高かった

Ⓑ同じビールを頼むことが多かった
全体的に満足度が高かった😆


主体性を誇示したいという欲求!

私たちは自分の行う選択が他人にどう解釈されるかを計算している。


✔︎体裁だけのために不本意な選択をしない
✔︎選択の積み重ねで自分を創造する


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第4講 選択を左右するもの

◯私たちはどのように誘惑に戦い、屈するのか
 一方の選択肢が良いことは分かっているのに、なぜもう一方に惹かれてしまうのか

人は別々の脳回路で考えて、答えや判断に到達する


自動システム
無意識のうちに作用する。
魅力や虫の知らせなどもこれに含まれる。

熟慮システム
論理や理性
自動システムより遅いため、それなりの意欲と努力が必要


この2つが一致するときには葛藤は起こらない

ただ、熟慮システムによる「正しい答え」だからといってそれを選択する気にはならない


1、今から1ヶ月後に10,000円もらうのと、2ヶ月後に12,000円もらうのとではどちらを選びますか?

2、今10,000円もらうのと、1ヶ月後に12,000円もらうのとではどちらを選びますか?

論理的に考えれば1も2も同じ問いである。
ただ、1では12,000円を選ぶ人が多かった
一方、2では10,000円を選ぶ人が多かった

1では熟慮システムが働く一方で
2では自動システムが働いてしまっている…!


一度だけならいいもののしょっちゅう10,000円を選んでしまっている人は損失が積み重なっていることに気づくべきだ。

では一体どうすれば自分を抑えられるのか?

誘惑の対象から意識的に気をそらす方法を用いる

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◯経験則について考える

経験則(ヒューリスティック)=頼れる法則

・くだけた服装よりかはかっちりしすぎた方が良い
・夜遅くにおやつは食べない
・寂しいからといって昔の恋人に電話をしない

⚠︎ヒューリスティックがいつ役に立つか、外れるかは見分けにくい。

ヒューリスティックの誤用→
** 「意思決定バイアス」**

どのようにヒューリスティックは働くのか
4つのヒューリスティックを例にとって見ていく。


経験則1 想起しやすさ
人は記憶の中の取り出しやすい情報に注目して重視する傾向にある。
→「想起しやすさ(利用可能性)のヒューリスティック」

・友人が新しいレストランで最悪の食事をした
と聞き、インターネットの推薦コメントを無視してしまう。
友人の意見は大多数の意見に反するが、自分が思い出すのは直々に話してくれた内容

・現金よりクレジットカードの方が金離れが良い
→人は現金よりクレジットカードを使う時の方がずっと大きな金額を使うことが明らかになっている

・選択肢は最初と最後に注目される
→両端に陳列された商品の方が真ん中の商品よりよく売れる


経験則2 フレーミング
情報をどう提示されるかによって、選択に対する見方や判断が大きく変わる

◯エイモス・トベルスキーの研究

ガン治療での手術と放射線治療の統計データを示し、どちらの治療法が望ましいと思うか尋ねた。

「生のフレーム」(生存率)

[手術]手術中 90% 5年後 34%

[放射線治療]手術中 100% 5年後 22%

「死のフレーム」(死亡率)

[手術] 手術中 10% 5年後 66%

[放射線治療] 手術中 0% 5年後 78%

✔︎「生のフレーム」で放射線治療を選んだ協力者は、わずか25%

「死のフレーム」で提示されると42%に増えた

手術中の生存率が強調されたため


経験則3 関連付け
さまざまな情報間の関係を明らかにしようとする。

=バブル
信頼性のない価値の上昇


経験則4 確認バイアス
選んだ選択肢を正当化する情報を探す。
賛成意見のみを考慮
反対意見を退ける

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