硫酸を顔に。なんて残酷な。普通の人が狂人になる可能性。

残酷な事件。

一昨日、東京・白金高輪の地下鉄駅で20代男性が、何者かに顔面に硫酸をかけられた事件があった。防犯カメラは犯人の顔をしっかり撮影しており、マスクと帽子越しで顔はよくわからないが、しっかりとした体つきなので、ある意味特徴的といえる。警察なら特定は容易と思われる。

しかし、実に恐ろしい事件である。

報道によると、犯人は被害者男性を特定的に狙っており、先日世田谷区の小田急線で起きた、刃物男による乗客殺傷事件のような「無作為」ではなかったようだ。そうなると、以前からの怨恨だったのか、それとも電車内トラブルなどだったのか。詳細は現時点では不明だが、本当に怖い。硫酸をかけられた男性は、「目が開けられない」とも話していたという。失明や重度の視覚障害が残らないかも含め、本当に気がかりだ。犯人が逮捕されたら厳罰にしてほしい。

いつの時代にもいる「狂人」。

それにしても、こういった事件の背景は何なのだろう。

もちろん、こういう事件を起こす狂人は昔からいたはずだ。当時生まれていない私だが、伝え聞いた内容だけでもぞっとする事件の一つに「三菱銀行北畠支店の事件」(1979年)がある。その犯人も、所業から察するに明らかな狂人である。

いつの時代にも狂人は存在する。どんな背景で、どんな理由だったのかは知らないが。

今回の「狂人」の背景は。

今、世間はコロナ禍の真っ只中にある。本当に先が見通せない。真面目に働いていた人が急にあぶれる時代である。あぶれては生きていくことができない。こんな理不尽極まりないことが、突然に発生し、進行しているのである。一方で、このコロナ禍にあっても、普通に平穏に暮らせる人もまた厳然と存在するわけで、あぶれた人からすれば「なぜ私はこうなのに。」と、憎くて仕方なく思うこともあるだろう。もちろん逆恨みはいけないのだが。

今回の犯人がコロナ禍と関係するのかはわからないが、社会全体に「理不尽に苦しむ」人が増え、イライラした負のエネルギーが蔓延しているように思えてならない。「狂人」が出てくる背景に、そのようなことが影響していることはないだろうか。

一歩間違えれば、あなたも私も「狂人」に。

世の中は本当に理不尽で、今はうまくいっている人も、いつどうなるかわかならない。私自身、数年前までは完全に社会的な弱者だった。大学を卒業したのに就職に躓き、「新卒じゃないとなぁ」が強いこの日本でなかなかまともな働き口を見つけることができなかった。もちろん、だからといって今回のような狂人事件を起こそうとまでは思わなかったけれど、街中で幸せそうな人を見るとムカムカしていたのは事実で、あのままの状態が続いていたら今頃どうなっていたことか。 人は置かれている状況でどうとでも変わる。あなたが、私が、いつ狂人になってもおかしくないのだ。

とりあえず、これからは外を歩くときは、いろいろと気をつけることにしよう。


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