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みんな平気な顔してるだけ

 自分が100%やりたい仕事をするってほんとに難しいことなんだなと思う。生きていくには仕事が必要だし、とくに日本では働いていないと一人前の人として認められない風潮が強い気がする。いずれにせよ、誰もにとって対価が得られる仕事はなくてはならないものだろう。

 今回はわたしの仕事について個人的な考えを書いている。(個人的強調)

 わたしの働くメディア業界は大きな転換点を迎えている。テレビはTverなど、自分の好きな時間に好きなものを見るという形に変わり、本や雑誌はオンライン化が進む。

 いまやアマプラやネトフリといったサブスクは数百円からコンテンツを提供している。そんな時代に、必要な情報を届けているとはいえ、新聞は変わってきているのだろうか。

 朝日新聞などは月1000円からアプリでオンライン記事を提供しているが、紙の新聞は月に3、4000円。今の時代には高すぎると思う。

「東京だけじゃなくて地域のニュースを届けたい。」

 そう思って選んだ道。けれど、現実はなかなかオンラインに舵をきらないもどかしさ、現場主義の教育方針。若者で新聞にお金を使う人はあまりいないだろう。自分は高齢者向けの産業をずっとやっていくのかと思ってしまう。

 より世の中の人が読みたいと思う記事を届けたい。できれば双方向のやりとりができるアプリを作りたい。新聞は情報を限られた時間でつめるため、毎日書かれた記事をレイアウトする。でも、それを週単位にしたら?雑誌やテレビでは扱われない正確で時に深い情報をもっと若者が読みたいと思うように、余白がある雑誌みたいな形で提供したら?写真やビデオも読みたい!と思うようなものにしたら?

 そのためには、カメラやデザインの知識が必要だ…!ウェブ系の会社に入ったほうがいいのだろうか。

 そんなことを考えては、基本的なことも経験不足でできない自分に落ち込んだり、会社を変えるのって難しいんだなと思ったり。

 今の仕事もやりがいや好きな部分はあるけど、時代に対応しない企業はなくなるしなんだかわくわくしてない…。時代に対応しようと新しいことをやっていく人たちがキラキラして見えて、このままでいいのかなと思っている。

 お給料をもらってわがまま言ってるのはわかるけど、思ってしまうのだ。何十年も同じ仕事続けてベテランの人って成り立ってるんだなとも思う。

「まだこれからだよ。自分があと何年後こういう仕事をしたいから、いまはこれをやっておこうって考えたらいいよ」

なんとなくで終わってましたって嫌なんだよね

「そんなこと娘に言われたらお父さん恥ずかしくて生きてられないよ」

 父との会話だ。そんなこと全くないのに。社会人になって何十年も働き続けるってとてもすごいことなんだと思った。ましてや家族がいるとやめたくてもやめられない。平気な顔してずっと頑張ってくれてたんだと思うと泣きそうになった。

「みんな明日仕事やだなってほんとは思ってる」

 自分の仕事についてあーだこーだ言うけど、ほんとに仕事に上下はないし、今までのやり方を変えたくないって人もいる。話のオチがなくなりそうだが、キラキラ輝いて見える人たちにも苦労はあるしやりたい仕事をできている人もできていない人もそれぞれに考えや思いつきもしなかった出会いがあるのかもしれない。

人として人を尊重することだけは忘れないでいよう。

日々、生活されている方々に敬意を込めて。

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