2019/09/21 雨のち曇り

 きょうは「アド・アストラ」を観てきた。感想としては、なんかよく分からなかったな。現世を見放した父親の影響で自身も同じような感じになっていた主人公が父親と対峙することで己を振り返って現世に救いを見出す、みたいな話だったのだろうか? 主人公にも父親にも感情移入が出来なかったため、先述のような話だったことに確信が持てない。主人公がなにがなんでも父親を追いかけるっていうのはまぁ分かる気がするんだけど、父親があそこまで地球に帰りたくない・星の彼方へ行きたいっていうのはさっぱりわからない。劇中でもとくに語られないし。あとは独り言の多い映画だったな。基本的に主人公の独り言でお話が進んでいっているような感じだった。主人公と父親以外の登場人物はみんなモブみたいなもんだったし。救難信号を出していた実験船もなんだったのか。孤独による狂気を表現したかったのか? でも猿の怒りが俺にも分かるって主人公が言ってたから……父親の影響で精神的に孤独な世界に立つことになった自身と実験のために宇宙に連れてこられた孤独な猿をダブらせた……のか? わからん。地球外の知的生命体探査っていうのもただの舞台装置だったな。それは劇中で父親の友人だった人が説明してたか。冒頭の国際宇宙アンテナのくだりはワクワクしたんだけどね。ていうかあれだけフューチャーしたんだったら知的生命体探査をもうちょっとどうにかしてほしかった。地球外に知的生命体なんていない、で片付けられるのはなんだかなぁ。地球外に友達を求めなくても、地球内に君の隣にいっぱい居るやろ? ってことが言いたかったんだろうか。でもそうだとしたら設定は宇宙SFでなくてもよかったんじゃないかなって思った。設定の所為で言いたいことがぼやけている気がする。いや、料理の仕方だ。地球外知的生命体を探しに行った研究者から意味深な反応が返ってきたら「知的生命体と会ったのか?」って考えちゃうじゃん。見方の問題だと言われればそれまでなんだけど。独り言でお話が進むって言うのもちょっとどうかなというところ。モノローグが本当に多い。そして宇宙にひとりで漂う孤独を「孤独だ」って言わせてしまっているのもちょっと……。そんな映画だった。

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