2020/03/21 晴れ

 きょうは元同僚らと肉を焼いてきた。たかい肉、うまい肉。あと「ヒトの目、驚異の進化」を読了した。なぜ色が見えるのか、なぜ両目が前を向いているのか、なぜ錯視が起きるのか、なぜ文字がスラスラ読めるのか、ということを研究した本。巻末に2012年に刊行したものの文庫化であるって書いてあって驚いた。新刊だと思ってたんで。どうりで本文中に出てくる年代が少し古かったわけだ。それはそれとして、面白い本だった。とくに最初の色の知覚についての章は大変興味深い内容だったな。まず光の3原色と言われるが、ヒトの知覚的には四原色が正しいらしい。知覚として、赤緑青黃の4色が「他の色が混じっていない色」として体験される、と。逆に他の色はこの4原色のうち2色を混ぜたものでできる(色相)。そこに彩度と明度が加わって、ヒトの色という知覚ができてるんだって、このへんは絵描きが読むといいかもと思った。色相彩度明度がやっと分かったような気がする。茶色は彩度明度の低いオレンジである、とか。色の見方が変わる。色を知覚する神経細胞と色の関係も面白い。色弱が男性に多くて女性に少ないだけでなく、女性は4色型を発現することもあるというくだりはGAを思い出したな。あーさん、あの設定は医学的にありえることだったのか。などなど。ほかの章も新しい視点が語られていて面白い。両眼視は立体把握ではなく視差のある画像から障害物を透視した視覚を作るためにあるとか、錯視は視覚が運動に対応するために起こるとか、文字は視覚に受け入れられやすいように自然に存在する形を真似るように進化したとか。よい本だった。

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