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クラウド基盤入門難易度を独自比較!

AWS、Azure、GCP、Oracle Cloud、IBM Cloud。僕が個人的に触ったことがあるクラウド基盤を本当にちょっと触っただけで入門難易度を比較するといういい加減な文章です。
「オンプレしか知らないけど一番苦労せずにクラウドエンジニアの雰囲気を味わいたい!」という人には何かの参考になるかもしれません。ならないかもしれません。
あと偏見しかありません。さらに調べもせずに感覚で書いてるから誤りがあれば優しくご指摘をお願いします。

比較軸

まずは主にどんな観点で書くのかここで決意表明します。
・アカウント登録の簡単さ
・仮想マシンを作る簡単さ
・UIのとっつきやすさ
・ほかのクラウド基盤との違い
よし、いってみよう。

AWS

まずはみなさんが一番触る機会が多いであろうAWSからいきます。これを基準にしましょう。AWSはクラウド基盤の先駆者ですが、追随する巨人らを振りきるがごとく正しい進化を遂げて先頭を走り続けています。

登録難易度 ★★★☆☆
仮想マシン ★★★★☆
UIの簡単さ ★★★★☆

黒い★が、ユーザーにとっていいという意味にしましょう。
アカウント登録は特に難しくありません。クレジットカードを登録する心理的ハードルがありますが、そういうルールを作ったこと自体にもすごさがありますね。ま、そこは請求アラートなりで何とかしてください。
仮想マシンを作る際には、AMIというマシンイメージを選ぶことが作業を簡単にしています。この辺りはVMwareで仮想マシンに慣れていればAWSは使いやすいです。しかも無料イメージが多い!
しかもしかも、Windowsサーバも無料VM作れるんですよ。これ、Azureでもできないんですよ。どうなってるんですか。
UIもそんなに癖がないです。迷うとしたらリージョンがどこを選んでるかを意識しないとたまに混乱することくらいかな。(俺だけか)
それよりも機能の名前が独特すぎて覚えるのがつらい。仮想マシンはEC2とか、なんやねん。

その他特筆事項としては、僕が好きなコグニティブサービス(画像の学習とかそういうやつ)のレベルが高いことです。でも、チャットボットの作成は日本語でできないのはAWSの弱み。(AzureとGCP等は対応済み。確かIBMクラウドも)
でもマジで全体的にAWSはすごいと思う。

Azure

僕が一番好きなAzure。なんで好きかというと、僕が画像学習で遊び始めた時に一番進んでいたからです。(今はAWSが先をいってる。先をいってるというのは、GUI操作で画像分析が完結するし、基盤としてもSage makerという最強基盤でサーバレスでやれてまうから。Azureはそこまでできない)

登録難易度 ★★☆☆☆
仮想マシン ★★★☆☆
UIの簡単さ ★☆☆☆☆

あれ?めちゃ低くなっちゃった。登録難易度は似たようなものなんですが、チェックボックスを無駄につけると営業の電話とかかかってきます。その罠に引っかかった分だけ星を引きました。他のクラウドには罠がありません。
ただし、Azureは無料枠は全部の機能で使えるんですよ。他のは使える部分に制限があります。これが非常に魅力です。
仮想マシンも大変優秀です。決してAWSに劣りません。しかし、いかんせん無料で試せません。それゆえに僕はほとんど作ったことがありません。これはAzureの思想もあって、IaaSじゃなくてPaaSを使えよというメッセージなのです。(と僕が勝手に思ってる)
はっきり言ってサーバレス基盤を使う、構築を極力自動化したい、というならAzureはかなり進んでると思います。DevOpsもそう。オールクラウドのシステムをゼロから作るなら、選択肢に入れてください。ブルーグリーンデプロイとかやりたい人は簡単だし面白いですよ。あとは、Windowsの連携が強いので、パワーシェル使いの人も相性がいいでしょう。
ただし、UIが大変独特です。初心者が短い時間で馴染むには難しいです。ここは減点不可避です。あと、色々作ったらリソースグループの削除を忘れずにやりましょう。

特筆事項としては、マイクロソフトというのがやはり強いです。後追いなのにあっというまに関西リージョンを作りましたし。(ただしレイテンシひどいし貧弱)
この辺りもAWSと思想が違います。AWSは日本に東京リージョンだけと一口に言っても、4か所の別のデータセンター群で冗長化してるので一か所吹っ飛んでもそもそも平気です。詳しく語れないけど冗長化の思想もそれぞれ全然違う。

このツイートも参考にしてみてください。
https://twitter.com/redsasakou/status/1198084712033468416?s=20

GCP

昨今では誰でもグーグルアカウントの一つくらいは持ってるのではないでしょうか。そういう人であれば登録のハードルは低いです。クレジットカードを登録するだけですから。

登録難易度 ★★★★★
仮想マシン ★★★★★
UIの簡単さ ★★★★☆

あくまで初心者が初めて登録して仮想マシンを作る、という用途では一番親切で難易度も低いです。仮想マシンはAzureと同じで無料プランがないのですが、何が優れているかというと、作成後にすぐに触れるというのが遊ぶ用途では楽です。安心しておススメできます。
AWSは接続用にキーペアを指定しないと作成不能、オラクルクラウドはキーペアを指定しないとVM作成後に接続不能、Azureは管理者パスワードを入れる必要があります。そのどれも不要でVM作成できるというのが、横着なエンジニアにはらくちんです。さらに、クラウド上からコンソールを立ち上げて簡単に操作できます。Azureのコンソールと違って使いやすいです。
UIも特に癖はないです。

特筆すべきというか、ちょい関係ないですがFirebaseというプラットフォームも触れておいたほうがいいですよね。GCPとは別物なんですが、アプリ開発のためのクラウド基盤というイメージです。正確な説明じゃないかもしれないですが。
弊社ではアプリから通知する機能を実装するときに、Azureだとお金がかかるので無料のFirebaseを使うということをしました。安く色々できる独自基盤があるのがGoogleの強みです。

このツイートも参考にしてみてください。
https://twitter.com/redsasakou/status/1198112338542379008?s=20

Oracle Cloud

後発なんですが、そこそこ本気さはありますし安いんですが、情報量が圧倒的に少ないです。おそらく使ってるエンジニアもめちゃ少ないと思います。説明資料もリンク切れがあって、仮想マシン作成もドキドキします。

登録難易度 ★★★☆☆
仮想マシン ★★★☆☆
UIの簡単さ ★★★★☆

これも明示的に同意しない限りは課金されないので、安心設計なのですが、その状態だと3万円ちょいの無料クレジットあっても使えるサービスに制限があるっぽいです。でも、機能はありきたりなものしかないので一か月で3万円使うのは結構大変。
クラウド基盤って各社結構独特なんですよ。独自用語が必ず出てくるものなんですよ。そういう世界なので、ググっても情報が少ないとなるとハンデだと思います。クラウドを比較的オンプレちっくに使いたいとか、Oracleを物理からリプレースしたいとか特化した用事がない限り、あえて選ぶことはないと思います。逆にそういうサービスだからこそ、一回限りの無料クレジットだけどためらいなく登録してみちゃおうという動機になるかもしれません。
ちなみに下記のリンクでも書いてますが、Always Free(無料)でVM作ろうとすると向こうのキャパシティの関係で作れないことが多いようです。私は何度やってもダメでした。
2020/4/29追記:Free Tier(Always Free) の場合は、ホームリージョンは Ashburn が推奨らしいです。ホームリージョンの変更は原則できないので、
(1). PAYG に Upgrade または
(2). ホームリージョン Ashburn で別アカウント作成
で対応できるとか。

このツイートも参考にしてみてください。
https://twitter.com/redsasakou/status/1216346815815012354?s=20

IBM Cloud

これを調べるにあたって、仮想マシンがあるのかググりました。というのは機能として存在しないと思ってたんです。そしたらあるらしいんです。無料登録では画面そのものが隠されていて、アカウントをアップグレードしないといけなかったらしいです。とはいえ、この文章を書くためだけにクレジットカード登録してアップデートするのも面倒だなと思ったので触ってません。ごめんなさい。

登録難易度 ★★★☆☆
仮想マシン ?????
UIの簡単さ ★★★☆☆

じゃあ書くなよって声も聞こえてきそうですが、書くってツイートしてしまったので書きます許してください。
さて、IBM Cloudの最大の長所はクレジットカードを登録しなくても使えるという点です。後発ゆえの差別化ですね。ただ、AIチャットボットを作るならそれでもいいんですが、クレジットカード未登録だとVMとか作れないとなると全体的に評価が下がってしまいます。気軽にコグニティブしたいというならいいんでしょうけど。しかもそのあたりが他のクラウドと比較して明確に優れている部分は見つけられず、微妙さが残ります。それがないオラクルクラウドよりは本気さがあるのかもしれないですが。あとは、無料で何か作ったとしますよね。それを一定期間触らないでいると自動的に削除されます。これは個性的です。親切だし合理的だなと思います。
UIはかなり見づらい方だと思います。日本語になっていない部分がいまだに多いし。

まとめ

無料で仮想マシン作れないことに文句言いまくってますが、決められたリソースを確保してしまう仮想マシンって無料で使われたら結構痛いと思います。PaaSなら相乗りで使ってるとき以外は手を放してますからやさしいですが。なんか、ニュアンスが正確ではない気がするけど疲れてきたから自分を許す。
だから、それをさせるAWSがすごすぎるし、そもそも基本的に従量課金のクラウドは最小限で作るのがマストです。PaaSを有効活用すべきだし、拡張が難しいオンプレと違って、クリック一つで拡張できる(下手するとオートスケールできる)クラウドは、「安くて弾力がある」ことが長所です。
「Webサーバ作るの?サーバやめてサーバレスでやろう」みたいなができることがエモいと思うわけです。(そしてその先にコンテナがある)
そういう観点で比較するともう沼になるし、だったらなんで仮想マシンで比較してるんだよって感じですが、この比較を何かの参考にしてください。(暴力的なまとめ)

あと、Alibabaも書いてほしいと言われたので、こちらで公開しました。たくさんの閲覧ありがとうございます。めちゃ嬉しいです。


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