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ぼっち在宅介護 一線をひいておく大切さ

今日は久々、介護のことを書きます。

介護される人と介護する側の人の在宅における距離についてです。

うちの場合、当初、父と母が同時に介護認定がおりまして、介護生活に突入しました。

父が転倒骨折により、半ベッド生活で要介護3。
母が、血管性認知症にて、要支援2。

父は一階の自室で暮らしており、廊下にならんで、トイレ、洗面所浴室、LDKと繋がっていました。

母は、認知症がありこだわりが強く、2階の自室で寝起きをしていましたが、しばらくして軽い脳梗塞で転倒し入院を機に、一階の和室へ移ってもらいました。LDにあたる和室の横、トイレの真ん前の部屋です。

(私は、LDにあたる和室で寝起きをしています)


この時点で、主治医から言われたことは、
「二人はどこで食事を摂ってる?」ということでした。

上記のように話すと、
「それはよかった。各部屋で食事を摂る習慣をつけておく方がいい」とのことでした。


襖一枚でも、介護する者と介護される者の暮らしがきちんと別れている方がよいということでした。
介護は短いのか長いのかまったくわかりません。介護する者が疲弊してしまうと、在宅介護は成り立たなくなるからです。



「食事くらい一緒にしてあげなよー」などのご意見もあるかと思いますが…

全介護状態の人と認知症があり支援の必要な人の食べる速度は違いますし、ましてや介護する側が団らんしながら、フォローしながら食べすすめるのは全然無理だったのです。

二つのお膳にごはんとおかずを持っていっても、
片や(父)箸やスプーンがうまく使えず、落としたりで食事がすすまない。
片や(母)認知症のため、入れ歯の調子が悪いとか、固いものが嫌だとか、気持ち的にやたら時間がかかるのです。
全く同時には介助できませんでした。

主治医の先生は、ショートステイや施設入居も見据えて、自室での食事をススメられたんだと思います。


これについては、

遙洋子さんの著書
『介護と恋愛』


を遠い昔読んでいた私も同じ意見でした。

遥洋子さんのご家族は、皆で協力してお父様を在宅介護されていました。主力はお兄さんのお嫁さんでした。が、摘便は、洋子さんとお兄さんでされていました。
洋子さんは、お姉さんの介護負担を減らすべく、お手伝いを頼めるように、資金調達をメインで頑張っておられました。(と、記憶しています。随分前に読んだので…記憶が曖昧で)ご家族で集まって食事をされることも多く、お父様を居間で見てらしたか、食事時に連れてきてあげてはったように記憶するのですが…
その時にお母様がおっしゃられた言葉が非常に強く記憶に残っていたのです。

少々乱暴な口のお母様は、
「こんな所で人が飯を食う所を見せられて、本人は食べることもできないなんてね、幸せじゃねえ(的な)云々…」と記憶しています。

それが非常に、読んだ時にショックでもあったんですが、大事なことではないか?と思ってずっと引っかかっていました。

家族の団欒は、元気であってこそ嬉しいものですが、体調がすぐれない時に見せつけられるのは辛い人もいます。自室であれば、見ない自由も、見に行く自由も、来てもらう自由も選べるわけです。
何より、リビングでお下のケアをされたいのかどうかというと、介護される方にも選ぶ権利があるような…

そして、
介護する側のかろうじてのプライバシーが保たれます。休むこと、食べること、時間の空いた時に、だれに見られることなく補給できるのです。


老化を止めたい、認知力を落としたくないと、
リビングで介護を受けたがる方もあるかもしれません。ご本人が望まれて、介護する側が望むなら、それがベストなことかもしれません。

が、自室で自立した時間割で生活できるということは、お互いに解放される時間が埋まれることになります。
長期にわたる介護であればあるほど、一線をひいてあることは、介護する側を助けてくれるのです。


認知症のある方、
持病がある方、
自立生活が難しい方、
様々なケースがあるので、一概には言えませんが、それぞれがそれぞれのペースでしか、食べたり、排尿排便したり、行動はできません。

なので、相手にあわせにくいなーと感じたらば、そこは一つ自立して介護を受けるというのも大事かなぁと思うのです。


介護する側が少しでも楽にできることの方が、介護される側の気持ちを楽にできたりする部分もあると思うので…


四年目に突入しまして…

一線をひいておくというのは大切だなぁ
よかったなぁと思っている一つです。


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