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ぼっち在宅介護 父のリハビリより大好きな嚥下訓練①

春が駆け足で過ぎて行く!
もう、梅雨になるのか?
よくわからないお天気の中、人事移動とかありそうな雰囲気です。

昨年夏の終わりからお世話になっている言語聴覚士さん。父は大好きな様子です。
5月、彼女は病棟へ移動されてしまいます。

うー、残念…
だけど、もともと病棟の方で、産休を取られていた方のピンチヒッターで来てくれていたそうで、本来の業務に専念できるということで、彼女にとってはきっといい事。
父が珍しく最初から大好きになったSTさん。
彼女の未来に幸あれ!🌸


出会いは、夏の終わり。
突然、下顎と舌が動かなくなり、ご飯が食べれなくなりました。
本人は食べたい。そして、飲み込むこともできますが、口に入れると下顎が機能しないので垂れる…舌が動かないので喉に送れない…という状況で(そんなこんなも後からわかったことで)パニックになった私は主治医と訪問看護に連絡しました。本人の意思で、胃ろうなどの医療は受けず、自身の力のみで人生を全うすることにしました。


数日内に、訪看さんが中心となり、言語聴覚士(STさん)、自主的に歯科衛生士さんとが集まりました。

「Fさーん、食べるとこ見せてくださ〜い」

父、必死に食べようと食らいついていきますが、悲しくも口の片側から食べ物は全部落ちていきます。

「なるほど…食べたいですねー」

父、大きくうなずく。

「嚥下訓練をはじめましょう」

父、うなずく。

「うち(歯科医)何か出来ることがあれば言ってください」

「よろしくお願いします!」


私は、STさんから、どこが機能して機能していないかを聞いて、訓練以外の食事どきに、どこに留意するかを聞きました。


これまでの訪看、リハビリ、口腔ケア(自主契約)に➕嚥下訓練がはじまりました。

週に2回、口腔ケアと嚥下訓練の時間以外は、私が預かる…父の生命線…
点滴を毎日に切り替えてもらいながら、
とにかくチャレンジです。

そろそろいよいよか?と周りが思うのに対し、
本人はびっくりするほど食べたがる…

これは、嫌だなぁ、プレッシャーじゃん…
が正直なところ…

何がどうでどうなんだ?どうなった?
わけがわからない。どうすればいい?

けど、一番わからないのは父でした。
昨日まで普通にたべれていたのに…突然すぎて、パニックです。

とにかく、その現場にいるみんながわかる事は、父がまだ食べたいこと。
そして、訓練をトライしたい強い気持ちがあること。


写真にあるのが会議で出た内容のメモ…

どうやら、
喉の奥におけば飲み込むことはできる。
ただ、喉の奥まで食べ物、飲み物が運べない。
頬の筋肉が機能してない。
舌が緊張して固まっている。



とにかく、喉の奥に食べ物を置けば飲み込めるかも?

ということでした。

ただし、
飲み込みやすい体の角度は、上半身30度、下半身30度。
体の力が入りにくい。
そして、飲み込めるが誤嚥しやすい角度という…

訓練がはじまるのははやくて数日後。
それまで点滴以外をなんとかつっこまないと、、、
ここの数日でみるみる痩せてきていました。

まじかー

皆さんが飛んできてくれたのはいいけれど、二人取り残されて、はて?

食べたくて飢餓状態、パニック状態の父にどう理解させて、たべさせて生命維持するか…
悩みました。

これまでも食べたいから食べさせて、
うまくたべれなくて、食べれないまま疲れて寝てしまう…の繰り返し。


父になれ…父になれ…
天井を見上げる父を見て、天井を見て考えました。

まず、力は抜かなければいけない。
舌が焦って動くことで、喉奥に置いた食べ物が口中に広がってしまう。
ぽんとおかれたご飯は、ちょっとすると気道を塞ぐので、本人は怖いし…

30℃、30℃…


あー、海に浮かんでるイメージはどうかなぁ?

海で遭難している。浮き輪の上に乗っている。
今、体に力を入れてしまうと、おぼれてしまう。食べる物は、天から降ってくる雨だけ。
一滴ももらさず飲むには、ただ口を開けて降ってきた雨を飲み込むだけ。

これを父に話してみました。

「オヤジは生死を彷徨う遭難中。力を入れないで、天からのお水をただ受け入れて、飲みこむだけ。わかる?」

父、うなずく。

「いくよー、天からお粥が落ちるよ〜」

ごくん。
イケタ!

「いくよー」

ゲホゲホッ

「はい、今の力入ったね。遭難して〜。
行くよー」

ごくん。


そんな感じで、急場の栄養補給はなんとかできはじめました。

次は、嚥下訓練がはじまります。

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