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ぼっち在宅介護 『silent』というサイン

『silent』
あ、父の体調についてです。

調子が悪くなると、無音呼吸になります。
生きてる?というくらい呼吸が静かになり、こちらがドキドキします。

が、バイタルは全てオッケー👌

でも、実は気管に痰がめちゃくちゃ詰まっています…あと、腎不全による浮腫の元の水分もきているみたいです。

そうなると、実は肺が水浸しみたいになっていて、呼吸が浅くなるのか?呼吸音がほぼしません。すごく落ち着いてるように見えますが、「肺が溺れている」状態と主治医は教えてくれました。かなりしんどいと。

それを、一部の医療スタッフさんは『silent』といってくれています。


この『silent』、私しか感じません。

バイタル、血中酸素、全てが良好にでてしまうので、一見、気管にびっくりするくらいの水分や痰がいるように感じません。

なぜ、こんな落ち着いて、呼吸ができてしまうのか?先生も「すごい、なんでこんなことできるんだろう?」と言ってくださいます。

娘ながら、父の生存本能の強さに脱帽です。
父なりのなんらかの生命維持センサーが作動しまして、とにかく朦朧としながらも、無駄な動きを控えて、ただ静かに傾眠傾向になっています。肺の水難から救助が来てくれるのを体力温存しながら待っているそんな感じがします。



で、ここ最近、調子がよかったんです。
良すぎて、怪しいなとちょっと思ってはいたんです。


そしたら、やっぱり不穏が出ました。。。
急に喋り出したりしまして…
せん妄なるのか?と心配しましたが、せん妄のお薬と、浮腫をマッサージしまくって、やっと寝落ちてくれました。


しかも、素人なりにうまくやっていた鼻から吸引が、急に下手くそになってしまい、うまく痰が引けなくなってしまったのです。

まだ本機に繋いでない状態です。
鼻腔を傷つけないようにゆっくり入れたいので、
カテーテルを先に入れてから、
本機のチューブにつないでます。



日に数回、ズゴゴゴズゴゴゴと引いていた水分や痰が引けないとなると、『silent』状態に陥ります。

『silent』になると、本当に呼吸してるからわからないので、夜も気が気でなくて…
寝るに寝れません。ここ数日、夜な夜なモニターで呼吸を確認して寝直す日々が続いてました。



夜、見にに行くと、また無音呼吸…

『silent』だ…

吸引も何度チャレンジしても引けないし、なんなら鼻にスムーズに入らない…
そもそも、奥の吸引までいけない…
鼻くそつまってる?鼻腔が乾いてる?

絶対、この様子、奥の気管に溜まってるー!
頑張って何度かトライしてたら、
ちょっと鼻血がついてしまいました。

ひいいいい!!

無理だ!
どっから血が出てるかわからないし、私がやっていいレベルかわからん!

翌朝一番に訪看がある日の夜中だったので、バイタルと血中酸素を確認し、片肺だけでも呼吸がしやすいように体にクッションを入れて、『silent』状態で休ませることにしました。


翌朝、別の看護師さんが来られました。
その日の看護師さんは、父からズゴゴゴと吸引されたことはなくて。(たまたまかもですが)

父のバイタルが安定圏にいると、体調とか私の意見は聞きながらも、割とどんどんと時間ないにケアを進めていく方で、父の『silent』状態を実感されたことがない感じでした。


が、さすがにカテーテルに血がついていたので、私の感じる異変を伝えると、深めの吸引にチャレンジをしてくださり、鬼ほどの痰と水分を引いてくださりました。

ズゴゴゴズゴゴゴズゴゴゴ
彼女が父の吸引で初めて感じる大量の水感。

大量の痰と水分が吸え、さらに、左鼻穴から2つ、右鼻穴から1つ大きいのが釣り上がりました。

「これはしんどかったですねー」

また一人、『silent』状態を認知してくれました。


ほぉ。
父も呼びかけにも応じるようになって…間に合った…という感じです。




でも、その日は浮腫が止まらず、すぐに気管に痰が溜まるようでして…
さらに、不穏または『silent』の傾眠傾向が続くので、救急訪看を依頼、主治医の往診を希望しました。


主治医が
「もう一度、僕が引いていい?」
看護師さんが朝、夕と大量吸引した後でしたが、先生がいうのでお任せしましたら、、、
もう、どんだけ?という量の水分が引けまして…ひぇぇぇぇぇ!!!

気管ってそんなに体積あるんだ!という驚き。

ゲホゲホいいながら、果敢に吸引にチャレンジする父と先生にも驚き。


「普通のおじいさんは、こんなんは無理やで」と先生。

父の命に対する執着というか、剥き出しのアスリート感に、圧倒されました。



数日前までこまめに吸引できていて、肺に水が溜まることはなかったのです。


「急に、吸引が下手くそになってしまって…」
と私が言うと、、、

「そりゃ、できなくなる日もあるよ。こんなんね、なかなかできないよ。あのねー、僕、こんなん30何年もやってきてるのね。普通はできないできない。いつでも呼んで」


あー、そっか。
先生も看護師さんたちも、できるようになって、で、うまくいかない日々もあったりしながら、どんどんうまくなってきはったわけで。
素人の私が100発100中の吸引ができるわけがないなーとわかりました。


腎臓が機能低下すると、全身が浮腫がはじめます。体内の水分が外に出せなくなるのです。体がパンパンになるので、きっと顔や鼻腔も腫れて、カテーテルの通る隙間が狭くなってしまったのかと思います。

先生や看護師さんは、もっと体の小さな患者さんも見ているので、鼻腔を傷つけずに吸引をする術があるんですね。

私は父しかやってないので狭くなられると、途端に内壁にコツコツ当ててしまいます。
すると、父も吸引を嫌がります。あっという間に、さらに浮腫がひどくなります。

で、『silent』になるわけです。


今回も、利尿剤を使用しました。
腎臓に「働け!」と喝を入れる薬です。
2回目服用です。

うーん。

できる日できない日は皆にあるし。
やがて、できない日できない日になってくるんだろうけど…


まだ、食べようと思っているし、
経口補水液ゼリーもガブガブのんでますし。

『silent』になってでも、まだ頑張りたいらしいので、頑張れって感じです。

私もまた、吸引がんばるかなー。
できなくてもいいんだもんね。


余談)
ちなみに、血🩸
内壁に当たった時の血らしく、問題ないそうです。よかったわ〜

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